ハイソカーとして一世を風靡した初代ソアラ
昭和世代が近藤真彦さんの「スニーカーぶる~す」や寺尾 聰さんの「ルビーの指環」、イモ欽トリオの「ハイスクールララバイ」を口ずさんでいた1981年に発売されたのが、トヨタ初代「Z10型 ソアラ」です。このクルマはスーパーグランツーリスモをうたう意欲作として登場しました。初代ソアラのオーナーの坂本さんは、当時感を醸し出す仕様にドレスアップしています。
昭和のデートカーの王者はトヨタ「ソアラ」に決定! 女子大生に大人気だったハイソ(死語)なクルマはいつ日本から消えた?
18歳で免許を取得後、初代ソアラを購入
トヨタ初代Z10型「ソアラ」は、当時としては最新のエレクトリック技術を駆使し、アナログメーターがあたり前の時代にデジタルスピードメーターを採用。マイコン式オートエアコンや空気式ランバーサポート、メモリ機能付きリクライニングシートなど、日本初の機構/装備を10項目以上も搭載していた。
当時の広告に使われたキャッチコピーは、「さあ、未体験ゾーンへ」。初代ソアラは、われわれにクルマの未来像を見せてくれたモデルでもあった。そしてこのクルマを起点として、1980年代のハイソカー(ハイソサエティカー)ブームが誕生したのである
現在48歳の坂本さんは、初代ソアラが登場した当時は5歳だった。しかし幼少期からクルマ好きだったので初代ソアラをしっかり記憶していて、免許を取得した18歳の頃に中古車の初代ソアラを50万円以下で購入した。
この一番最初の愛車はしばらく乗った後に手放してしまったが、クルマ好きの仲間たちが再び旧車に乗りはじめたことをきっかけに、坂本さんも初代ソアラを13年ほど前に再び購入。かつて乗っていたソアラは2000VRだったが、現在の愛車はトップモデルの2800GTである。
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ボディはマツダ純正カラーにオールペン
ボディは、マツダ純正のビビッドなソウルレッドクリスタルメタリックにオールペン。外装はフロントグリルをブラックアウト化し、ヘッドライトをスモーク化している。さらに、坂本さん自作のテールランプはスモーク化に加えて、LEDに変更している。また、フロントリップスポイラーやトランクに装着するリアウイングは純正オプション品ということだった。
この初代ソアラは、純正スタイルのわりには車高がかなり低くなっている。その理由は、フロントにエアサスと車高調キットのハイブリッドエアサスを組み合わせ、リアを自作エアサスに変更しているから。このシステムによって、好みの車高にワンタッチで切り替え可能だ。
「車高調キットのままだと腹下を擦りまくって大切な愛車が傷むので、それを避けるための方法です」
と、坂本さんは説明してくれた。
当時の走り屋が好むテイストにドレスアップ
ホイールは、当時感を醸し出すために14インチのロンシャンのXR4を履かせ、当時の走り屋が好むテイストを盛り込む。エンジンはスタンダードだが、エキマニは1980年の代定番だったトラスト製に交換している。
また、マフラーはワンオフで製作。ベースはトラスト製だが、デュアルテールはVIPカーのカスタムでお馴染みのエイムゲイン製のトヨタ「アリスト」用を組み合わせているから珍しい。あまり見かけない形状がとても目立っている。
高級パーソナルクーペという新しいジャンルを確立した初代ソアラは、古き良き時代を象徴するクルマだ。こうしてあらためて見ても、その風格のある姿はカッコいい。直線基調のスタイリッシュなボディと精悍な表情は、現代のクルマにない魅力を放っている。現在も初代ソアラに憧れを抱く昭和世代のクルマ好きは多いだろう。筆者もそのひとりである。
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