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あまりに流行って「とりあえず付けとけ」感も! スポーツカー以外の「リトラクタブルヘッドライト」採用車

掲載 更新 27
あまりに流行って「とりあえず付けとけ」感も! スポーツカー以外の「リトラクタブルヘッドライト」採用車

セダンやハッチバックにあったリトラクタブルヘッドライト

 両手をパカパカとさせながら「これね」というと、クルマ好きなら「ああ、リトラクタブルヘッドライトのことね」と通じる。ところが3代目セリカや、ポルシェ928のそれは、ややジェスチャーがしにくかった。

「リトラ」でなければ、スポーツカーにあらず?「リトラクタブルヘッドライト」はなぜ姿を消したのか

 なぜなら、通常すでにレンズが上向きに露出していて、オンの状態でムクッ! と前向きに起き上がる動作だからだ。人の手首には関節の役割を果たす小さな8つの首根骨があるものの、掌を仰向けにする動作はやりにくいからだ。沢田研二の「勝手にしやがれ」の歌のなかにそういうフリはあったが……。

 ところで本稿の編集部からのオーダーは、よくあるスポーツカー以外のリトラクタブルヘッドライトの話をまとめよ、というもの。なので今回は、トヨタ2000GTに始まりFD型RX−7で終わる、日本車のスポーツカー系のリトラクタブルヘッドライトの話は割愛となる。

180度回転や起き上がるタイプもあった

 とした場合に、何があるか? 若干睡眠時間を削って考えたところ、アメ車が思い浮かんだ。レザートップかフェイスリフトの回だったか引き合いに出したが、1980年代あたりまでのアメリカ車なら、セダンでもリトラクタブル式のヘッドライトがあった。

 写真はその一例の、リンカーン・コンチネンタル・マークVI。通常はカバーで隠れているが、点灯時にはクルッ! と反転してヘッドライトが出てくる仕組みだった。同様の例は同じアメリカ車のシボレー・コルベットのC4までがそうで、カバーが後ろ向きに180度回転してライトが出現した。

 勢いでもう少し外車の例を挙げると、ポルシェ928、968なども少し変わったリトラクタブル式だった。これらもレンズ自体は通常から露出しているタイプで空を仰ぐようなアングルで収まっており、オンになるとムクッ! と起き上がって前を向く。そのときのハウジング形状は砲弾型で、ややクラシカルな趣もあったのがおもしろかった。

 ここでAuto Messe Webらしく日本車に話をもっていくと、前述のポルシェ928タイプのリトラクタブルヘッドライトだったのが(スポーツ系ではあるが)3代目セリカの前期型。角型2灯式のヘッドライトが上向きの状態からオンで起き上がって正面を向く。ただしこのセリカは後期型では、下から持ち上がる一般的なリトラクタブル式にあらためられたほか、WRCラリー仕様は、固定式のライトが埋め込まれた形だった。

普通のセダンでありながら意表を突いたモデルも

 さて、日本車の非スポーツ系のリトラクタブルライトというと、やはり真っ先に挙がるのが3代目アコード&ビガー/アコード・エアロデッキだ。とにかく普通のセダン(とハッチバック)でありながら、意表を突いたというか、画期的だった。

 このころのホンダ車は、ミッドシップのフェラーリより低いノーズをアピールしたプレリュード(3代目)に代表されるように、サスペンションにダブルウイッシュボーンを使いながら低ボンネットを追求していた。その流れに添ったのが3代目アコードで、ノーズ先端の低さといったら驚きだった。ちなみに兄弟車にビガーがあったが、グリル(というよりも中央の加飾部分)が薄すぎ、メッキのバーのデザインのわずかな差がほとんどわからなかったほど。

 ホンダのほかの4ドアモデルでは、インテグラ、バラードセダンなどもリトラクタブル式だった。ただしバラードセダン(初期型)は、バラードスポーツCR−Xと同様に、ヘッドライトが通常から見えていて、点灯時にはまぶたのようなフラップがわずかだけ持ち上がる構造だった。

まだまだある非スポーツカー以外のリトラクタブルヘッドライト

 ほかにマツダでは、コスモ(3代目)、ファミリア・アスティナなどがリトラクタブル式。コスモは2ドアハードトップだけでなく4ドアハードトップも共通のデザインが採用され、当時のSAE規格の角型4灯式が使われていた。

 一方のアスティナは、ボブスレーをイメージしたシュッとしたスタイリングに合わせて低いノーズにリトラクタブル式ヘッドライトが合わせられていた。

 非スポーティ系でいうと、その極みだったのがカローラIIに設定された、その名も「リトラ」は外せない。同じ3ドアにはコンベンショナルな固定式ヘッドライトも用意されていたが、リトラはシュッ! としたノーズ形状を実現したフルリトラクタブルヘッドライトを採用。カタログを見てみると“進んだヤングのための「3ドア・リトラ」”と、ナウなヤングのようなフレーズを発見する。ターボや電子制御サスペンションTEMSの採用など、メカニズムにも手落ちはなかった。

 それから、バラードを取り上げた以上、同様のフラップが少しだけ持ち上がるリトラクタブル式といえば、いすゞ・ピアッツァを挙げないわけにはいかない。

 芸術品だった初代(ピアッツァ・ネロの最終型は固定式だった)は、いすゞ版の2灯式もヤナセ版(ネロ)の角型4灯式のいずれも同様で、さらにジェミニ・ベースの2代目ピアッツァ、ヤナセ仕様のPAネロにもフラップ式が継承された。

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