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期待以上の過激な加速感。SV650X試乗レポート【スズキ】

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期待以上の過激な加速感。SV650X試乗レポート【スズキ】

今年1月26日より発売がスタートしたズズキSV650X ABS。ネオレトロなデザインを採用したこの新型モデルは、そのファッショブルな外観とは裏腹に、前傾の乗車ポジションやプリロードアジャスター付きのフロントサスペンションなどの採用によって街乗りすらも楽しく走れてしまう、本来の”バイクらしさ”を体感できる1台である。(REPORT:近田茂 PHOTO:山田俊輔)

スズキ SV650X ABS……781,920円

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レプリカ系のカウルを剥ぎ取ったレーシーなネイキッド。かつてメーカー各社から何種もリリースされていたそれらのバイクが、SV650Xに跨がった瞬間に脳裏に蘇った。例えばWOLFやCOBRA があった。ただ違うのは大人びた650 ccクラスのV ツインエンジンを搭載している点。これはちょっと異色である。

カフェレーサーとも呼べるそのスタイリングはスポーティな走りにこだわるユーザーに相応しい。Vツインエンジンは単気筒に迫るスリムな車体デザインが可能で、乗り味もその雰囲気にシックリと良く馴染むスマートさが魅力的。
細いパイプワークが露出したダイヤモンド式のフレームデザイン。後方にハネ上げられた右出し1本マフラー。コンパクトなヘッドライトカウル。そしてステアリングトップブリッジの下側にクリップオンされたセパレートハンドル等は、走り屋のような本格派のライダーにとっても、ソソられてしまうアイテムで構成されていた。
前方がスリムにデザインされたタックロールシートに跨がり、ハンドルに手を伸ばすと上体は前傾姿勢となる。その戦闘的なライディングポジションが、なんともエキサイティングな世界へ誘ってくれる。普通の街走りでこの攻めのスタイルか!? と思いつつも、決してそれが嫌いじゃない自分が居ることに気付いてしまうのだ。



V型645 ccが生み出す、粘りある加速感

Vストローム系でも評価の高い横置きの90度Vツインエンジンは、水冷DOHC4バルブの645 cc。ショートストロークタイプで、高い燃焼効率が追求されたデュアルスパークテクノロジーを採用。燃料噴射の制御も熟成されて、アクセル開度1度にまでこだわって徹底チューニングされたと言う。極低速域でもネバリ強く安定感のある優しい走りを発揮すると謳われている。
実際その出力特性はスムーズかつレスポンス良くダッシュが決められる。その逞しい乗り味が好印象。登り坂の峠道でもグイグイと前にダッシュしていけるポテンシャルと、それを誇れる扱いやすさとのコンビネーションが侮れない。
いつのまにかスポーティなライディングを楽しむ世界に浸れる感じ。コーナーでは若干腰を落として外側の足でタンクを引き込むような走り方も自然に出来てしまう。切り返しも素直に扱え、安定感のある操縦性も気分が良い。そんな走りを存分に楽しめる実に巧みな仕上がりを披露してくれた。

当初、この手のバイクはライダーが“元気の良い時に乗って楽しむ”バイクだなと考えていたが、実はこれに乗ると“元気になれる、気分が高揚する”バイクである、というのが正解かもしれない。決してヤンチャすぎず、大人びた雰囲気の中にあるエキサイティングな乗り味こそ、このSV650Xの魅力なのだ。

■主要諸元■
全長/全幅/全高:2,140mm/730mm/1,090mm
軸間距離/最低地上高:1,450mm/135mm
シート高:790mm
装備重量 :197kg
最小回転半径:3.3m
エンジン型式:水冷4サイクル90°Vツイン/DOHC4バルブ
総排気量:645cc
内径×行程/圧縮比:81.0mm×62.6mm/11.2 : 1
最高出力:56kW(76.1ps)/8,500rpm
最大トルク:64N・m(6.5kgf・m)/8,100rpm
燃料供給装置:フューエルインジェクションシステム
始動方式:セルフ式
点火方式:フルトランジスタ式
潤滑方式:ウェットサンプ式
潤滑油容量:3.0L
燃料タンク容量:14L
クラッチ形式:湿式多板コイルスプリング
変速機形式:常時噛合式6段リターン
減速比(1次/2次):2.088 / 3.066
フレーム形式:ダイヤモンドフレーム
キャスター /トレール:25°/106mm
ブレーキ形式(前/後):油圧式ダブルディスク(ABS)・油圧式シングルディスク(ABS)
タイヤサイズ(前/後):120/70ZR17M/C(58W)・160/60ZR17M/C(69W)
舵取り角左右:30°
乗車定員:2名
カラー:オールトグレーメタリックNo.3
価格 781,920円

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