現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ヤマハ「MT-125」はCB125RやGSX-S125のライバルとなり得るのではないか?【小松信夫の気になる日本メーカーの海外モデル Vol.1】

ここから本文です

ヤマハ「MT-125」はCB125RやGSX-S125のライバルとなり得るのではないか?【小松信夫の気になる日本メーカーの海外モデル Vol.1】

掲載 更新 21
ヤマハ「MT-125」はCB125RやGSX-S125のライバルとなり得るのではないか?【小松信夫の気になる日本メーカーの海外モデル Vol.1】

日本が誇る二輪車メーカー4社は世界各地で高い評価を得ている。そして日本市場では正規販売されていない機種が海外では数多く展開されてもいる。この企画では、そんな海外限定ともいえるモデルをフィーチャー。国内ではそうそうお目にかかれない隠れた日本車を紹介していく。
第1回はヤマハMTシリーズの真の末弟に当たる「MT-125」を見てみよう。

ヤマハ「MT-125」の特徴
日本でも売ればいいのに……と思わせる魅力的な存在

ホンダ「GB350」のインプレを公開! 新たな空冷単気筒の乗り心地とは?

日常的にライディングを楽しむのに最適な扱いやすさ、等身大のパフォーマンス、そしてランニングコストの低さがあいまって、近年125ccを中心とする原付二種モデルへの注目度が高まっている。

しかも、スクーターなど実用性重視のモデルや、グロムやモンキーなどのミニバイクといった以前から注目されていたモデルに加え、新型のDOHCエンジンモデルが登場したホンダのCB125R、本格的なメカニズムとレーシーなフルカウルを備えるスズキのGSX-R125と、そのネイキッドバージョンのGSX-S125、また輸入車でもKTMの125デュークやハスクバーナのスヴァルトピレン125など、フルサイズの125ccロードスポーツを街で見かけることが増えてきた。

フルサイズの125ccスポーツは1960年代には日本国内でも絶大な人気を誇ったが、80年代以降のバイクブームで250ccや400ccへ人気の中心が移ると、その存在は半ば忘れ去られていたといえる。しかし、海外では手軽に本格的なライディングを楽しめるライトウェイトスポーツとして根強い支持を集めていたため、日本のメーカーも長年にわたり海外向けに125ccモデルを開発し、販売を続けてきた。

そういう下地があったからこそ、CB125RやGSX-R125やS125を再び日本国内に導入することができたし、その結果再び日本でも125ccスポーツの人気も高まりつつある。そんな中で、日本のメーカーが手がけながら日本では一部の並行輸入車を除けば正規ルートで販売されず、その姿を見ることが難しいが、情報を見るだけでも気になるモデルも存在している。例えばヨーロッパなどで販売されているヤマハMT-125もそんな1台だ。

2014年にYZF-R125の基本メカニズムをベースとして、ヤマハのスーパーネイキッド・MTシリーズの最小排気量版としてデビューしたMT-125。現行モデルは、2020年にモデルチェンジを受けて登場した。

そのスタイリングは、国内でも販売されている兄貴分・MT-25/03の最新モデルと共通イメージの、2眼LEDポジションランプ&超小型LEDヘッドライトで構成された個性的フロントマスクを中心にした、MTシリーズらしいアグレッシブで躍動感に溢れるデザインが、クラスを超えた存在感を感じさせる。

MT-125は、主に東南アジア向けモデルであるMT-15とスタイリングなどに共通点が多い。

スタイリングばかりでなくメカニズム面でも、SOHC4バルブの124cc水冷単気筒エンジンは、MT-15のエンジンと同じく低速向け、高速向けのカムを回転数によって切り替える可変バルブ機構・VVAを採用した最新スペックのユニットを搭載。日常的な用途での扱いやすさと、高回転での爽快で力強いフィーリングを両立させている。

シフトダウン時のショックを抑え、レバー操作を軽く容易にするアシスト&スリッパークラッチを装備して、充分スポーティなライディングを楽しめる。

ただしエンジンの最高出力自体は15PS、これはCBやGSXなど125ccクラスのライバルたちと横並びになっている。ヨーロッパの免許制度において125ccまでをカバーするA1免許、そこで規定されている最高出力規制に適合させているためだ。

フレームは専用に設計されたヤマハ伝統のスチール製デルタボックスフレーム。そこに組み合わされる足回りも、フロントフォークにはインナーチューブ径Φ41mmという剛性の高い倒立タイプが採用されている。さらにアルミ製とされたスイングアーム、従来モデルの130から140にサイズアップされたリアタイヤ、フロントのラジアルマウントキャリパーなど、125ccクラスとは思えない贅沢な造りによってスリムなボディと力強いエンジンを活かした軽快な走りを支えている。

これらを見るだけで、MT-125がMTシリーズらしい個性と優れたパフォーマンスを秘めた、魅力的な125ネイキッドであることは間違いないと分かるだろう。現在、スクーター以外の国内向けの125ccモデルをラインナップしていないヤマハが、なぜこのモデルを125ccの人気が今まさに高まりつつある日本国内で販売しないのか?

あくまで推測だが、価格でライバルたちに対する競争力が無いと判断されている、ということなのかもしれない。ヨーロッパでのMT-125の価格を最新のレートで日本円換算すると約68万円。一方直接のライバルであるネイキッドに絞って見るとGSX-S125が最も低価格で約55万円、CB125Rが約63万円、エンジン以外は250cc版とほぼ共通のメカニズムを与えられている125デュークが一番高くて約70万円。

日本での税込価格を見ると、GSX-S125が38万2800円、CB125Rが47万3000円。125デュークが53万9000円。当然さまざまな事情があるから単純には比較はできないが、MT-125を国内で販売するとすれば、その価格はGSX-SやCBよりは、おそらくデュークに限りなく近く、50万円をオーバーするのは確実と想像される。

しかし125ccクラスとして、あらゆる面で非常にハイレベルな造りを採用しているMT-125だけに、その価格設定は当然のこと。だが国産のライバルは40万円台、さらに40万円を切るGSX-Sを相手に価格競争をするのは難しい。でも、このMT-125を何とか50万円ジャストくらいで発売できれば、勝負になるんじゃなかろうか……と、つい夢想してしまうほどに魅力的な存在なのだ。

文:小松信夫

【アンケート】 あなたはどのカラーのMT-125が好きですか?
お好きなカラーをポチっとお選びください。投票後、集計結果をご覧いただけます。

元サイトで投票・回答

ヤマハ「MT-125」の主なスペック
[ 表が省略されました。オリジナルサイトでご覧ください ]

[ アルバム : 【写真9枚】YAMAHA「MT-125」 はオリジナルサイトでご覧ください ]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

「首都高の“ETC”」利用率が98%!? それでも「料金所」に”係員“なぜ存在? 料金所スタッフの勤務実態とは
「首都高の“ETC”」利用率が98%!? それでも「料金所」に”係員“なぜ存在? 料金所スタッフの勤務実態とは
くるまのニュース
さらば50cc…手に入れるなら今!? 50cc人気3選、今はまだ買えるの?
さらば50cc…手に入れるなら今!? 50cc人気3選、今はまだ買えるの?
バイクのニュース
コメリ、オリジナルのヘッドライトコーティング剤発売 最長1年間黄ばみ・劣化から守る
コメリ、オリジナルのヘッドライトコーティング剤発売 最長1年間黄ばみ・劣化から守る
レスポンス
最後の非電動・非ターボの水平対向6気筒…ポルシェ『911 GT3 RS』をスクープ!
最後の非電動・非ターボの水平対向6気筒…ポルシェ『911 GT3 RS』をスクープ!
レスポンス
半世紀前の名車バイクの走行距離がなんと“60km”!? 極上のホンダ「CB500Four」をイタリアで発見 気になる価格とは
半世紀前の名車バイクの走行距離がなんと“60km”!? 極上のホンダ「CB500Four」をイタリアで発見 気になる価格とは
VAGUE
全長3.9m! ダイハツの「コンパクトSUV」は“一文字テール”が未来的! パワフルな「1200cc×ハイブリッド」やターボ搭載した「トレック」とは!
全長3.9m! ダイハツの「コンパクトSUV」は“一文字テール”が未来的! パワフルな「1200cc×ハイブリッド」やターボ搭載した「トレック」とは!
くるまのニュース
 専用品がない旧車や緊急時の味方!!「液体ガスケット」とは?【バイク用語辞典】
専用品がない旧車や緊急時の味方!!「液体ガスケット」とは?【バイク用語辞典】
バイクのニュース
「支払は今度で……」なんていまだ人情話もある日本の路線バスもシッカリ経営に! キャッシュレス化がもたらすメリットとは
「支払は今度で……」なんていまだ人情話もある日本の路線バスもシッカリ経営に! キャッシュレス化がもたらすメリットとは
WEB CARTOP
【KTM 990RC R発表】RC8シリーズ以来の大排気量スーパースポーツRC・公道へ再降臨!デビューは2025年春以降
【KTM 990RC R発表】RC8シリーズ以来の大排気量スーパースポーツRC・公道へ再降臨!デビューは2025年春以降
モーサイ
悔しい予選に終わったノリス。王者争いには悟りの境地「最初の6戦で決着していた」今は打倒フェラーリに集中
悔しい予選に終わったノリス。王者争いには悟りの境地「最初の6戦で決着していた」今は打倒フェラーリに集中
motorsport.com 日本版
【カブリオレ対決】BMW対メルセデス 6気筒エンジンを搭載するオープントップのM440i xDriveとCLE450のガチンコ勝負!
【カブリオレ対決】BMW対メルセデス 6気筒エンジンを搭載するオープントップのM440i xDriveとCLE450のガチンコ勝負!
AutoBild Japan
トヨタ「和製スーパーカー」がスゴイ! 約500馬力「直6」風エンジン搭載&“スケスケ”な超ロングノーズ仕様! ワイドでカッコイイ「FT-1」とは?
トヨタ「和製スーパーカー」がスゴイ! 約500馬力「直6」風エンジン搭載&“スケスケ”な超ロングノーズ仕様! ワイドでカッコイイ「FT-1」とは?
くるまのニュース
2025年は車を買う! でもどれにする?…スライドドア付き軽自動車・予算別ガイド、3ゾーン48車種
2025年は車を買う! でもどれにする?…スライドドア付き軽自動車・予算別ガイド、3ゾーン48車種
レスポンス
いつ見てもかわいいレトロデザイン!! 超小型車 フィアット新型「トポリーノ」は欧州で大人気! ネットに続々寄せられる熱い思いとは
いつ見てもかわいいレトロデザイン!! 超小型車 フィアット新型「トポリーノ」は欧州で大人気! ネットに続々寄せられる熱い思いとは
VAGUE
ラリージャパンで国沢光宏が躍動! 二つの顔を持つ紳士がルーテシア ラリー5で激走
ラリージャパンで国沢光宏が躍動! 二つの顔を持つ紳士がルーテシア ラリー5で激走
ベストカーWeb
『危ねぇ知らなかった!』危険回避! 知らないと怖いブレーキパッドの交換タイミング~カスタムHOW TO~
『危ねぇ知らなかった!』危険回避! 知らないと怖いブレーキパッドの交換タイミング~カスタムHOW TO~
レスポンス
ソニー、移動をエンタメに変える「MR Cruise」事業化…あらゆる車両に搭載可能に
ソニー、移動をエンタメに変える「MR Cruise」事業化…あらゆる車両に搭載可能に
レスポンス
「前を走るパトカー」“追い越し”て大丈夫? 抜かす派VS抜かない派で賛否両論!? 「やっちゃダメ」な要注意項目とは
「前を走るパトカー」“追い越し”て大丈夫? 抜かす派VS抜かない派で賛否両論!? 「やっちゃダメ」な要注意項目とは
くるまのニュース

みんなのコメント

21件
  • 日本だけ所得上がらないしバイク市場の将来性もないし。世界シェアわずか4%の日本のバイク市場に無駄な金は極力掛けたくないそうです。

    インドネシアやタイのおこぼれを仕方無く日本に回してるだけ。

    あとGSX-R125は元々GSX-R150で日本仕様にするためわざわざ125にしてます。

    日本で出して売れたとしても売れたと言う数字には程遠いのが今の日本市場。
    大型生産も日本国内から東南アジアの工場へ随時シフトして行くそうです。
  • なんで日本で発売しないのか謎
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村