この記事をまとめると
■車体の各所に迫り出した突起状のパーツを最近よく目にする
ランクル300にGR86まで! あらゆるトヨタ車に装着される「小魚」の正体とは?
■ルーフ降誕のフィンはアンテナで空理機性能にはあまり寄与していない
■ボディ各所に設けられたフィンは不規則になった空気の流れを整える効果がある
シャークフィンのアンテナは空力よりも見た目重視なパーツ?
高速で走るレーシングカーやスポーツカーにとって、空力性能がパフォーマンスに大きく影響を及ぼすことは広く知られているだろう。空力性能というと、以前はCD値(空気抵抗係数)がよく語られ、カタログを賑わしたものだ。CD値が小さければ空気抵抗が少ないように受け取られ、燃費や最高速に寄与するというイメージで取り上げられたことが多い。
しかし、実際には空気抵抗値はCD値だけでは決まらず、前面投影面積Aとの積「CD×A」で論じなければ意味がない。また、メーカー毎に計測方法や機器が異なり、カタログ値の再現が実証されにくいことなどから、CD値が前面で語られることは少なくなった。メーカー、車種によっては機密扱いとして公開されていないこともある。
F1マシンのように、大きなダウンフォースを発揮させて車体を地面に押し付けてタイヤグリップを引き出すのは比較的簡単な理論で、現代の市販車のように、燃費や電費向上のための空気抵抗値低減と操縦安定性視点からの空力安定性を引き出して両立するのは難しい技術だといえる。
そこで、最近よく目にするのが車体の各所に「チョビ角」のように迫り出した突起状のパーツだ。
ルーフの後端にシャークフィン形状に突き出ているのはアンテナで、多くのクルマで採用している。電動化が進み、通信機能が多く求められるようになり、最新のBEVモデルである日産アリアなどは2本のシャークフィンアンテナを取り付けている。
シャークフィンアンテナの機能は主に通信機能なのでクルマの空力性能に大きく寄与するわけではないともいえる。
サイズは大きくなくても効果は絶大な空力パーツ
では、乗用車の空力性能に影響を与えそうな空力パーツはなんだろう。近年のトヨタ車に多く採用されているのが「エアロスタビライジングフィン」と呼ばれる空力パーツだ。なんでも海中を泳ぐ魚の形状から着想し、車体に貼付けることでスムースな空気の流れを確保し、ボディデザインが元来持っている空力性能を安定して発揮させるのが狙いだ。
車体に添って流れる空気は、流線型の車体では一見スムースに思えるが、それでも空気振動で剥離や表面効果を繰り替えして不規則で不安定になっている。スタビライジングフィンを取り付けることで剥離しようとする空気がフィンに巻き込まれ車体に添って流れるようになる。その効果は大きく、時速40kmほどでも走行フィールに安定感が感じられるようになる。
86デビュー当初は後付けパーツとして設定されていたが、今は樹脂系パーツにあらかじめ型を仕込み、一体成型として採用している例が多くなっている。とくにミニバンなど、車体表面積が大きく気流の影響を受け易いモデルでは効果的だ。
三菱自動車がランサー・エボリューションVIII MRで採用していたのは「ボルテックスジェネレーター」(ディーラーオプションとして)だ。ルーフエンドの角に、まさに角のように8本の突起物が形成されていたものだ。ルーフ部を流れる気流がジェネレーターに当たることで意図的に縦渦を発生させ、空気抵抗を軽減させながら、リヤに装着された大型のスポイラーから効率よくダウンフォースを発生させるのが狙いとされた。
そもそも三菱自動車は、航空機開発の技術を活かした空力性能開発が得意で、ランエボVIII(CT9A)型では、フロントウインドウ上端から後方に約7度の下半角を付けるのが空力上理想と解析していた。しかし、セダン形状の車体では、後席のヘッドクリアランスを確保するためルーフ後端が高くなり、7度の下半角は形状的に得られない。そこで、航空機の空力技術であったボルテックスジェネレーターをルーフエンドに装着することで、下半角7度のルーフと同じ効率でリヤスポイラーに気流が流せることを突き止めたのだ。
その効果はとくに高速域で絶大で、フロントヘビーなランエボながら、高速になればなるほどリヤタイヤが路面に粘り着く感触が得られていた。僕はその開発時に独・ニュルブルクリンクでテスト走行を行ったが、とくに高速難所として名高い「ケッセルヒェン(1976年のF1GPでフェラーリのニキ・ラウダがクラッシュし炎上、重傷を負ったコーナー)」を時速200kmオーバーでもアクセル全開のまま安定して駆け抜けることができ、その効果の高さを実感した。
派手な形状のウイングやスポイラーは空力パーツの王道だが、こうしたちょっとした工夫や造作でも大きな効果が引き出せることが、近代空力技術のレベル高さを物語っているのだ。
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