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歌舞伎顔トヨタ「プリウス」は本当に不人気だった? デザイン刷新で復活なるか

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歌舞伎顔トヨタ「プリウス」は本当に不人気だった? デザイン刷新で復活なるか

■「歌舞伎顔」と不評だった4代目のプリウス

 2018年12月、トヨタ「プリウス」がマイナーチェンジをおこないました。全車に通信機能を標準採用して「コネクテッドカー化」し、先進安全機能の性能が向上、ほかにも複数の進化ポイントがありますが、興味深いのは外装のデザインに大きく手が入っています。

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 トヨタ「プリウス」は現行モデルで4世代目ですが、マイナーチェンジでここまでデザインを変更するのははじめてのこと。なぜ、このタイミングでデザインに変更を加えたのでしょうか。

 今回、手を加えられたのはフロント部分、バンパーだけでなくヘッドライトの意匠まで新しくなってイメージを刷新し、スッキリとした印象。リヤ部分では、バンパーだけでなくテールゲートまでも新設計したテールランプを縦基調から横基調に変更しているのです。

 デザインを変更した理由として、マイナーチェンジ前の4代目「プリウス」のデザインに賛否両論があったことが挙げられます。

 2代目や3代目のプリウスはシンプルなデザインで、誰にでも受け入れやすいスタイルだったのは、誰の目にも明らかでした。しかし、4代目は涙のように一部が垂れ下がったヘッドライトや縦長すぎるテールランプが個性的過ぎて受け入れられなかった人も多く、一部ユーザーからは「歌舞伎顔」とも呼ばれていたのです。

 過去には、トヨタ自動車の豊田章男社長が『(現行型の)プリウスはカッコ悪い』とメディア向け試乗会の場で発したことも話題になりました。

 しかし、この個性的なデザインはあえて狙ったものだったのです。4代目「プリウス」の発表時にトヨタは、『2世代目から3世代目は、大きくデザインを変えないモデルチェンジだった。しかし、今回の4代目は“トライアングルシルエット”は継承しながらも、重心を下げてアグレッシブなデザインにチェンジした』と説明しています。

 しかし、モデルチェンジ時に個性化にチャレンジしたものの「プリウス」を買う層にはあまりマッチせず、今回のマイナーチェンジで多くの人が受け入れられる方向に軌道を修正。その後、個性が薄まった新型のデザインを見たユーザーの評判は上々のようで、多くの人に受け入れやすくなったのは間違いないです。

 実際、マイナーチェンジ発表時にトヨタの広報部は、次のように説明していました。

『デザイン面では、従来モデルオーナーからも“抵抗があった”という声やクルマを選ぶ段階でも“デザインが残念”という声が多かったようです。そのため、デザインを変えなければいけないということで、プリウスの良いところを見てもらうためにも、『好んで頂けるデザイン』にしています』

■プリウス人気は失われたのか?

 マイナーチェンジ前の4代目「プリウス」は、『かつてほど売れない』と言われていましたが、本当に売れていないのでしょうか。

 2018年の年間販売台数は11万5462台で、これは軽自動車を除くランキングでは1位の日産「ノート」(13万6324台)、2位のトヨタ「アクア」(12万6561台)に次いで3位です。

 かつてのように年間30万台も販売したり、ランキングトップではないものの、決して売れていないわけではなく、しっかり健闘しているといえます。

 そして販売状況を語る上で欠かせないのが、「プリウス」のポジショニングの変化です。かつてはハイブリッドカーを買おうとした際に選べる車種が少なく、その代表車種である「プリウス」を選んでいた人が多数いました。

 4代目「プリウス」の販売状況について、トヨタの販売店スタッフは次のように話します。

『トヨタを代表するモデルのプリウスは、長年に渡り“ハイブリッド車の代名詞”と呼ばれる存在でした。しかし、最近ではさまざまなハイブリッド車が市販化され、物珍しいものではなくなります。そこに、4代目プリウスのデザイン不評が重なった結果、以前より台数は減っているのです。

 一時期、“歌舞伎顔”というデザインに関する不評がありましたが、販売面では、同社の他ハイブリッド車と比較されるなどで、プリウス以外の選択肢を検討される人が多くなっています』

※ ※ ※

 現在では、ハイブリッドカーが一般化。トヨタだけを見ても、「アクア」「カローラ」「ヴィッツ」そして「C-HR」などたくさんのハイブリッドモデルが選択できます。

 ハイブリッドカーといえば「プリウス」という時代ではないのです。必ずしもプリウスを選ぶ必然性がなくなったことで、相対的にプリウスの販売ボリュームが下がったといえるのです。

 2018年の乗用車販売ランキング(軽自動車を除く)をみると、1位の「ノート」から9位の「ヴイッツ」までの上位車種はすべてハイブリッドを用意する車種もしくはハイブリッド専用車。

「プリウス」に限って見てみると年間台数は11万5462台、1ヶ月で約9622台売れているのです。なお、マイナーチェンジ後の2019年1月時では、7260台(登録台数)となり今後の販売動向に注目が集まります。

 歴代の「プリウス」からすると、現行型になった「プリウス」は従来ほどの爆発的ヒットではなくなり、販売ランキングのトップから陥落したのは事実です。しかしその背景には、「ハイブリッド」という存在の一般化があるのです。

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