運営元:外車王SOKEN
著者 :高岡 ケン
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去る2023年1月1日、ドイツの高速道路(アウトバーン)でのレベル3に該当する自動運転が130km/hまで許可された。
以前は60km/hまでとなっていたが、国連経済委員会の自動車規制調和世界フォーラムで決定され、EU諸国をはじめとした世界50カ国以上が採用した。
これにより、ドイツでは高速道路の95%でハンズフリー運転が可能となる。
唯一の例外は、トンネルと高速道路の出入り口の急なカーブとなっている。
■1.レベル3の自動運転が可能な車両とは?
アメリカ、中国、その他一部の国では、独自の基準に従って自動運転を規制している。
自動運転の制限速度を引き上げるには、まず道路交通規制に適合させ、連邦自動車局の認証を受ける必要がある。そのため、当面は実質的な制限速度は60km/hのままとなる。
現在、ドイツでレベル3までの自動運転が許可されている車両は、オプション装備で「ドライブ パイロット システム」を備えている場合に限り、メルセデス・ベンツSクラスとEQSの2台のみとなっている。
メルセデスの最新システムでは、一定の期間であればドライバーが運転中にステアリングから手を離すことができる。
その間、車は修正しながらレーンを維持し、前の車との距離を保ち続けることが可能だ。
■2.新たに自動運転が許可されたフォード「ブルークルーズ」とは
連邦自動車交通局は、ドイツの高速道路でフォード社のマスタング マッハEに搭載された「ブルークルーズ」機能を許可した。
「ブルークルーズ」とは、いわゆるレベル3のハンズフリー自動運転のことである。
ドライバーは、ドイツの高速道路の特定の区間では、ハンドルから手を離して走行することが可能となった。
レベル3の自動運転が許可されたのは、メルセデスの「ドライブ パイロット システム」を搭載したSクラスとEQSに次いで、3台目の快挙となる。
フォードのマネージャーは、「100万キロ以上のテスト走行が、承認成功の根拠となった」と語っている。
もちろん、フォードが完全自動運転を可能にするにはまだまだ程遠い。
ドライバーは依然として、交通状況に注意する必要がある。
ドライバーが居眠りをしたり、新聞を読んだり、携帯を操作したりすると、車内にある内側の赤外線カメラが危険を検知し、警告音を発する。
それでも、ドライバーが反応しない場合は、徐々に減速するシステムとなっている。
アメリカとカナダではすでに20万台近くのフォード車とリンカーン車が「ブルークルーズ」を搭載しており、合計で1億7500kmを走行したという。
■3.ドイツ人の57%が自動運転の使用に賛成
ドイツのデジタル協会「Bitkom」が行った1000人規模の調査によると、回答者の4人中3人が自動運転の地下鉄やバス、タクシーに乗車できると回答している。
従って、半数以上が自動運転の乗り物に前向きであると考えられる。
さらに、調査対象者の30%は、パイロットが乗っていない完全自動操縦の飛行機に搭乗できると答えた。
実際に自動運転技術は、世界各地で着実に進歩している。
サンフランシスコでは自動運転のタクシーがすでに、街中を走行しており、ドイツでは自動運転の地下鉄が運行している。
これらが身近になりつつある状況で、自動運転の交通手段を利用する意欲は高まりつつあるだろう。
しかし、これらのサービスが自分の住む街で使用されるようになるまでには、まだまだ多くの年月がかかるだろう。
実際に、数年以内に自動運転モビリティサービスを利用できると考えている人は、全体の5%しかいなかった。
■まとめ:世界に先駆けて自動運転の法整備を進めるドイツ
ドイツは、世界でもトップクラスの自動運転技術を誇っており、世界に先駆けて自動運転の法整備を進めている。
政府が前向きな取り組みを進めているため、ドイツ国民も自動運転に対して好意的な印象を持っている人が多いようだ。
これまでも自動運転モビリティに関する法律は、導入まで時間がかかり、複雑であることから多くの物議を交わしてきた。
しかし、ドイツでは130km/hまでの自動運転が可能であり、完全自動運転の未来もそう遠くはない。
ドライバーがハンドルを握らずに目的地まで到着する世界が数年後には来るかもしれないのだ。
[ライター・高岡ケン/画像・Adobe Stock、メルセデス・ベンツ]
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