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6月29日デビュー目前に試乗!! 新型ベンツCクラスは何がどれだけ進化した?

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6月29日デビュー目前に試乗!! 新型ベンツCクラスは何がどれだけ進化した?

 今年2月にワールドプレミアしたメルセデス・ベンツの新型Cクラス。日本では6月29日に発表されるこの新型に、本国ドイツで試乗することができた。

 しかも今回試乗したのは、セダンのC200、ステーションワゴンでディーゼルエンジンを搭載するC200d、そしてセダンでプラグインハイブリッド(PHEV)を採用するC300eという、3タイプまとめての一気乗り!

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 日本でも多くのユーザーのいる大定番のベンツCクラス。その注目の新型は現行モデルからどれだけ進化しているのか? 海外試乗レポートでひと足早くお届けする。

文/木村好宏
写真/Mercedes-Benz

【画像ギャラリー】日本発表は6月29日!新型Cクラスは全車電動化と魅惑のスタイリングで大注目

■ベンツのベストセラーが7年ぶりにフルモデルチェンジ!

 メルセデス・ベンツCクラスのルーツは1982年に登場した190(W201)であるる。当時大きくて高額なクルマばかり作っていたベンツが、BMW3シリーズのオーナーのような若い層を狙って送り出したモデルで、このクルマが輸出先の北米市場で「ベビー・ベンツ」と呼ばれるようになった。

 これに続くCクラスは1993年に登場したW202でこのモデルから正式にCクラスと名付けられた。それ以来Cクラスはメルセデス・ベンツのベストセラーとしてこれまでの39年間に全世界で1050万台が販売されたが、2014年に登場した現行モデル(W205)は特に人気が高くTモデル(ワゴン)も含め250万台が出荷された。

 この人気モデルが7年ぶりにフルモデルチェンジを受け、今回ベンツの本拠地である南ドイツ、シュツットガルトで試乗会が開催された。しかもセダンだけでなくTモデル(ワゴン)、そしてPHEVも同時に試乗するチャンスが与えられていた。

新型Cクラスのトピックは全車電動化されたこと。またPHEV「Ⅽ300e」もさらに機能を強化。25.4KWのリチウムイオン電池を床下に搭載し、EVモードで現行モデルの倍、100kmの走行を実現

 本来であれば、風光明媚なヨーロッパの観光地でしかもTモデルやPHEVなどは間隔を置いて、試乗会は行われるものだが、新型コロナ禍、そして目前に迫る内燃機関(ICE)搭載車の幕引きが迫っているなかではのんびりしていられないのだろう。

■新型Cクラスは意識的にSクラスに寄せてきた?

 ニューCクラスのデザインはベストセリングカーの宿命から、キープコンセプトにならざるを得ないのは当然である。しかし、新旧モデルを並べてみるとその違いは明らかである。とくに長く低くなったボディはキャビン・バックワード(客室が後退した)の後輪駆動モデル独特のシルエットが強調されている。

新型Cクラスセダン。SクラスのイメージをドライバーズカーであるⅭクラスにも反映したようだ。より後輪駆動である事を強調した伸びやかでスポーティなエクステリアだ

 また個々のデザインエレメントではLEDヘッドライト、リアLEDコンビライトがシャープな形状になっている。さらにこれまで2種類あったグリルはスリーポイテッドスターが中央にあるタイプに統一され、全体的にスポーティでエレガントなたたずまいになった。

 メルセデス・ベンツの社長、オーラ・ケレニウスは「アルファベットではCとSの間には大きな開きがあるけれども、我々のモデルでは可能な限りその間隔を狭めました!」と言うように、エクステリアデザインはどこかSクラスを思わせるところはあった。

 しかし、それ以上に似ていたのはインテリアでドライバーの正面に10.25インチ(オプションでは12.3インチ)、そしてセンターコンソールには9.5インチ(オプション11.9)のタッチスクリーンがレイアウトされている。

 ただしSクラスとは違って、ほとんどがドライバーズカーのCクラスでは中央画面は6度運転席側に傾いている。使用材質や仕上げ感もほとんどSクラスと言えるほど上質だ。もちろんアップデートはOTA(オーバー・ジ・エア)で行われる。

新型Ⅽクラスのインパネ。独立した2つの大型ディスプレイが目立つがシンプルなインパネ。こちらもSクラスのイメージを反映した上質な仕上げだ。ただドイツ車の持つ硬派な感じはもはや過去のものらしい

 65mm長くなったボディと25mm延長されたホイールベース、そして低くなったルーフにもかかわらずキャビンには肘回りに余裕が生まれている。とくにリア空間は膝部分をはじめ、全体的にゆったりしている。

 そこに貢献しているのはヘッドレストの背面構造で、左右両側の厚さを薄くした形状にしたことで後席乗員の視覚的な圧迫感が少なくなっている。

■ガソリンエンジン車はすべて4気筒+48Vマイルドハイブリットシステム搭載となる

 試乗した「C200」に搭載されているエンジンは1.5L 4気筒(M254)で最高出力204馬力、最大トルク300Nmを発生するが、48Vのマイルドハイブリッドシステムで20馬力と200Nmのブーストが加わる。

 組み合わされるのは9速ATで、ダイナミック性能は0-100km/hが7.3秒、最高速度は246km/hに達する。ちなみにニューCクラスでは6気筒モデルはキャンセルされ、トップモデルは2Lで258馬力を発生するC300となる。

「C200」は1.5L 4気筒エンジンに48Vマイルドハイブリッド。最上級車も2Lで同様の組み合わせの「C300」で6気筒車は未設定 。ダウンサイジングを徹底し、マイルドハイブリッドで補完という考えだ


 しかし48Vのブースト効果もあってC200は軽快にスタートする。9速ATは非常にスムースで、ゆっくりとスロットルを踏み込むとショックを感じさせずにシフトアップしておよそ80km/hで静かにクルージングに入る。

 また100km/h付近でスロットルを緩めるとエンジンストップの状態でコースティングを開始する。最大で2.5度までの舵角を持つリア操舵は高速では安定したハンドリング、そして街中では従来よりも43cm短くなったターニングサークルで取り回しを楽にする。

 一方、メルセデス・ベンツの開発センターに向かうワインディングロードでは驚くほど敏捷なハンドリングを見せてくれた。ニューCクラスでは、もうひとつキャンセルされた装備にエアサスペンションがあるが、フル乗車でトランク満載のような場合は別として通常のドライブではスチールバネで役不足は感じなかった。

 満載のADAS(ドライバーズ・アシスト)のなかでAR機能付きのヘッドアップディスプレイは前方に30インチの情報画像が浮遊しているような感覚で非常に見やすく、かつ正面を見ているだけで脇見も防止する。

■ディーゼルもマイルドハイブリッド車となる他、PHEVのC300eも登場!!

 次に試乗したのはTモデル(ワゴンバージョン)の「C300d」で、搭載されているエンジンは2L 4気筒ディーゼルであり最高出力265馬力、最大トルク550Nmを発生する。

 メルセデス・ベンツはディーゼルエンジン搭載車にも48Vマイルドハイブリッドを設定。モーターは20馬力と200Nmのブーストパワーを持ちセダンと同じく9速ATが組み合わされる。このC300d は0-100km/hは5.8秒、最高速度は250km/hでリミッター制御される。

こちらのTモデル(ワゴン)試乗車は「Ⅽ300d」で2Lディーゼルエンジンを搭載。もともと豊かなトルクがあるはずなのだが、マイルドハイブリッドが組み合わされている。ディーゼルとの相性やいかに?

 ワゴンボディはスポーティかつエレガントで、荷室は360~1375リッターと趣味のスポーツ機材を運ぶにも充分な広さを持っている。

Tモデルのリアスタイル。セダン以上に流麗なスタイル。バンパー周りのデザインはセダンと別であり、より空力を重視した処理となっている。日本でも人気が出そうだ

 Cクラスファミリーで時代の先端を行くのが「C300e」である。25.4KWのバッテリーによってWLTC値でEV走行での航続距離が100kmを達成する現時点で唯一のPHEVである。

 充電時間は標準のAC(11KW)チャージャーで2時間、オプションの55kWでは30分で満充電となる。EV最高速度は140km/hと決してのろまではなく、ゆえに通常40~50kmと言われる距離の通勤パターンでも充分に使える。

PHEVもガソリンとディーゼルが用意される。ともに95kW(130馬力)440Nmのモーターとの組み合わせだ。WLTCモードで100kmのEV走行距離は今後のPHEVのベンチマークとなりそうだ

 また日本向けには左側にDC、右側にACのコンセントが装備される。

■確実に進化した新型Cクラス。日本発表は6月29日、発売は今秋の予定だ

 ニューCクラスはキープコンセプトなデザインで半歩前進的に見えるが、品質、仕上げそして技術的な中身は確実に一歩、いや2歩進んだ内容を持っていた。

 またドイツで人気のTモデルはライフスタイルを享受するスポーツマンやファミリーにはうってつけの実用性とエレガントでスポーティなたたずまいを持っていた。

 最後に試乗したC300eはEV航続距離が100kmとこれまでのPHEVの常識を破る距離で、普段使いであれば基本的にゼロエミッションを可能にする。そして内燃機関との協調によって満タンで軽く600~800kmに届く総航続距離はEVにはまだ疑心暗鬼な人にはぴったりのクルマであった。

 今回、ニューCクラスに遭遇して、改めて後輪駆動のCクラスこそメルセデスの本質と品質、そして性能を持った真のエントリー・ベンツモデルだということが再確認されたのは大いなる収穫であった。

メルセデスベンツジャパンより6月29日に日本で発表されることがリリースされた。すでに1000台以上の受注も入り、発売は秋になるとの情報だ。日本でもその上質な走りを早く味わってみたい!

 日本への上陸は早ければ秋頃になるだろう。

【画像ギャラリー】日本発表は6月29日!新型Cクラスは全車電動化と魅惑のスタイリングで大注目

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みんなのコメント

15件
  • 輸入車はハイテクが多く修理代が高額になりそうな
    気がするので安心MAXを付けて700万位なら購入を
    考えてるが…。
  • 数年後は中古車の下落率と下取り価格の安さは半端ないだろう。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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