現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > なぜミニバンやSUVに「スポーツモード」存在? 速く走る必要性はある? もはや車種関係なく「走りの味」が選べるワケ

ここから本文です

なぜミニバンやSUVに「スポーツモード」存在? 速く走る必要性はある? もはや車種関係なく「走りの味」が選べるワケ

掲載 23
なぜミニバンやSUVに「スポーツモード」存在? 速く走る必要性はある? もはや車種関係なく「走りの味」が選べるワケ

■ミニバンやSUVのスポーツモードはなんのためにある?

 ミニバンやSUVなど、いわゆるスポーティではないモデルにも「スポーツモード」が採用されているケースは少なくありません。
 
 そこにはどのような理由があるのでしょうか。

日産高級ミニバン、新「エルグランド」発売! 379万円から

 スポーツカーは多くの人を魅了する華やかさを持っているものの、実際の新車販売に占める割合は決して高くはありません。

 一方、「スポーツモード」を採用しているモデルという視点で見ると、その数はそれなりに多いことがわかります。

 たとえば、それぞれ名称は多少異なるものの、トヨタやホンダのハイブリッド車のほとんどにスポーツモードが備わっており、そのなかにはトヨタ「ノア/ヴォクシー」やホンダ「ヴェゼル」のようないわゆるスポーティなモデルではないものも含まれています。

 また、スズキ「ハスラー」のような、軽自動車にもスポーツモードが備わっている例が見られます。

 スポーツモードを使用すると、トランスミッションやエンジンの制御プログラムを変更することで加速性能が向上するなどの効果があるほか、メーターパネルの色が変化するなどして雰囲気を高める例も見られます。

 さらに、一部の高級車などではサスペンションや駆動形式のセッティングも変化するなど、クルマのキャラクターが大きく変わる場合もあります。

 では、なぜいわゆるスポーツカーではないモデルにも、スポーツモードが備わっていることが多いのでしょうか。

 この点について、とある新車系の販売店関係者は次のように話します。

「スポーツカーの販売台数自体は決して多くはありませんが、スポーツカーに乗ってみたいというお客様自体は少なくありません。

 ただ、特にファミリー層などは実用性の問題などからスポーツカーを選ぶことが現実的ではなく、やむをえずミニバンやSUVを選ぶケースも見られます。

 また、スポーツカーを保有していたものの、ライフステージの変化によって泣く泣く手放さざるを得ないお客様もいらっしゃいます。

 そうしたお客様にとってスポーツモードは、ミニバンやSUVを受け入れるひとつの『妥協ポイント』となっているようです。

 そういった意味では、スポーティなルックスのミニバンやSUVが増えていることと共通していると思います」

■ニーズの多様化で「走行モード」の中身も進化している?

 一方、自動車メーカーの立場からは、スポーツモードのまた違った役割が見えてきます。

 ある自動車メーカーの関係者は次のように話します。

「かつては専用開発の部品が多かったこともあり、モデルごとのキャラクターは必然的に異なっていました。

 しかし、現在では少数のプラットフォームから複数のモデルを開発する手法が一般的となっており、かつてと比べるとモデルごとの個性を引き出すことが難しくなりつつあります。

 特に『走り』に関わる部分はどうしても均一化してしまいがちです。

 そこで、スポーツモードを採用することで、同じクルマのなかに複数のキャラクターを持たせるという方法をとることが多くなってきたと考えられます」

 プラットフォームをはじめとする部品の共有化が進んだことで、クルマの基本性能は大きく向上したと言われています。

 また、コスト削減にも大きく貢献していることは言うまでもありません。

 ただ、近年ではユーザーの嗜好も多様化しており、自動車メーカー各社は少数のプラットフォームから多様なユーザーニーズに対応することが求められるようになっています。

 そして、スポーツモードの採用はそうした課題に対する有効な解決策のひとつとなっているようです。

 それに加えて、電子制御技術の進歩により、制御プログラムの変更がしやすくなったということもスポーツモードを採用するモデルが増えてきた背景にあるようです。

※ ※ ※

 スポーツモードを採用しているモデルの多くは「エコモード」も採用されています。

 これは、スポーツモードとは反対にアクセルレスポンスや空調などを制御することで、燃費性能の改善を図るというものです。

 つまり、スポーツモードとエコモード、そしてノーマルモードという3つのキャラクターを使い分けられるモデルが増えていることになります。

 またヒョンデ「アイオニック5N」では、走行モード以外にブーストモードのような瞬間的に出力を向上させる仕様があるなど、今後も「走りの味付け」は広がりそうです。

こんな記事も読まれています

2024年版 「本格派」の高性能オフロード車 10選 道を選ばない欧州 "最強" SUV
2024年版 「本格派」の高性能オフロード車 10選 道を選ばない欧州 "最強" SUV
AUTOCAR JAPAN
BYDが東京工科自動車大学校で初の「EV特別講座」を開催。未来のメカニックたちに伝えたいことと狙いとは
BYDが東京工科自動車大学校で初の「EV特別講座」を開催。未来のメカニックたちに伝えたいことと狙いとは
Auto Messe Web
夢のように走った「RR」 3台のワークス・シュコダ 130/フェイバリット/120 ラピッド(2) クラス優勝の常連
夢のように走った「RR」 3台のワークス・シュコダ 130/フェイバリット/120 ラピッド(2) クラス優勝の常連
AUTOCAR JAPAN
東欧の「ポルシェ」 刺激的だった廉価ブランドのRR シュコダ130/フェイバリット/120 ラピッド(1)
東欧の「ポルシェ」 刺激的だった廉価ブランドのRR シュコダ130/フェイバリット/120 ラピッド(1)
AUTOCAR JAPAN
【取引先からの不満は事実】日産、下請法違反勧告後の取り組みを説明
【取引先からの不満は事実】日産、下請法違反勧告後の取り組みを説明
driver@web
あまり重いと走行不可能! 重い積み荷の巨大トラックは「何トン」まで公道を普通に走ってOK?
あまり重いと走行不可能! 重い積み荷の巨大トラックは「何トン」まで公道を普通に走ってOK?
WEB CARTOP
ホンダが認証不正で会見 対象車種の累計販売は325万台 「遵法性の意識に大きな問題」
ホンダが認証不正で会見 対象車種の累計販売は325万台 「遵法性の意識に大きな問題」
日刊自動車新聞
“カツカレー”のようなクルマの進化──新型BMW X6 xDrive 35d M Sport試乗記
“カツカレー”のようなクルマの進化──新型BMW X6 xDrive 35d M Sport試乗記
GQ JAPAN
新デザインになった「ゆるキャン△ピングカー」イベント展示とオフィシャルグッズ販売が決定!
新デザインになった「ゆるキャン△ピングカー」イベント展示とオフィシャルグッズ販売が決定!
乗りものニュース
エステバン・オコン、今季限りでアルピーヌを離脱「次の計画はすぐに発表する」
エステバン・オコン、今季限りでアルピーヌを離脱「次の計画はすぐに発表する」
motorsport.com 日本版
ルノー「カングー」でこだわりの趣味を満喫!最長1年間貸与のモニターキャンペーン第3弾
ルノー「カングー」でこだわりの趣味を満喫!最長1年間貸与のモニターキャンペーン第3弾
グーネット
シボレー「コルベット E-RAY」発表 史上初の電動化&AWD車 加速性能は歴代最速に
シボレー「コルベット E-RAY」発表 史上初の電動化&AWD車 加速性能は歴代最速に
グーネット
ホンダ、新エアロにより最高速は向上も残る課題。新エンジン投入はサマーブレイク後の見込み/第7戦イタリアGP
ホンダ、新エアロにより最高速は向上も残る課題。新エンジン投入はサマーブレイク後の見込み/第7戦イタリアGP
AUTOSPORT web
ザ・ニッポンの高級車の進化──新型トヨタ・クラウン・クロスオーバー試乗記
ザ・ニッポンの高級車の進化──新型トヨタ・クラウン・クロスオーバー試乗記
GQ JAPAN
トヨタの豊田章男会長、不正発覚で陳謝 「間違いをした時は一度立ち止まる」 認証プロセス管理の仕組みは年内に構築
トヨタの豊田章男会長、不正発覚で陳謝 「間違いをした時は一度立ち止まる」 認証プロセス管理の仕組みは年内に構築
日刊自動車新聞
ボルボの最新BEV「EX30」の全身に息づく"ほどよきこと"の魅力
ボルボの最新BEV「EX30」の全身に息づく"ほどよきこと"の魅力
@DIME
トヨタが発表した不正行為と対象車種の一覧
トヨタが発表した不正行為と対象車種の一覧
日刊自動車新聞
「5ナンバー車」もはや中途半端? 規格を守る意義 “ちょっと幅出ちゃって3ナンバー”と、実際違いあるか
「5ナンバー車」もはや中途半端? 規格を守る意義 “ちょっと幅出ちゃって3ナンバー”と、実際違いあるか
乗りものニュース

みんなのコメント

23件
  • トム
    昔、トップギアという番組で三世代前だったかのゴルフをプロが専用コース一周させたらノーマルモードもスポーツモードも同一タイムというオチだった。いくらセッティングをいじっても同一のダンパーとエンジンで性能が変わる訳が無いよね。
  • 藍流頓瀬奈
    ATでもそれなりハイグレードにはなる。安価なベーシックモデルには無かったり。
    峠道とかで、エコモードだとすぐシフトアップしてエンジン回転数下げるのできびきび走れないとき、スポーツモードあるとちょっと助かる。
    でもね、マニュアルならどんなときも自分の判断しだいなのわよ…
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

151.8197.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

10.0316.8万円

中古車を検索
ハスラーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

151.8197.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

10.0316.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村