■R34が驚きの1億9000万円!その納得の理由とは
2023年5月5日、イギリスの老舗オークションハウスであるボナムスがベルギー・ブリュッセルで開催したオークションで、ある1台の日産「スカイライン GT-R(以下R34)」が135万7000ドル(約1億8800万円)で落札されました。
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ボナムスによると、この価格はスカイライン GT-R史上最高価格であると言います。近年、相場価格が上昇傾向にあるR34ですが、なぜ2億円に届くほどの値が付けられたのでしょうか。
実際、近年市場価格が著しく高騰している国産スポーツカーのなかでも、R34はトップクラスの人気を誇っています。
その背景には、映画「ワイルド・スピード」シリーズにおけるR34の活躍があります。
作中では主人公のひとりであるブライアン・オコナーの愛車として登場するR34は、多くの国産スポーツカーが登場する同シリーズのなかでもひときわ目立つ存在となっています。
また、アメリカにおける「25年ルール」の影響もあるようです。アメリカの多くの州では、製造後25年が経過したクルマに対して安全基準などを緩和する措置をとっており、それまでは事実上公道走行が難しかった右ハンドル車も、合法的に街を走ることができるようになります。
R34はほぼ全数が右ハンドルの日本国内仕様ですが、「25年ルール」が適用される2025年にはアメリカの公道もほぼ問題なく走行できるようになります。そうした事情もあり、おもにアメリカのユーザーからの引き合いが多くなっているようです。
そうした状況のなかで、R34は状態の良い個体であれば数千万円もの価格で取引されるケースも見られるようになっています。
一方、今回落札された個体は、すでに新車価格の10倍程度となっているR34の中古車相場の、さらに数倍におよんでいます。
たしかに、「ベイサイド・ブルー」のボディは新車同様とも言える輝きを放っており、内外装やパワートレインに施されたこだわりのカスタムを見ても、この個体が極上のコンディションであることがうかがえます。
このR34は、アメリカの「カイゾー・インダストリーズ」のダリル・アリソン氏によってカスタマイズされ、特注のロールケージや19インチのカスタムホイール、ニスモ製マフラーやローダウンスプリングなどが装着されています。
また、心臓部に置かれた「RB26DETT」エンジンは、インタークーラーなどの強化により、最高出力が550馬力へと高められています。
カスタムカーとしても高いレベルにあるこのR34ですが、それだけでは数千万円で取引されることはあっても1億円を超えることはほぼありませんが、今回の個体に隠されたその本当の価値とはどのようなものなのでしょうか。
■約1億9000万円で落札されたR34…その理由を聞けば納得?
この個体に隠された本当の価値は、ワイルド・スピードシリーズの4作目「ワイルド・スピード MAX」で実際に使用されたものであることにあります。
シリーズのなかでも特にド派手なカースタントアクションが特徴の同作品では、R34によく似せた「スカイラインGT-T」がおもに使用されていました。
ただ、1台だけ本物のR34も用いられており、この個体こそがその1台にあたります。
ブライアン・オコナーを演じる故ポール・ウォーカー氏は、プライベートでも大のクルマ好きとして知られており、この個体についても、自身の好みを色濃く反映させたと言われています。
たとえば、この個体のボディには、同年代の国産スポーツカーに見られるようなステッカーが一切貼られていません。
これは、R34の美しいボディラインを強調したいというポール・ウォーカー氏の考えを尊重したものとされています。
また、運転席のバケットシートはポール・ウォーカー氏に合わせてカスタマイズされているほか、作中に登場した大型のダッシュボードモニターも備わっているなど、まさに映画のなかから飛び出してきたかのような状態です。
このR34は、今回オークションに出品される直前まで、ドイツ・ミュンヘンにある「ミュンヘン・モーターワールド」に展示され来場者の注目を集めていました。
落札者の情報は明らかにされていませんが、最も有名な国産スポーツカーのひとつとして、今後も多くのファンを楽しませる存在となることが期待されています。
※ ※ ※
海外オークションにおける日本車の最高落札額は、2022年3月に253万5000ドル(約3億5100万円)で落札されたトヨタ「2000GT」とされています。
今回落札されたR34は、これに次ぐ日本車史上第2位の記録となるようです。
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みんなのコメント
手帳持ちしか居ねぇじゃん。