レクサス初のBEV専用車として登場予定のレクサスRZのプロトタイプをひと足早くサーキット試乗! はたして真の実力はいかほどのものなのか、先行したBEVとどう違うのか、徹底解説!
文/吉川賢一、写真/奥隅圭之、ベストカーWeb編集部
スゴイのはステアリングだけじゃない!! レクサス初のBEVに昂る……RZに乗ってわかった実力と課題
■「レクサス」らしいクオリティの内外装
レクサスRZ450eプロトタイプ。ボディサイズは、全長4804×全幅1895×全高1635mm、ホイールベースは2850mm。全長は欧州Cセグメント並みだが、ホイールベースはDセグメントほどもある
レクサスのBEV「RZ」の詳細が発表されたのは2022年4月20日のこと。それからほぼ1年が経った2月、レクサスRZプロトタイプのメディア向け試乗会が行われた。舞台となったのは袖ヶ浦フォレストレースウェイ。
2030年にはBEVのフルラインアップを実現し、2035年にはグローバルで全車BEVとする戦略を表明しているレクサス。その幕開けモデルであるRZの実力はいかほどなのか、見ていきたい。
セダン並みの傾斜をつけたリアガラスとダックテールで空気抵抗を低減
目の前にした実物のレクサスRZ(アールズィーと読む)は、いかにも「走りそう」なオーラを放っていた。レクサスRZのボディサイズは、全長4804×全幅1895×全高1635mm、ホイールベースは2850mm。全長は欧州Cセグメント並みだが、ホイールベースはDセグメントほどもある。
ホイールベースはちょうどクラウンクロスオーバーと同じだ。ホイールベースの間に大容量の駆動用バッテリーを仕込んだBEV専用プラットフォーム「e-TNGA」によって、後席スペースは広大。もちろん、トヨタ「bZ4X」/スバルソルテラと共用だ。
BEVモデルは、これまでのスピンドルグリルからスピンドルボディに移行していく
エクステリアのポイントは、1625mmの低い全高と、フロントの「スピンドルボディ」だ。ガソリン/ハイブリッド車のスピンドルグリルで開いていた部分を閉じ、下部分に空気の流入口を設けている。このフロントフェイスがレクサスBEVシリーズのコモンフェイスとなっていくのだろう。
セダン並みの傾斜をつけたリアガラスとダックテールで空気抵抗を低減。ルーフサイドに整流効果のあるスポイラーを設定し、ルーフエンドの空気の流れを整流し、操安性を向上
リアガラスはセダン並みの傾斜をつけており、左右に分割したリアスポイラーでボディサイドの空気の流れを縦の渦に制御して、Cd低減をしているそうだ。
RZ450eのコックピット。手触りの良い合皮のステアリングホイール(写真は正円のノーマルタイプ)。視線の遠くにメーターを置いていたbZ4Xとは違い、通常のレイアウトとしている
インテリアはbZ4Xと比べるまでもなく、圧倒的に質感が高い。シート生地やステアリングホイールの合皮は手触りがよい。SDGsやサステナブルを考えた素材を選び、装飾も工夫したそうだ。
ゴテゴテした装飾は少ないものの、大型のタッチディスプレイや、ダイヤル式のシフトノブなどの操作感も、最新のレクサス車と並んで扱いやすいレイアウトだった。
ヨーク型ハンドルの場合、持ち替え不要とするため、ウィンカーレバーやワイパーレバーがハンドル付けとなる。他にも、ヘッドライトの切り替えや、ワイパー動作調節も、ハンドルスイッチとして足されており、スイッチは縦に渋滞している状況だった
RZのホットポイントは、「DIRECT4」と呼ぶ4輪駆動力システムと、持ち替えいらずのヨーク型ステアリングホイールだ(正円型ホイールの仕様もある)。
後半にて詳しく紹介するが、ロックトゥロック300度(片側150度)のクイックギア比は、5分もあれば違和感がなくなり、最後には「最高のツール」と感じることができた。
バッテリーEV専用プラットフォーム「e-TNGA」採用車両として最大の出力となるフロント 150kW、リア 80kWのモーターを搭載。ツインモーター4WDとして新四輪駆動力システム「DIRECT4」を採用
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初代セルシオのように世界を驚かせてほしい。