2023年3月15日(独・現地時間)、フォルクスワーゲンは2022年度の財務結果を発表。その場で、2025年登場予定の新型コンパクトBEV(電気自動車)「ID.2 all study」を世界に向けて公開した。ポロからの乗り換えにも最適な、ほぼ4mジャストなコンパクトBEVだ。
全長はポロよりも短縮。満充電で450kmの航続距離も嬉しい
フォルクスワーゲンが、2022年度の財務結果(特別項目計上前営業利益26億ユーロ増加)を発表する場で、2025年に投入が予定されている新型コンパクトBEV(電気自動車)のコンセプトモデル「ID.2 all study」のワールドプレミアが行われた。
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「ID.2 all study」のプラットフォームは、「ID.4」を始めとするフォルクスワーゲンの電動モデル専用のMEBが採用される。だが、これまでとの大きな違いはRWD(後輪駆動)でも4WDでなく、FWD(前輪駆動)の「MEB Entry」であること。MEBを採用した電動モデルとしては初の試みとなる。
「ID.2 all study」はデザインについても、非常に重点を置いている。フォルクスワーゲンの乗用車部門のデザイン責任者であるアンドレアス・ミントは、「ID.2 all(study)は、安定性、好感度、熱意という3つの柱に基づいたフォルクスワーゲンの新しいデザイン言語のプレビューでもあります」と語る。
特徴のひとつが、非常にダイナミックで新鮮なCピラーのシグネチャーだろう。これは初代ゴルフのために開発されたCピラーデザインをモチーフとするもので、フォルクスワーゲンは今後、他の新型車にもこのイメージを展開する予定だという。
205/40R20というクラス最大級の大径タイヤや、力強いフェンダーの盛り上がりは、きわめてダイナミックな印象を生んでいる。一方でフレンドリーな顔立ちなど、思わず目を奪われてしまいそうなポイントは数多い。
80%充電までわずか20分。実用性でも文句なし?
ボディサイズは、全長4050×全幅1812×全高1530mm。これは日本仕様のポロのスペック(4085×1750×1450mm)とほぼ同等となる。一方でホイールベースは50mm長い2600mmとなっており、拡大された全幅、全高とあいまってより広い居住スペースが確保されているのではないか、と期待させる。
インテリアは総じてクリアな印象。画像を見ているだけでも、そうとうな開放感が伝わってくる。ボリュームコントロールなどにはアナログなコントロール系が採用されているとのことで、インフォテインメントを含む操作に関しては「わかりやすさ」に配慮しているようだ。
BEVとしてもっとも気になる充電性能も、内外装のデザイン同様に1ランク以上上級のカテゴリーに匹敵している。急速充電なら10%から80%までを20分ほどで満たすことができ、満充電での走行可能距離は450kmに達する。実用的にも、かなりの使い勝手の良さがみてとれる。
公開されているパフォーマンスは、モーターの最高出力が226ps。0→100km/h加速が7秒以下、最高速度は160km/hと、クラスとしてはなかなかの俊足ぶり。価格も2万500ユーロ(約352万5000円)からと、より身近な印象だ。さまざまなカーライフシーンに、身軽にフィットしてくれそうな予感がある。
ちなみに、フォルクスワーゲンは2030年までにヨーロッパにおける電気自動車のシェアが約80%になるとの見通しを立てている。そのため、早ければ2026年までに10車種の新しいBEVを投入する計画という。車両価格が2万ユーロを切る可能性を示唆するなど、その戦略はきわめて野心的だ。
どうやら「ID.2 all study」は、フォルクスワーゲンのBEV拡大戦略においては、まだまだ序の口に過ぎないようだ。
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製品名はゴルフも検討しているとシェーファー社長が言ってたけれど、やっぱりどちらかというとポロだよね。