現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 日産プレーリーもマネをした? 欧州ミニバンの元祖エスパスが6代目で突如SUVに!

ここから本文です

日産プレーリーもマネをした? 欧州ミニバンの元祖エスパスが6代目で突如SUVに!

掲載 5
日産プレーリーもマネをした? 欧州ミニバンの元祖エスパスが6代目で突如SUVに!

 クルマ好きなら「ルノー エスパス」という名前を聞いたことがあるはず。40年近い歴史を持つ欧州ミニバンの元祖なのだが、その名車がフルモデルチェンジを果たし、なんとSUVに生まれ変わっちまった! いったいどうしたのエスパス? 姿を変えた最新モデルの情報をお届けしよう。

文/ベストカーWeb編集部、写真/ルノー

日産プレーリーもマネをした? 欧州ミニバンの元祖エスパスが6代目で突如SUVに!

■バンといえば商用が当たり前だった時代に登場した革命的クルマ

初代ルノー エスパス。全長はわずか4250mmしかなかった

 事の起こりは1970年代末。F1にも参戦していたフランスのマトラが、アメリカの「バンカルチャー」を土台にした新しいファミリーカー「P-23」の構想をルノーに提案したことから始まる。

 乗用車のモノコックボディをベースに、多くの人と荷物を運ぶことを想定したそのクルマは、一見商用バンのようでありながら、見晴らしのよい窓と優れた走行性能を備えている点が画期的だった。

 結局、ルノーはこのP-23の提案を承認するとともに生産をマトラに委託する。こうして1984年に誕生した欧州初のミニバンが、フランス語で「空間(=espace)」を意味する「エスパス」だ。

 初代エスパスはその発想もさることながら、そのモダンなデザインが世界に衝撃を与えた。たとえば日本では、エスパス誕生より早い1982年に日産プレーリーというピープルムーバーが誕生してはいたのだが、1988年に登場した2代目プレーリーはまるで「和製エスパス」とでもいうような造形に生まれ変わる始末。それほどまでにエスパスの魅力は絶大だったといえよう。

■エクストレイルと共通のCMF-CDプラットフォームを採用

クロスオーバーSUVへと形を変えた6代目エスパス

 以来、約40年に渡り、エスパスは欧州のバカンスカルチャーを支える足として高い人気を誇ってきたわけだが、2023年3月28日、画期的な転換が起きた。6代目として誕生したエスパスが、なんとモノスペースのシルエットを捨て、クロスオーバーSUVへと衣替えしたのだ。

 世界的なクロスオーバーSUVの人気を考えれば、その「心変わり」もやむなしとは思うが、初代の近代建築のような造形にしびれたおじさん世代としては、ちと悲しくもある。

 そんな新型エスパスの基本骨格は、ルノー・日産・三菱アライアンスが共有するCMF-CDプラットフォーム(第3世代)。つまり日産エクストレイルやルノー・カングー、オーストラルと同じなのだが、プラットフォーム刷新の効果は絶大で、なんと215kgもの軽量化に成功している。

 そのルックスはまごうことなきSUVだが、3列シート仕様が存在するためルーフ長が長く、どこかライバルのプジョー5008に似たフォルム(そういえば5008自体がミニバンからSUVへと宗旨替えした先駆けなのであった)。

 とはいえ全長は4722mmというから5008(4640mm)より80mmほど長く、2738mmというホイールベースは逆に5008(2840mm)より100mm短い。このあたりの違いは、両車の居住性やプロポーションにも微妙に影を落としているようだ。

■一度も正規輸入されていないのファンがいる異色のクルマ

巨大なディスプレイが主張するインテリア。センタコンソールの大きなグリップはシフトレバーではなく収納レバー

 パワートレインだが、日産のe-POWER……ではなくて、1.2L直3ターボにルノー自家製のフルハイブリッド「E-TECH」を組み合わせたもの。システムの合計出力は200psを誇るが、100kmあたりの燃料消費は4.6Lというから(日本流にいえば21.7km/L)たいしたものだ。その経済性やドグクラッチの制御の巧みさはアルカナでおなじみだから、期待を裏切ることはないだろう。

 いっぽう室内に関しては、エスパスが長年培ってきたピープルムーバーとしての知見がしっかり受け継がれているようにみえる。ミニバン時代のような融通無碍な広さはないが、大ぶりなシートや長大なガラスルーフが居心地のいい空間を演出している。さらに3列シートにこだわらず2列シート仕様も用意した点も、ラゲッジの活用といった点でメリットを生んでいるはずだ。

 ダッシュボード回りのしつらえは、基本的にルノーのCセグメントSUV「オーストラル」と共通だ。インパネは巨大なディスプレイを2つ組み合わせた衝立のような作りで、ルノーは「Open R」と呼んでいる。2つの合わせた画面の大きさは合計で24.3インチにもなり、自動車用途としては最大級のサイズだという。

 一度も正規輸入されていないのに、日本にも多くのファンがいた不思議なクルマ「エスパス」。SUVに変身したとあってはその輸入の可能性は一段と低くなったと言わざるを得ないが、長い歴史を誇るルノーの名車であることに変わりはない。話題の復活を祈りたい。

こんな記事も読まれています

新型[デリカ]が衝撃デザインでデビューへ!! [クルマが透ける]機能まで!? 2026年登場で600万円か
新型[デリカ]が衝撃デザインでデビューへ!! [クルマが透ける]機能まで!? 2026年登場で600万円か
ベストカーWeb
ベンツが神話だった70年代の「W123」…驚きの安全性と最新テクノロジーは当時の国産車では足元にも及べない知恵が詰まっていました
ベンツが神話だった70年代の「W123」…驚きの安全性と最新テクノロジーは当時の国産車では足元にも及べない知恵が詰まっていました
Auto Messe Web
ブリヂストン 新スポーツタイヤ「ポテンザ RE-10D」発売 サーキットでのタイム短縮追求
ブリヂストン 新スポーツタイヤ「ポテンザ RE-10D」発売 サーキットでのタイム短縮追求
グーネット
サーキットも普段使いも!クラシカルなフルバケット「ジータIVクラシック」発表 ブリッド
サーキットも普段使いも!クラシカルなフルバケット「ジータIVクラシック」発表 ブリッド
グーネット
メガーヌ R.S.のように旋回? 新型ルノー・ラファールへ試乗 ドイツ銘柄からの顧客獲得へ期待
メガーヌ R.S.のように旋回? 新型ルノー・ラファールへ試乗 ドイツ銘柄からの顧客獲得へ期待
AUTOCAR JAPAN
竹岡圭さん「XCRスプリントカップ北海道」参戦!三菱&トーヨータイヤがサポート
竹岡圭さん「XCRスプリントカップ北海道」参戦!三菱&トーヨータイヤがサポート
グーネット
シンプルデザインで車内にマッチ タテ・ヨコ回転OKの車載スマホホルダー シズカウィル
シンプルデザインで車内にマッチ タテ・ヨコ回転OKの車載スマホホルダー シズカウィル
グーネット
アウディの充電施設、2か月で600名利用 新料金プランでサービス提供開始 東京・紀尾井町
アウディの充電施設、2か月で600名利用 新料金プランでサービス提供開始 東京・紀尾井町
グーネット
WECの“カスタマー締め出し”にポルシェが警告。10メーカー参戦の2025年、残枠はわずかに『2』か
WECの“カスタマー締め出し”にポルシェが警告。10メーカー参戦の2025年、残枠はわずかに『2』か
AUTOSPORT web
V8×MT×FR採用! 新型「スポーティセダン」初公開! “青感”高めた「豪華内装」が超カッコイイ「CT5-V ブラックウイング ル・モンストルE」アメリカに登場
V8×MT×FR採用! 新型「スポーティセダン」初公開! “青感”高めた「豪華内装」が超カッコイイ「CT5-V ブラックウイング ル・モンストルE」アメリカに登場
くるまのニュース
マクラーレン 初のEVスーパーカー計画、現在の技術では達成困難 「支援」要請
マクラーレン 初のEVスーパーカー計画、現在の技術では達成困難 「支援」要請
AUTOCAR JAPAN
駐車の際の「前向き」「後ろ向き」問題…日本での正解をお教えします! 米国で「前向き」が多いのは防犯上の理由もありました
駐車の際の「前向き」「後ろ向き」問題…日本での正解をお教えします! 米国で「前向き」が多いのは防犯上の理由もありました
Auto Messe Web
ハースが「文句なし」のダブル入賞。ペレスを抜き返したヒュルケンベルグが今季ベスト6位/F1第11戦
ハースが「文句なし」のダブル入賞。ペレスを抜き返したヒュルケンベルグが今季ベスト6位/F1第11戦
AUTOSPORT web
【最長/最深トンネル爆走】 ベントレー新型コンチネンタルGTスピード オープンのGTCも同時発表
【最長/最深トンネル爆走】 ベントレー新型コンチネンタルGTスピード オープンのGTCも同時発表
AUTOCAR JAPAN
『ビースト』という名のスクールバス!? 90名乗車でEV航続241km、米国で納車開始
『ビースト』という名のスクールバス!? 90名乗車でEV航続241km、米国で納車開始
レスポンス
復活するIGTC鈴鹿が『1000km』&控えめなエントリー目標である理由「長距離に慣れているチームがほとんどない」
復活するIGTC鈴鹿が『1000km』&控えめなエントリー目標である理由「長距離に慣れているチームがほとんどない」
AUTOSPORT web
新型「4WDスポーツ車」初公開! レトロな「丸目」に超ハイパワー「V型8気筒エンジン」搭載! “日本専用”の特別なベントレーに衝撃の声!
新型「4WDスポーツ車」初公開! レトロな「丸目」に超ハイパワー「V型8気筒エンジン」搭載! “日本専用”の特別なベントレーに衝撃の声!
くるまのニュース
デコトラの命ともいえる電飾! LEDが台頭するもいまだ電球派もいる理由とは?
デコトラの命ともいえる電飾! LEDが台頭するもいまだ電球派もいる理由とは?
WEB CARTOP

みんなのコメント

5件
  • 元々は欧州クライスラーの置き土産じゃ無いですか。
    エスパスって。
    クライスラーもミニバンメーカーでは老舗だしね。
  • プレーリーなんて今のキッズは知らんやろ
    ここに見に来てるオッさんは知ってるだろうが
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

580.6622.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

30.0548.0万円

中古車を検索
5008の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

580.6622.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

30.0548.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村