この記事をまとめると
■車中泊は日本の自動車文化のひとつ
「車中泊」より「車上泊」! いまポップアップルーフ車が再注目されるワケ
■いま車中泊ならぬ「車上泊」が注目されている
■あえて車上泊を選ぶメリットについて解説する
車中泊が難しいクルマにとっての救世主
いまや「車中泊」は日本の自動車文化のひとつになっている。道の駅やサービスエリアに行けば、夜中に仮眠・休憩しているクルマを見かけることは珍しくない。車中泊の盛んな場所に行くと、何十台ものクルマが車中泊を楽しんでいる様子を見ることもできるほどだ。
そうした楽しみ方の是非についてはひとまず置いておくとして、このところ車中泊ならぬ「車上泊」という言葉を目にすることが増えている。クルマの上に泊まるといわれても、どんな風にするのかイメージがわかないかもしれないが、「ルーフテント」と呼ばれるアイテムを使うのが車上泊だ。
画像を見てもらえばわかるように、汎用のルーフキャリアを取り付け、その上に載せるというのが基本的な取り付け方。ルーフテントは、格納時にはルーフボックスのような形状なので違和感もなく、それでいて展開するだけでテントとなるというアイテムである。
一見すると、車内よりも安全面や快適性に劣るようにも感じるルーフテントだが、車中泊でなく、あえて車上泊を選ぶメリットは何があるのだろうか。
まず車中泊がそもそも厳しいようなパッケージの愛車で、それでも気ままなドライブ旅行に出かけたと思ったら、ルーフテントを利用した車上泊しか選択肢がないともいえる。狭い車内でなんとか寝床を確保するよりも、よっぽど快適に休むことができるはずだ。
一般論としてルーフテントを載せると重心が上がってしまいコーナリングなどで気をつかう必要も出てくるが、そもそも全高の低いクルマであれば、そうしたネガも最小限となる。
車中泊スポットではテントを張ったりすることは原則禁止だが、専有面積として車両の範囲をはみ出さないルーフテントであれば展開して利用することも可能だろう。つまり車中泊が難しいクルマにとっての救世主ともいえるのだ。
すでに車中泊を楽しんでいるワンボックスなどでもルーフテントは有効だ。子どもが小さいうちは家族そろって車内で横になることができても、成長に伴って狭く感じるようになってくる。そうしたケースではルーフテントをプラスすることで、車中泊+車上泊というハイブリッドにすることでスペースを一気に広げることができる。
それなりの予算を用意しなければならない
また独立したベッドを持つ大型キャンピングカーでもない限り、車中泊スペースを生み出すために荷物を降ろして、リヤシートを格納して、ベッドを展開する……といった手間がかかる。それがルーフテントを利用した車上泊にすれば、車内はそのままに簡単に就寝スペースを作ることができるのだ。これも車上泊を選びたくなるメリットといえる。
さて、冒頭で車上泊は車中泊に対して快適性や安全性においてネガティブなイメージがあるということを書いた。たしかに窓を目張りして、さらにドアロックをかけた車内に比べるとセキュリティ面では不安があるのはたしかだが、それはキャンプ場でテント泊をしているのと同等であって、むしろ車上という高い場所のぶんだけ安全性は高いといえる。
快適性についても同様だ。車中泊であってもエンジンをかけっぱなしで空調を使うというのはマナー違反なNG行為となっているので、寝袋や寝具で暖かくして休むという点では車中泊・車上泊とも変わりない。最近の車中泊では大容量のポータブル電源に電気毛布などをつないで暖まるというのも常套手段だが、それはルーフテントでも使える手だ。
さらに車中泊を楽しんでいる筆者の経験でいえば、とくに冬場の車内で眠った場合の問題点として窓が結露してしまい、しっかり拭き取らないと出発できないということがある。ルーフテントを利用した車上泊であれば、そうしたことは起きないだろう。テントを格納すればすぐに出発できるというのは、車中泊派からしても羨ましいメリットにみえる。
ただし、ルーフテントはけっして安いものではない。それ単体でいっても15~50万円程度の価格帯となるし、きれいにルーフに載せようと思うとDIYでは難しく工賃を払ってプロに頼む必要がある。
簡素な車中泊であれば、ワンボックスに布団をつんでおけばOKとなるが、車上泊をスタートさせるには、それなりの予算を用意しなければならない。それは車上泊のハードルの高さにつながっている面は無視できないだろう。意外に贅沢な趣味だったりするのだ。
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みんなのコメント
車中泊が厳しいサイズの車で車両の範囲をはみ出さないルーフテントで寝られる気がしないけどな
この記事に載ってるN-ONEもXVもおもいっきり横のスペースまで占領してるし