スポーティで特別な存在へと生まれ変わった5代目プリウス。プリウスと言えば、2021年3月に生産を終えた、プリウスαを忘れてはならないだろう。プリウスの「もうちょっとこうなれば」を叶えてくれたオールマイティカー、プリウスαを振り返っていきたい。
文/佐々木 亘、写真/TOYOTA
新型プリウスで作ったら超絶カッコいいやん絶対!! 今こそプリウスα復活の時じゃない?!
■販売店から愛された!超絶売りやすいプリウスとは
ハイブリッドステーションワゴンの先駆者がいなくなったのは残念な事だ
3代目プリウスが好調に売れていたが、ユーザーからは「もう少し大きく」「もう少し人や荷物が詰めれば」といった声が多数寄せられていた。
こうした声を販売現場から拾い上げ、プリウスに新しい価値を加えたモデルがプリウスαである。車名が決まるまでは「プリウス派生スペース」と呼ばれ、開放的な空間が売りのモデルだった。
荷室広々の5人乗りと、3列シートの7人乗りが用意され、燃費性能はプリウスを継承している。広くて使いやすくて低燃費と、まさに向かうところ敵なしのクルマだった。
プリウスを検討するユーザーは40代から50代に多かったが、プリウスαは20代から30代によく売れた思い出がある。
1BOXタイプのノア・ヴォクシーがよく売れていた時代に、ステーションワゴン風な背の低いミニバンとしては、大健闘以上の成果を残した。
ブームが終わり一気に終焉となった同タイプのミニバンだが、プリウスαはそろそろ戻ってきてもいいのではないだろうか。
■実は走りもこだわっていた?スポーティワゴンとしても十分なプリウスα
プリウスから継承されたトライアングルシルエットやカモメルーフなど、空気抵抗を減らしながら空力効果を発揮させるデザインは、走りにも良い影響を及ぼしている。
BOX型ミニバンよりも低重心でありハンドリングも素直だ。プリウスよりも80mm伸ばされたホイールベースで、直進安定性も高かった。
実は結構走りにこだわっているのがプリウスα。のちにGR SPORTが設定されて、素性の良さが証明されている。
今では当たり前に使われている、HEVモデルのバネ上制振制御も、プリウスαから導入された技術だ。
乗り心地の工場だけでなく、ボディの前後荷重も適正化されているため、ハンドリングも良くなる仕組み。こうしたところにも、プリウスαの走りのこだわりが良く見える。
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