年始になり大雪情報などが入りはじめると気になってくるのが4WDという存在。特に昨今では悪路走破性の高いSUVが流行ということもあり、購入を検討する方々も増えてくるだろう。
ということで、いま売れ筋のトヨタSUV、ライズ、ヤリスクロス、RAV4という3台の4WD性能に注目してみる。
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雪道に強い4WDはいったいどれか?
文/橋本洋平、写真/TOYOTA、平野学、奥隅圭之、池之平昌信、ベストカー編集部
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4WDのSUVが抱えるジレンマ
4WDのSUVでもオンロード走行がメインとなるため、2WD状態でいかに燃費を稼ぐかが開発のターゲット。実際に燃費は大きく向上している
各車の取り組みに注目する前に、いまSUVに求められる4WDの傾向は御多分にもれず環境性能の向上だ。4WDを必要としない状況でいかに燃費を稼げるか? 乾燥路を2WDで走る時には駆動ロスをできるだけ無くすことで少しでも燃費を伸ばそうとしている。
だが、それを突き詰めれば突き詰めるほど低μ路では走りにくいクルマになるというジレンマと戦っているといってもいいだろう。
そこをいかにクリアして扱いやすい一台にするか否か。開発コストやスペースの取り合いなど、そのほかにも考えなければならないことが山積みだ。
ライズ:大きく進化したスタンバイ4WD
ライズ4WDモデル価格:191万8800~228万2200円
※ヤリスクロスガソリンより約11万~約16万円安、RAV4ガソリンより約105万~約126万円安
スタンバイ4WDながら、クルマが低μ路と判断するとエンジンを切るまでFF状態にならないのは運転していて安心感がある
その最たるものがトヨタ系SUVのエントリーモデルであるライズだろう。このクルマはダイハツのロッキーと兄弟車で、基本的にはダイハツの手によって開発が行われている一台。
今回はプラットフォームを改めたが、そこではリアフロアデッキ面の低床化を実効し、旧型よりも80mm下げるという変更があった。それでもリアサスペンションは3リンクリジッドアクスル式からトーションビーム式へと変更することで運動性能を向上。
さらに、プロペラシャフト、デフ、ドライブシャフトを小型化している。これは後輪へのトルク配分を電子制御し、余剰トルクを制限するトルクリミット制御を与えたからこそ。
この制御プログラムはダイハツが自社で行うことでコストの削減にも繋がり、さらにCVTとの協調制御を行うことで滑りにくい発進が可能になっている。
雪道でも安心して走れる進化したスタンバイ4WDを安く手に入れることができるのはライズの魅力(写真は兄弟車のダイハツロッキー)
結果として乾燥路ではトルク配分をフロント100:リア0で動くが、状況次第では50:50まで自在に変化。低μ路判定をクルマが一度すると、エンジンを切るまでFF状態には復帰させないという制御ロジックも入っている。
スタンバイ4WDだと一旦停止した後の発進ではFFで走り出し、ズルッときて滑ってからまた4WDに復帰というパターン。これが改まっただけでも安心できる。1255kgという軽量を活かし、これなら雪道でも安心できるだろう。
ヤリスクロス:3つのモードが選べる4WD
ヤリスクロス4WDモデル価格:202万9000~244万1000円(ガソリン)、251万5000~281万5000円(ハイブリッド)
※ガソリンはライズより約11万~約16万円高、RAV4より約94万~約110万円安、ハイブリッドはRAV4より約108万~約121万円安
ヤリスクロスの4WDシステムもスタンバイ方式だが、走破性は高い。これは雪道や低μ路を走行する場合の安心感につながる
ライズの兄貴分となるヤリスクロスが搭載するダイナミックトルクコントロール4WDも、基本的には同じ考え方で正立している。
FFモデルとは違い、リアサスペンションはダブルウイッシュボーンになることで、乗り心地もマイルドになるというメリットがあるところもヤリスクロス4WDの魅力のひとつ。
特徴的なのはマルチテレインセレクトという3つのモードが選択できるシステムが奢られているところだ。NORMAL/MUD&SAND/ROCK&DIRTが選択可能となる。
NORMALは燃費指向、MUD&SANDはリア寄りに、ROCK&DIRTは50:50で走ることを基本としている。
3つのモードが選択できる。燃費志向のノーマルモードも設定。メーターパネルにはモードとその時の駆動配分が表示される
ハイブリッドモデルについては基本的には低速で効く制御となるため、悪路を積極的に走ろうというのであればガソリンモデルのほうがマッチしているだろう。
ただし、ハイブリッドモデルでもTRAILモードを備え、空転するタイヤにブレーキをかけることで反対側のタイヤに駆動トルクをかける制御を行うなど、低速時の駆動についてはかなり気を遣っている。
また、全車に対してダウンヒルアシストコントロールを備え、雪道、ウェットなど低μ路の下り坂で低車速にキープするようにサポートしている。
ヤリスクロスはハイブリッドの4WDモデルにもTRAILモードが装備されるため、雪道などの低μ路走行でのスタビリティが高い
RAV4:3種類の4WDを設定
RAV4 4WDモデル価格:297万4000~353万9000円(ガソリン)、359万6000~402万9000円(ハイブリッド)
※ガソリンはライズより約105万~約126万円高、ヤリスクロスより約94万~約110万円高、ハイブリッドはヤリスクロスより約108万~約121万円高
右からアドベンチャー(ダイナミックトルクベクタリングAWD)、ハイブリッドX(E-Four)、G(ダイナミックトルクコントロール4WD)と3種類の4WDを設定
RAV4は3つの4WDを3種類もラインアップしていることが見どころだ。ガソリン車に対してはダイナミックトルクベクタリングAWDとダイナミックトルクコントロール4WDを、ハイブリッド車にはE-Fourと呼ばれる電気式4WDシステムを備える。
注目は新開発となるダイナミックトルクベクタリングAWDで、リアの左右のトルク配分を自在に変化させることが可能となり、クルマのヨー方向の動きをアクセルで積極的に生み出せるところがポイントのひとつだ。
これによりライントレース性能は飛躍的に向上しており、安全性はどんな路面でも高まっている。
ダイナミックトルクベクタリングAWDは左右の後輪のトルク配分を自在にコントロールできるので、雪道での旋回性能も激高。このシステムのみ4WDではなくAWDと表記
さらに注目したいのはディスコネクト機構だ。これはトランスファーの中に電磁クラッチを持つラチェット式の切り替え機構を前後に持たせることで、FFと4WDを切り替え可能となり、プロペラシャフトを完全にストップさせることが可能となったことだ。
従来の方式となるダイナミックトルクコントロール4WDではFF状態でもプロペラシャフトは回り続けることとなり、そこで損失が生まれている。
回転によるオイルをはじめとする撹拌損失を比較するとユニットレベルで80%も低減。車両では2%ほどの燃費向上になるというから興味深い。走りと燃費を両立するための凝った機構なのだ。
ハイブリッドモデルが持つE-Fourはリアの出力トルクを従来比で約1.3倍まで高め、最大でフロント20:リア80の前後駆動力配分が可能に。それが最高速付近まで持続するようになり、どんな状況でもFR的に走れるところがポイントとなる。
ダイナミックトルクベクタリングAWDとE-Fourをダートで全開比較試乗したことがあるが、ライントレース性については前者、豪快かつ速く走るなら後者という違いが興味深かった。
もちろん、一般的にはそんな使い方はしないだろうが、RAV4が持つ4WDシステムの強靭さがよく伝わるテストだった。
ハイブリッド用のE-Four(写真右)は最大でフロント20:リア80の前後配分が可能なので、FR的な走りが堪能できるのも魅力のひとつだ
4WDでも過信は禁物
このように、どのクルマ、どの4WDシステムについても見どころは多く存在する。もちろん、頂点が欲しければ迷わずRAV4ということになるだろうが、使い方や予算を考えるとヤリスクロスやライズでも悪くはないし、むしろマッチするというシーンも出てくるだろう。
同じ4WDとひと括りにせず、じっくり中身を吟味して愛車を選択してみてはいかがでしょう?
そして購入した暁にはクルマの性能を過信せずスピードは控えめに、そしてスタッドレスタイヤの性能の範囲内で雪道を愉しんで頂ければと思う。
いくら駆動力が豊かになろうとも、ブレーキの効きが高まるわけじゃない。大きく重たいSUVは止まりにくいということを忘れずにいてほしい。
4WDは雪道、ウェットなどの低μ路での走行で頼りになるが、過信は禁物。止まることも考えて走る必要がある
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みんなのコメント
あとは走れると思ってスピード上げ過ぎると止まれません。控えめに…。