現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 単なる「いちスポーツカー」の枠を越えた「86&BRZ」の偉大すぎる功績とは

ここから本文です

単なる「いちスポーツカー」の枠を越えた「86&BRZ」の偉大すぎる功績とは

掲載 更新 15
単なる「いちスポーツカー」の枠を越えた「86&BRZ」の偉大すぎる功績とは

 クルマ好きが求めるクルマを作り上げたことで受け入れられた

 スポーツカーは人気がなくなったから、もう売れない(もう作らない)。2010年代に入り、いわゆるスポーツカーと呼ばれるモデルが次々と姿を消していった。

新型BRZの発表で中古車相場に異変! 初代86&BRZの価格が「上昇」の兆し

 おもな理由は、市場でのトレンドでSUVシフトが鮮明になったからだ。時代を振り返ってみると、50年代から90年代頃まで、一般的にスポーツカーと呼ばれるクルマは、セダンに対する2ドアクーペという商品立てが常識だった。乗用車が庶民の間で普及し始めたころ、家族みんなで乗れて、十分な荷物が積めるという条件から4ドアセダンが普段使いの主流モデルとなった。

 一方で、デザイン性や高い走行性能を売り物にしたスポーツカーが2ドアクーペという棲み分けができていった。スポーツカーに対してユーザーは、端的に「カッコいい」と思った。だから、自動車メーカー各社は、より「カッコいい」スポーツカーを開発し、結果的にスポーツカーは自動車メーカーそれぞれにとって「シンボル」のような存在になっていた。

 スポーツカーを買うことは、若者にとっての夢であり、憧れとなった。

 ところが、時代が進むにつれ、ユーザーがクルマに求める要件が変わっていく。国や地域によってそうした要件には若干の違いがあり、日本では4ドアセダンの座はミニバンに取って代わられ、原動付自転車など小型バイクの需要については、軽自動車が一気に普及していった。

 また、「カッコいい」スポーツカーは世界的に富裕層向け商品に転じる傾向が強まり、超高性能な高額商品になっていき、いわゆるスーパーカーとスポーツカーの垣根がなくなってしまった。

 こうした市場環境のなかで、86とBRZは企画された。考え方としては、まさにAE86が新車として販売されていた80年代のスポーツカーの再現である。

 86/BRZの開発が進んでいた2000年代後半から2010年代始め、トヨタはBRICsと呼ばれる経済新興国での事業拡大を踏まえた新しい世界戦略を推し進めていた。その真っ最中に、「もっとよいクルマを作ろう」「クルマの楽しむことを改めて考え直そう」という、至極自然な発想をもとにして86とBRZは生まれた。

 見方を変えると、電動車を含めたさまざまなモデルラインアップを世界それぞれの国や地域で製造・販売する「懐の深さ」があるトヨタが「原点回帰」に目覚めた、といえるだろう。こうした企業としての志は、手軽な新車価格で購入して自分自身で整備やカスタマイズを古くから楽しんできた人たち、またそうしたスポーツカーの潜在的な魅力に共感する若い世代の心にしっかり届いたのだ思う。

 これぞ、86とBRZの功績である。2代目となっても、トヨタとスバルの86とBRZに対する志にブレはないはずだ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

トヨタ「コンパクトSUV」なぜ消滅? “全長3.9m”級の元祖「ヤリスクロス」的存在な「ヴィッツSUV」に注目! 14年で幕を閉じた「ist」とは?
トヨタ「コンパクトSUV」なぜ消滅? “全長3.9m”級の元祖「ヤリスクロス」的存在な「ヴィッツSUV」に注目! 14年で幕を閉じた「ist」とは?
くるまのニュース
シャープでクールなNEWグラフィック! SHOEIが「NEOTEC 3」の新たなグラフィックモデル「ANTHEM」を発売
シャープでクールなNEWグラフィック! SHOEIが「NEOTEC 3」の新たなグラフィックモデル「ANTHEM」を発売
バイクのニュース
ラリージャパン唯一の女性ドライバー、平川真子が意気込み。兄・亮に「クラス優勝をするところを見てほしい」
ラリージャパン唯一の女性ドライバー、平川真子が意気込み。兄・亮に「クラス優勝をするところを見てほしい」
AUTOSPORT web
トヨタ陣営の23XIとフォードのRFKが、来季2025年NASCARカップシリーズにて3台体制に拡充
トヨタ陣営の23XIとフォードのRFKが、来季2025年NASCARカップシリーズにて3台体制に拡充
AUTOSPORT web
F1ラスベガスGP FP1:序盤から上位につけたメルセデスがワン・ツー。ノリス、ルクレール、フェルスタッペンが続く
F1ラスベガスGP FP1:序盤から上位につけたメルセデスがワン・ツー。ノリス、ルクレール、フェルスタッペンが続く
AUTOSPORT web
ラッセル、サインツ抑えポールポジション! ガスリー驚異の3番手、角田裕毅もQ3進出7番手|F1ラスベガス予選
ラッセル、サインツ抑えポールポジション! ガスリー驚異の3番手、角田裕毅もQ3進出7番手|F1ラスベガス予選
motorsport.com 日本版
新潟~青森直結 壮大な「日本海東北道」全通まであと少し!? 約320kmの「すごい高速」最後の未開通部どこまで工事進んだ?
新潟~青森直結 壮大な「日本海東北道」全通まであと少し!? 約320kmの「すごい高速」最後の未開通部どこまで工事進んだ?
くるまのニュース
F1ラスベガスGP予選速報|ラッセルPP獲得! ガスリーが驚きの3番手。角田裕毅も7番手と好結果
F1ラスベガスGP予選速報|ラッセルPP獲得! ガスリーが驚きの3番手。角田裕毅も7番手と好結果
motorsport.com 日本版
ヒョンデ、旗艦EVの『アイオニック5』を刷新。次世代800V電源システムで航続距離は703kmに延伸
ヒョンデ、旗艦EVの『アイオニック5』を刷新。次世代800V電源システムで航続距離は703kmに延伸
AUTOSPORT web
名神ICに直結! 「彦根お城トンネル」が12月開通 高速道路から市中心部へ一気にワープ
名神ICに直結! 「彦根お城トンネル」が12月開通 高速道路から市中心部へ一気にワープ
乗りものニュース
ホンダ斬新「オデッセイSUV!?」に大反響! 「V6ワゴン」から進化の“最上級クーペSUV”に「カッコイイ」「モダンな見た目」の声も! 13年ぶりの「アヴァンシア」がスゴイ!
ホンダ斬新「オデッセイSUV!?」に大反響! 「V6ワゴン」から進化の“最上級クーペSUV”に「カッコイイ」「モダンな見た目」の声も! 13年ぶりの「アヴァンシア」がスゴイ!
くるまのニュース
ロバート・クビサ、2025年も3台目のフェラーリ499Pをドライブへ。AFコルセ残留が決定
ロバート・クビサ、2025年も3台目のフェラーリ499Pをドライブへ。AFコルセ残留が決定
AUTOSPORT web
アルファ・ロメオ・トナーレでジュリエッタ乗りに出会う【新米編集長コラム#9】
アルファ・ロメオ・トナーレでジュリエッタ乗りに出会う【新米編集長コラム#9】
AUTOCAR JAPAN
ル・マン優勝のポルシェ「917K」がなんと550万円!? ホンダエンジンを搭載した子供向けジュニアカーの大きさは実車の7割…おもちゃにしては高すぎる!?
ル・マン優勝のポルシェ「917K」がなんと550万円!? ホンダエンジンを搭載した子供向けジュニアカーの大きさは実車の7割…おもちゃにしては高すぎる!?
Auto Messe Web
ライバルかつ僚友のトヨタWRC育成ふたりがラリージャパン初参戦。お互い「負けたくない」と意識
ライバルかつ僚友のトヨタWRC育成ふたりがラリージャパン初参戦。お互い「負けたくない」と意識
AUTOSPORT web
高性能4シーターオープン、メルセデスAMG『CLE 53カブリオレ』発売、価格は1400万円
高性能4シーターオープン、メルセデスAMG『CLE 53カブリオレ』発売、価格は1400万円
レスポンス
【画像リーク!】来年デビュー予定の新型「BMW iX3」のリーク画像を入手!コンセプトモデルのほぼそのまま量産される
【画像リーク!】来年デビュー予定の新型「BMW iX3」のリーク画像を入手!コンセプトモデルのほぼそのまま量産される
AutoBild Japan
【中国メーカー初受賞】BYDシール 「Euro Car Body 2024」車体構造デザイン部門で第3位
【中国メーカー初受賞】BYDシール 「Euro Car Body 2024」車体構造デザイン部門で第3位
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

15件
  • 20年後、プレミア価格になるか、
    あるいはがらくた扱いか?
  • スバルはサスガだなスポーツ系作らせると良いクルマ出して来る
    其処行くとトヨタは貧弱だな余所に作らせてばかりw
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

332.2381.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

75.0550.0万円

中古車を検索
BRZの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

332.2381.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

75.0550.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村