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フェラーリ「プロサングエ」で東京ー京都の長距離テスト…まるで「812GT4ルッソ」でした! 乗用車としての街乗り評価は跳ね馬史上最高

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フェラーリ「プロサングエ」で東京ー京都の長距離テスト…まるで「812GT4ルッソ」でした! 乗用車としての街乗り評価は跳ね馬史上最高

プロサングエはよくできたFRスポーツカーそのものだった

フェラーリが「4ドア4シーターのスポーツカー」と呼ぶSUVスタイルをまとったプロサングエで、今回は東京~京都を長距離試乗。日本の道でもマラネッロ産スポーツカーらしさを感じることができるか? を検証してみました。そのレポートをお届けします。

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レイアウトは「ピュアなリア駆動スポーツカー」

「プロサングエ」。日本語に訳せば“純血”、つまりはサラブレッド。あえてそう名乗らなければならぬほど、従来のマラネッロ産スポーツカーとは真逆の、少なくとも見た目にはまるで異なるコンセプトでプロサングエは企画されている。

なにしろマラネッロ産初の4(5)ドアなのだ。しかも当世流行のSUVスタイル(しかしマラネッロはSUVとは一度も言っていない)。

実をいうとフェラーリ4ドアのアイデアは昔からあった。創始者エンツォ・フェラーリも一時期、真剣に4ドアモデルを検討した。けれども結果的には出なかった。出せなかったのだ。どうしてか。2ドアに比べてパフォーマンスが格段に落ちてしまうというのがその理由だった。

裏を返せばプロサングエがSUVスタイルで実現した最大の理由もまたそこにある。性能さえ跳ね馬基準に見合っているのであれば、カタチは関係ないという理屈も成立するわけだ。だからマラネッロはプロサングエのことを4ドアの”GTスポーツカー“であるという。

ルッソの車高を上げて4ドアにしたようなスタイルに

性能さえこれまでのモデル、たとえばまだしもコンセプト的には近しい存在であった4シーター4WDの「GTC4ルッソ」あたりをパフォーマンスで上回ることができるのであれば……。結果的にプロサングエはルッソの車高を上げて4ドアにしたようなスタイルとなった。それゆえスーパーSUV界では異例ともいうべき、V12+フロントミド+トランスアクスル、つまりV12エンジンをフロントアクスルより完全にキャビン寄りへと押し込み、行き場をなくしたトランスミッションをリアアクスルに置くというルッソに近いレイアウトを採用している。そう、まるでピュアなリア駆動スポーツカーなのだ。

もちろんプロサングエにも4WDシステムが積まれている。ちなみに観音開きドアとした理由はホイールベースをルッソ並み(3m)として重量増を抑え、なおかつ良好な乗降性と高いボディ剛性を両立させるため、だった。

とはいえ、そんなレイアウトそのものは決して新しいアイデアではない。4ドアワゴンスタイルをマラネッロ産スポーツカーとして十分満足できるレベルで走らせるためには革新的なアシ回りが必要だった。マルチマチック社のアクティブサスペンションシステムだ。このアシが実現されていなければプロサングエの企画は成功しなかった。

街乗りの評価はもちろん跳ね馬史上最高

日本市場でも順調にデリバリーされているようだ。東京の中心部であれば見かけることも多くなった。イタリアで試乗したきりだったので、改めていつもの京都ドライブに連れ出してみることに。検証すべきポイントは、日本の道でもマラネッロ産スポーツカーらしさを感じることができるのかどうか、さらにはこの大きなサイズを京都の街中で持て余しはしないだろうか、といったところだろうか。

もし皆さんがこれからレポートするような予備知識もなしにプロサングエを初めて走らせたとして、まず驚くのはライドコンフォートだろう。件のアクティブサスが生み出す乗り味は、まず乗り心地の良さとして体験できる。「ローマ」やルッソよりも確実にコンフォータブルで、しかもフラットライドだから扱いやすい。

速度を上げていくとボディが徐々に引き締まってゆき、ボディサイズをすぐに忘れさせてくれる。フロントアクスルと上半身との、そしてリアアクスルと腰まわりとの、それぞれの連結がドライバーの中で一体となる。それゆえ狭い路地でも躊躇うことなく入っていけるのだ。京都の街中では狭い通りでも市バスが走っているから、乗用車のボディサイズなんてさほど気にしなくていい場合が実は多い。要するに精神的な問題だ。一体感はそれを解消する最高の処方箋だろう。

乗用車としての街乗り評価はもちろん跳ね馬史上最高だ。けれどもそれだけではもちろん“フェラーリ”とはいえない。高速道路でのグランドツアラー性能、そしてカントリーロードでのハンドリング性能に期待した以上の妙味を感じることができなければ、マラネッロがあえてSUVスタイルのモデルを作る意味もないだろう。

プロサングエの走りは「812 GT 4ルッソ」だった!?

はたして、高速道路では極上のグラントゥーリズモとして振る舞った。とにかく快適で、視界が高いうえフラットライドだから身体のブレもない。つまり目が、頭が疲れない。加減速は意のままで、なんならADASも優秀とくれば、京都までの450kmでもロングドライブというには物足りなく思えるほどだった。

カントリーロードに出向いた日はあいにくの雨だった。スポーツカーを走らせると、嬉しいような悲しいような微妙な気分になる。ウエットなら低い速度域でもその本性を確認できるからテストドライブには好都合だが、ドライビングを堪能するという点ではドライにこしたことがない。

はたしてプロサングエの走りは、たとえていうなら「812 GT 4ルッソ」だった。4シーターモデルのルッソを超えたばかりか、ほとんど「812スーパーファスト」のようなドライビングファンを引き出すことができたからだ。しかもウエットコンディションで!

V12は8000回転以上までストレスなく回れて、かつ力強さもキープされる。DCTによるシフトアップシフトは素早くシームレス。そしてハンドリングはドライバーの意思に忠実かつ正確で、何よりコーナリング中に腰を外側に落として走るかのような姿勢が、よくできたFRスポーツカーそのものだった。加えて高回転域におけるエンジンフィールとサウンドの官能的なことといったら!

プロサングエはまさしくドアが多く背が高い駿馬だった。

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みんなのコメント

2件
  • nqc********
    下手くそなよう分からん写真しかない
  • dar********
    トヨタ2000GTの時代にはスポーツカーでもある程度の最低地上高が確保されていて一般公道のちょっとした段差は平気だったが、1970年代後半頃から空力を重視してフロントやサイドやリヤなどに空力部品を付けるようになりガリガリこするので普段の街乗りで困るようになった。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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