現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【試乗】フォルクスワーゲン ティグアン TDI 4モーションはコンパクトSUVの主役となるか

ここから本文です

【試乗】フォルクスワーゲン ティグアン TDI 4モーションはコンパクトSUVの主役となるか

掲載 更新
【試乗】フォルクスワーゲン ティグアン TDI 4モーションはコンパクトSUVの主役となるか

ティグアンにクリーンディーゼルエンジンを搭載した4WDモデルが追加された。「ティグアンの本命」と言われてきたこのモデルの詳細をレポートしよう。(Motor Mahgazine 2018年11月号より)

ディーゼルエンジン+4WDモデルの登場は朗報

1億7000万円オーバーの「GT-R 50 by Italdesign」のここが凄い!

これまでティグアンには1.4Lのガソリンエンジンを搭載するFFモデルしかなかった。それでもタウンユースには十分以上の動力性能を持っているが、ロングドライブが多い人や高速道路を頻繁に使う人、アウトドア派などにとっては、ディーゼルエンジン+4WDモデルの登場は朗報だろう。 

 

ライバルブランドからすでに多くのディーゼンエンジン搭載モデルが登場し、大きなトルクや燃費の良さ、ランニングコストの低さなど、メリットが知られているだけに、待ちに待った登場と言える。

ティグアンはゴルフの発展形と呼べるような位置付けで、サイズ的にはゴルフとパサートのちょうど中間くらい。水平基調のフロントグリルやキャラクターラインが特徴的なエクステリアデザインはクリーンで親しみやすい。

テレビCFでは「いつもの街さえ、面白く変える4WDです。」と謳っている。つまり、タウンユースやデイリーユースをメインと想定しつつ、悪天候や悪路での走行にもしっかりと対応するというコンセプト。ワゴンやハッチバックなどと同じような感覚で乗れる一方で、ちょっとアイポイントが高いので視認性が良く、ロードクリアランスがあるので雪道や悪路でも安心感が高い。

シンプルなデザインながら使いやすい上質なインテリア

インテリアはシンプルだが上質なフォルクスワーゲンのクオリティである。最新のデザインや機能が搭載されている。コクピットまわりには整然とスイッチ類が並び、オーソドックスなデザインの中に必要な情報が得やすい工夫が多く見られる。

たとえばスピードメーターは実用域の60km/hまでスケールが大きく、それ以上は小さくなる。また、メーターパネル内に表示されるナビゲーションの画面もとても見やすい。日常の運転が安全で快適にできるよう、細かい配慮が随所に見られるのは、いかにもフォルクスワーゲンらしい。

センターコンソールには9.2インチのモニターを装備。タッチスクリーンにより、オーディオ設定から車両制御の設定まで行える。スマートフォンに似た操作で使いやすいのもポイント。さらに、操作内容によってはジェスチャーコントロールも可能だ。

また、コネクト機能も備えており、「Apple CarPlay」や「Android Auto」「Mirror Link」に対応しているので、操作だけでなく、スマートフォンのアプリそのものを車両のモニターで操作することも可能となっている。

さらに、ドライバーの目線の先にはヘッドアッププディスプレイも備わる(ハイラインとRラインに標準装備)。最近は装備が増えた分、ドライブ中の情報や操作が多くなっているが、重要なもののブライオリティが明確だ。

いつもながらフォルクスワーゲンのハンドルはちょっと径が細めでしっくり手に馴染む。搭載されるディーゼルエンジンは、2L直列4気筒ターボで、最高出力150ps/3500-4000rpm、340Nm/1750-3000rpmのパフォーマンスを誇る。トランスミッションは7速DCT(DSG)を搭載。一般道から高速道路、そしてワインディングロードを走ったが、どのシーンにおいても気持ちのいい加速を味わえた。

しっかりとした走り味と角のない乗り心地を実現

とくにアクセルペダルの踏み始めからレスポンス良く力強く反応するのが好印象。100km/h巡航時の回転数は1600rpm。つまり、常用域はほぼ最大トルクを発揮し続けているような状態なので、いつでも思いどおりの加速が得られる。

試乗車は235/50R19サイズのタイヤを履いていた。これはSUVやクロスオーバー用のサマータイヤで、快適性を重視したティグアンとの相性もぴったりだ。フォルクスワーゲンらしいしっかり感と同時に、角のない乗り心地を実現、快適性とハンドリングのバランスも絶妙だ。

高速走行では緊張を強いることのない高い直進安定性を示し、ワインディングロードでは俊敏で素直な動きを見せる。DCTの変速も滑らかで、不要な存在感を示すことなく快適。その一方で、ドライブモードをスポーツにしてパドルを駆使すれば、ショートストロークの軽い操作性とリンクする小気味良い走りも味わえる。

ディーゼルエンジンとともに採用された4モーションは、ティグアン用にセッティングされたもので、通常走行の負荷が低い時には効率のいいFFで走行し、発進・加速時にはリアへのトルク配分を増やす。さらに、路面状況に応じて、100:0から50:50まで最適な前後トルク配分を行う。

 

4モーションモデルに装備されるアクティブコントロールは、「オンロード」「スノー」「オフロード」「オフロードカスタム」の走行モードをスイッチでチョイスできるというシステム。オンロードモードにはさらに「スポーツ」「ノーマル」「エコ」「コンフォート」「カスタム」の5つのドライブモードがあり、駆動配分だけでなくパワーを統合的にコントロールする。今回はラフロードを走るチャンスはなかったが、状況に応じた正確な制御は、キャラクターの変化というほど大きなものではなく、最適化という表現が相応しい。

ボディサイズはちょっと大きなCセグメントと言えるが、その大きさの恩恵はリアシートにも感じられる。ニースペースに余裕があり、エアコンの温度調節やUSBソケットなども装備され、ファミリーユースでも満足感が高いだろう。もちろん、ラゲッジスペースもしっかり確保されている。

激戦区のセグメントであるコンパクトSUVマーケットの中にあるティグアンには、フォルクスワーゲンらしい安心感がある。尖ったキャラクターや奇を衒ったところはないが、「定番商品」の心地よさと言えばいいだろうか。

トルクフルで経済性に優れたディーゼルエンジンと4WDによる走破性や快適性、使いやすいインフォテインメントシステム、広く快適なリアシート、安全性など。日本でもファミリーユースにジャストなモデルと言えるだろう。(文:佐藤久実)

▪️主要諸元:フォルクスワーゲン ティグアン TDI 4モーション ハイライン

全長×全幅×全高:4500×1840×1675mm
ホイールベース:2675mm
トレッド 前/後:1575/1565mm
車両重量:1730kg
最小回転半径:5.4m
ラゲッジルーム容量:615/1655L
エンジン:直4DOHCディーゼルターボ
総排気量:1968cc
ボア×ストローク:81.0×95.5mm
圧縮比 16.2
最高出力:110kW(150ps)/3500-4000rpm
最大トルク:340Nm(34.7kgm)/1750-3000rpm
燃料・タンク容量:軽油・63L
JC08モード燃費:17.2km/L
駆動方式:4WD
トランスミッション:7速DCT(DSG)
サスペンション:ストラット/4リンク
タイヤサイズ:235/55R18
車両価格:4,940,000円

文:Webモーターマガジン Motor Magazine編集部
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

「格安」なのに見栄はしっかり張りたい! だったら輸入中古車を狙え!!
「格安」なのに見栄はしっかり張りたい! だったら輸入中古車を狙え!!
ベストカーWeb
次世代ホンダを占う「次の一手」【石井昌道の自動車テクノロジー最前線】
次世代ホンダを占う「次の一手」【石井昌道の自動車テクノロジー最前線】
グーネット
ヴィンテージ感あふれるダイバーズウォッチをリッチな“ブラック&ゴールド”で再構築――スピニカーが挑む新境地とは
ヴィンテージ感あふれるダイバーズウォッチをリッチな“ブラック&ゴールド”で再構築――スピニカーが挑む新境地とは
VAGUE
カワサキ「斬新4脚モビリティ」製品化! 本格悪路性能×「バイク技術」が融合した「スゴいマシン」35年にデビュー! 2030年「サウジアラビア・リヤド万博」会場で採用目指す
カワサキ「斬新4脚モビリティ」製品化! 本格悪路性能×「バイク技術」が融合した「スゴいマシン」35年にデビュー! 2030年「サウジアラビア・リヤド万博」会場で採用目指す
くるまのニュース
SUBARU公認“六連星”マリッジリング登場! クルマ好き夫婦に響く特別な指輪
SUBARU公認“六連星”マリッジリング登場! クルマ好き夫婦に響く特別な指輪
ベストカーWeb
タグ・ホイヤー、オメガ、ブライトリング──黒の表現がユニークな定番時計3選
タグ・ホイヤー、オメガ、ブライトリング──黒の表現がユニークな定番時計3選
GQ JAPAN
荒々しさと静寂と――浅草発のウォッチブランド“KIWAME TOKYO ASAKUSA”「IWAO(巌)」は、巧みに作り上げたダイヤルの表情に注目
荒々しさと静寂と――浅草発のウォッチブランド“KIWAME TOKYO ASAKUSA”「IWAO(巌)」は、巧みに作り上げたダイヤルの表情に注目
VAGUE
両端が離れすぎて、これじゃ見えない!? いえいえ、眼鏡ではありません!! 工具の一種『メガネレンチ』とは?
両端が離れすぎて、これじゃ見えない!? いえいえ、眼鏡ではありません!! 工具の一種『メガネレンチ』とは?
バイクのニュース
メルセデス・ベンツ新型「GLB」世界初公開! 全長4.7mに進化した3列7人乗りの大人気“コンパクトSUV” まずEVモデルが登場
メルセデス・ベンツ新型「GLB」世界初公開! 全長4.7mに進化した3列7人乗りの大人気“コンパクトSUV” まずEVモデルが登場
VAGUE
じつはイメージと全然違う物流倉庫! 「じつは静か」「ガテン系のノリじゃない」謎の施設の真実をご紹介!!
じつはイメージと全然違う物流倉庫! 「じつは静か」「ガテン系のノリじゃない」謎の施設の真実をご紹介!!
WEB CARTOP
8年ぶり全面刷新! 日産新型「流麗クロスオーバー」に問合せ“殺到”!? 全長4.4m“ボリューミーボディ”に「700km超え航続」も実現! 新時代の“日産の要”「リーフ」が販売店でも話題に
8年ぶり全面刷新! 日産新型「流麗クロスオーバー」に問合せ“殺到”!? 全長4.4m“ボリューミーボディ”に「700km超え航続」も実現! 新時代の“日産の要”「リーフ」が販売店でも話題に
くるまのニュース
ハイエース200系専用「LEDコンソールボックス」が進化! 収納・充電・照明を1台で実現する理由
ハイエース200系専用「LEDコンソールボックス」が進化! 収納・充電・照明を1台で実現する理由
ベストカーWeb
【メルセデス・ベンツ】アウトドアで使い倒す! ルーフラゲッジとスペアタイヤホルダーを純正装備した「AMG G63」
【メルセデス・ベンツ】アウトドアで使い倒す! ルーフラゲッジとスペアタイヤホルダーを純正装備した「AMG G63」
Auto Prove
タイヤのロックを防いでくれるABS 「チャンネル」ってナニ? あえてオフにもできる?
タイヤのロックを防いでくれるABS 「チャンネル」ってナニ? あえてオフにもできる?
バイクのニュース
まさに“息を呑む”美しさ... 人生で一度は見ておきたい「日本新三大夜景」が全国の夜景観光士によって選出 ネットでの反響とは
まさに“息を呑む”美しさ... 人生で一度は見ておきたい「日本新三大夜景」が全国の夜景観光士によって選出 ネットでの反響とは
VAGUE
ホンダ、レッドブル・パワートレインズへのF1技術支援を終了…8年間で72勝の実績
ホンダ、レッドブル・パワートレインズへのF1技術支援を終了…8年間で72勝の実績
レスポンス
価値ある398万2000円──新型BYDシーライオン6試乗記
価値ある398万2000円──新型BYDシーライオン6試乗記
GQ JAPAN
日本市場にホンキだ──新型BYDシーライオン6試乗記
日本市場にホンキだ──新型BYDシーライオン6試乗記
GQ JAPAN

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

487 . 1万円 655 . 2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

55 . 0万円 580 . 0万円

中古車を検索
フォルクスワーゲン ティグアンの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

487 . 1万円 655 . 2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

55 . 0万円 580 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村