オールドスクールなカスタムを全方位に展開
学生の作品にしては現実的すぎるかも!?
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このドシャコタン仕様のNA8Cロードスターは、宮城県仙台市に校舎を構える“花壇自動車大学校”の作品。コロナ禍で色々と制限が多い中、鈑金や塗装をメインに学ぶボディクラフト課の3年生が、3ヶ月という短期間で仕上げたというから恐れ入る。
「クラシック・ごつい」をテーマに、学生達がアイディアを出し合いながら実現したというこのスタイル。ベース車はボロボロの状態だったため、ドンガラ状態にしてからフルレストアを敢行したそうだ。
エンジンルームの仕上がりは美しいの一言だ。不要な配線やブラケットなどを徹底的に排除し、インテーク&エキゾースト関連の金属パーツはポリッシュ加工。魅せるエンジンベイを徹底追及しているのだ。なお、セットされているターボシステムはHKSがかつて販売していたキット(元々ベース車両に付いていたそうな)だ。
ホイールは15インチのワークエクイップ40で、サイズはフロントが8.5J+3、リヤが9J-5。足回りはラグルスの車高調を軸に構築し、ローフォルムでも問題なく走れるようにハードレート(F22kg/mm R16kg/mm)のスプリングを投入している。
前後フェンダーはワンオフのワイド仕様だ。拡大幅はフロント10~15mm、リヤ15~20mmとのこと。流行りのワークスフェンダー系には走らず、あえて純正風の自然なラインを求めたところに独自性を追求する学生達の強い意志が感じられる。
一見ノーマルに感じるフロントバンパーも加工ポイントのひとつ。ナンバープレート台座などはスムージング処理されているが、うねりや歪みを抑えるべくエポキシ系のバテを用いながら作業を進めたそうだ。
内装はクラシカル路線でカスタム。ドアパネルはベージュのキルティングレザーで張り替え、コブラシートも同色でコーディネイト。個性的なウッドのステアリングはMOMOスーパーインディ、センターコンソールやオーディオパネルはワンオフだ。また、イメージに合わない追加メーター類をグローブボックス内に隠しているのもポイントと言える。
学校名が入ったスカッフプレートも学生が作ったオリジナル。チェッカーフラッグ柄に車名と学校名を配置したデザインは製品レベルのクオリティだった。
ボディ同様に見るも無残な状態だった帆は、内装と同じカラーで張り替えてリフレッシュ。オリジナルグリーンのボディカラーとベージュのソフトトップのコンビネーションが、オールドスクールなチューニングカー風フォルムを完成させている。
奇をてらうことなくカスタム&チューニングのトレンドを敏感に感じ取り、最新のスタイルを探求した結果の大作。良い意味で学生らしくない、質実剛健の現実的メイキングは参考になる部分も多いだろう。
TEXT:三木宏章
PHOTO:金子信敏/三木宏章
●取材協力:花壇自動車大学校 宮城県仙台市青葉区花壇8-1 TEL:022-266-7904
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