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激戦必至!! ハリアー対エクストレイル 日本SUV界頂上決戦の行方を占う

掲載 更新 12
激戦必至!! ハリアー対エクストレイル 日本SUV界頂上決戦の行方を占う

 ついに新型の姿が、明らかになったトヨタ「ハリアー」。これまで3世代に渡って支持を集めてきた歴代モデル同様、4代目となる新型も前評判が高く、人気モデルとなるのは必至だ。

 しかし、ハリアーには、これまで抜きつ抜かれつの販売合戦を繰り広げてきた日産「エクストレイル」という天敵がいる。エクストレイルも、2021年にはモデルチェンジとの情報があり、この2台の販売合戦の行方は気になるところだ。

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 本記事では、新型ハリアーと次期型エクストレイルによる国内SUV頂上決戦の行方を、次期型エクストレイルの姿を想像し、考察していく。

文:吉川賢一、写真:トヨタ自動車、日産自動車、ベストカー編集部

【画像ギャラリー】激突! 話題の新型ハリアーと仇敵エクストレイル、美しいのは…?

 表1が示すのは、トヨタハリアーと日産エクストレルの2014年から2019年までの年間販売台数をまとめたものだ。キャラクターの異なる2台だが、販売台数では、かなり拮抗していることが見て取れる。まずは、それぞれの特徴について、触れていこう。

ハリアーとエクストレイルそれぞれの長所と短所は?

 現行モデルである60系ハリアーは、2013年12月にデビューした3代目となる。流れるようなデザインや乗り心地の良さなどで人気を得てきたが、それは、新型でも引き継がれるようだ。

2013年12月デビューした3世代目のトヨタ ハリアー(現行型)

 現行型のパワートレインは、2.0Lターボの2WD/4WD、2.5Lハイブリッドの4WD(E-Four)、2.0Lガソリンの2WD/4WDというバリエーションを展開した。一方、新型では、2.5Lハイブリッドの2WD/4WD(E-Four)、2.0Lダイナミックフォースエンジンの2WD/4WDというバリエーションとなる。

 現行型のターボ車とガソリン車には、「GR SPORT」の設定があるが、新型にも、今後、設定されていくだろう。基準タイヤサイズは、235/55R18から225/55R19へとインチアップされる。

2020年4月13日に発表された新型ハリアー。発売は6月で、全国のディーラーには5月には予約開始と通達されている

 価格は、現行型が300.4万円(ガソリン:ELEGANCE)から468.9万円(ハイブリッド:PROGRESS)の幅であり、新型でも、この価格帯になると予想される。

 ハリアーの長所は、やはりスタイリッシュなデザインやインテリアの質感の高さであろう。国産SUVが、オフロードをメインステージとする中で、頑なに都会派クロスオーバーSUVを主張してきただけあって、オンロードで走る姿が、最も似合うSUVだ。しかし、車両価格が最廉価グレードでも、300万円からとハードルが高い。

2013年12月にデビューした3代目の日産エクストレイル(現行型)

 一方のエクストレイルであるが、現行のT32型エクストレイルは3代目にあたり、現行ハリアーと同じ、2013年12月にデビューしている。「国産4WD SUV豊作の年」と言われた2018年に、エクストレイルは、CH-R、CX-5といった強力なライバル達を抑え、「国産4WD SUVナンバー1」の看板を勝ち取ったものの、翌2019年には「RAV4」の登場により、あっさりと王座から陥落した。

 パワートレインは、2.0Lガソリンの2WD/4WDと、2.0Lハイブリッドの2WD/4WDで、燃料はどちらもレギュラー仕様となる。通常モデルに加えて、専用エアロダイナミクス、スポーツマフラー、専用ホイール、専用サスペンションを搭載したNISMOやAUTECHも、用意されている。価格は248.2万円(ガソリン4WD:20S)から400.9万円(AUTECHハイブリッド:I Package)で、225/55R17が基準タイヤサイズだ。

 長所は、インテリジェント4x4が実現する圧倒的な走破性やプロパイロットをはじめとする先進運転支援技術などだ。走りの良さは、登場から7年経った今でも一級品であるが、少々インテリアに古臭さを感じる。

【画像ギャラリー】激突! 話題の新型ハリアーと仇敵エクストレイル、美しいのは…?

新型ハリアーの登場で販売合戦はどうなるのか?

 2020年1月~3月の登録車台数の推移を、表2に示す。どちらも、最終スペックの特別仕様車やお買い得仕様など、モデル末期に向けて、販売交渉が進められており、その結果も、ほぼ拮抗している状況だ。

 新型ハリアーの詳細が明らかになったのは、4月13日のこと。この発表以降は、ハリアー購入を考えている顧客が、買い控えをすることが予測される。そのため、6月の新型発売開始までは、一時的に、ハリアーの登録台数が落ちると思われる。しかしながら、その後は一気に、ハリアーが販売台数を伸ばしていくだろう。

 対するエクストレイルは、少なくとも6月時点で、次期型登場のアナウンスやデザインのチラ見せでもしておかないと、新型ハリアーとRAV4というトヨタの2枚看板SUVの前に、撃沈することは避けられない。

 エクストレイルは、日産の国内販売において、唯一のミドルクラスSUVであるのと同時に、貴重な稼ぎ頭だ。エクストレイルの撃沈は、日産にとって、かなりの痛手となるはずで、まさに絶体絶命だ。

 日産にも以前、「ムラーノ」という、ラグジュアリーなクロスオーバーSUVがあった。国内市場では、2代目で終了となってしまったが、北米では、3代目が続いている人気モデルだ。

 もし今、ムラーノのような日本車離れしたスタイリッシュなデザインのSUVが、日産の国内ラインアップにあり、RAV4とハリアーのように、交互にモデル更新をすることができていれば、この絶体絶命の状況は、避けられていたかもしれない。

日産の都会派クロスオーバーSUVとして登場したムラーノ(初代モデル)

勝つために、次期型エクストレイルに必要な要素は何か?

 エクストレイルのフルモデルチェンジは、2021年というのが最新情報だ。パワートレインには、念願のe-POWERが設定されるという情報がある。現行モデルの2.0Lハイブリッドに対し、車両価格が抑えられ、ワンペダル走行によるプレジャーが得られるなど、エクストレイルのキャラクターに向いていると、筆者は考える。

 また三菱アウトランダーとプラットフォームやパワートレインを共用化することも考えられ、PHEVシステムを搭載する可能性もゼロではない。先進運転支援も、スカイラインに初搭載された「プロパイロット2.0」が、採用されるだろう。

 こう並べると、次期型エクストレイルは、十分魅力的なクルマになるような気もする。しかし、これらを盛り込んだ「正常進化」では、次期型エクストレイルが、新型ハリアー/RAV4に一矢報いることはできないと、筆者は分析する。

 次期型エクストレイルが、新型ハリアー、そしてRAV4に勝つためのヒントは、初代エクストレイルが登場したときのコンセプト「タフギア」にあると考える。あえて贅沢装備をはぎ取り、初代の「タフギア」というコンセプトに回帰し、「オフロード」指向のデザインに振り、徹底的に安い価格で提供する。

 30万円もする標準ナビなどは設定せず、AppleCarPlayやAndroid autoが前提のオーディオディスプレイにするなど、トヨタが既に始めている作戦に倣うべきだ。「プロパイロット込で税込280万円」で出すことができれば、驚異的だろう。

次期型エクストレイルの予想CG。登場は2021年春頃と予想

まとめ

 日産は、6月に、国内市場の復活の狼煙となりうる、コンパクトSUV「キックス」登場を控えている。じっと我慢をしてきた日産ディーラーの営業マンや日産車ファン、すべての関係者が、待ちわびていた瞬間を目前としている。

 RAV4や新型ハリアーの活躍も、大いに期待しているが、ライバルである日産車がないと面白くない。「キックス」、「エクストレイル」、そして「アリア」。SUVが続々と登場し、ラインアップが整ったときの日産の反撃に、期待している。

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みんなのコメント

12件
  • 日産はもうあかんね
    こんなに他社でいい車出てるのに
    いまだにフルモデルチェンジの話をあんまり聞かない
    そして見た目がしっくりこない、コロナに応じて潰れそう…
  • 日産はもうダメかもわからんね…
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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