年々厳しさを増す排気ガス規制は、バイク業界を取り巻く環境に大きな影響を及ぼしています。カタログを見ると、生産終了とアナウンスされるモデルが増えており、昔よりもラインナップが少なくなったと感じている人もいるかもしれません。
これは、2022年の秋に始まる新たな排ガス規制によるもので、バイクメーカー各社はこの対応に追われています。 では、2022年の排ガス規制とは、一体どういったものなのでしょうか。
そもそもバイクの排ガス規制とは、国土交通省が定める道路運送車両法によって規定される、排気ガス濃度を規制する施策のことです。測定される排気ガスには、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)の3種類があり、車検時に保安基準の数値に基づいて検査がおこなわれます。
ただし、規制以前に生産されたバイクは、年式によって適用される保安基準が異なるため、中古車や旧車などは、これまでどおり公道を走行することができます。
規制のきっかけは1960年代まで遡り、クルマの排気ガスに含まれる有害物質のひとつである、一酸化炭素(CO)の人体への悪影響が日米で懸念されたことが要因です。その後、70年代に入ると、アメリカで大規模な排ガス規制「マスキー法」が実施され、クルマ業界に衝撃を与えることとなります。この法案は、上院議員のエドムンド・マスキー氏の提案によって生まれたことから、この名称で呼ばれるようになりました。
この法改正により、多くのアメリカの自動車メーカーが厳しい規制に苦戦することになります。そんななか、ホンダは世界初となるマスキー法をクリアした低公害エンジンの「CVCC」の開発に成功し、世界的メーカーとして大きな飛躍を遂げます。
なお、2022年の排ガス規制は、「令和2年排出ガス規制」に基づいた新基準で、EUの「ユーロ5」にほぼ準拠したものとなっています。ユーロ5とは、欧州の二輪排出ガス規制の総称で2020年1月1日からスタートした規格です。つまり、日本の新基準がグローバルスタンダードに合わせる形になったわけです。
そして、日本の規制の適用が開始される時期は、新型車が2020年12月からで全排気量のバイクに適用されます、継続生産車においては、2022年11月からとなります。ただし、原付一種は猶予をもたせており、2025年11月までとなっています。
この新規制は、日本および欧州とも同等の内容であり、排出ガスに含まれる人体に悪影響を及ぼす有害物質のさらなる削減を目標としています。
この厳しい排出ガス規制に対応するため、排出ガスの浄化装置の劣化を監視する機能である「車載式故障診断装置(OBD-2)」の搭載を新たに義務化。また、マフラーの触媒(キャタライザー)の搭載や、エンジンの電子制御プログラムの変更などが必要になり、場合によってはエンジンの設計そのものを見直す必要が出てきました。
そのため、開発・製造にかかるコストアップは避けられず、生産終了に追い込まれてしまう車種が後を絶ちません。これはロングセラーモデルも例外ではなく、カタログから人気車種が姿を消すという悲しい事態が起こっているというわけです。
つまり、現在国内で販売されている50cc以下を除くバイクは、「令和2年排出ガス規制」が適用される期限の2022年10月末までに規制対応できなければ、日本で販売することができなくなるというわけです。
ちなみに、排ガス規制で生産終了に追い込まれた名車として、35年の歴史があるヤマハの「セロー250」が挙げられます。2019年12月に生産終了がアナウンスされました。
また同じく、発売から43年という超ロングセラーである、ヤマハの「SR400」も、2021年型が最終モデルとなり歴史に幕を下ろすことになっています。
さらにホンダでは、ネイキッドブームを牽引してきた「CB400SF/SB」が、デビューから30年目となる2022年4月28日に生産終了が正式に発表されています。CB400SFは1992年に登場して以来、400ccクラスの代表格として君臨し、乗りやすさとスピードを兼ね備えた名車で教習所でもお馴染みのバイクでした。
このほかにも、国産バイクメーカー4社のラインナップの内、約1割ほどが2022年10月末をもって生産終了になる見込みです。
※ ※ ※
欧州では年々、排ガス規制が厳しくなる一方で、近い将来には大幅な規制強化が予想される「ユーロ6」が控えています。ユーロ6は、ユーロ5が実施された結果に基づいて排出量や詳細が決定されるためその内容は未定です。
しかし、今後も排ガス規制が強化されていくことは確実で、近い将来、ガソリンエンジンから電動化の流れに一気にシフトしていくと予想されます。高性能なガソリン車を手に入れるには、今が最後のチャンスになるかもしれません。
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