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もはや伝説! オリジナルスポーツカーまで販売した「トミーカイラ」という夢と執念の国産メーカーとは

掲載 更新 10
もはや伝説! オリジナルスポーツカーまで販売した「トミーカイラ」という夢と執念の国産メーカーとは

 この記事をまとめると

■日本の自動車史に名を残すトミーカイラの正体を解説

究極ダイエットの激レア車!  走り命で思いっきり軽量化した強烈な国産スポーツモデル3選

■最初はパーツの輸入販売などを行っていたが、のちにコンプリートカーも手がけていた

■レーシングカーを手掛けたほか、現在でもEVモデルが世に出ている

 伝説のコンプリートカー販売会社だった!

 クルマ好きの方なら、トミーカイラの名前を一度は聞いたことがあるだろう。日本のチューニングコンプリートカーの先駆者としてその名を轟かせたメーカーだ。トミーカイラというブランド名は富田義一社長と解良喜久雄副社長の名前を組み合わせたもの。

 1967年に京都で、輸入車販売のトミタオート商会として創業して、1973年にトミタオートになり、1986年にトミタ夢工場に変更している。輸入車販売の頃は日本でも珍しかったモデルを少量輸入したり、BMWのチューナーとして名高いハルトゲの日本代理店にもなっている。

 チューニングメーカーとしての出世作が、R31のスカイラインをベースにしたM30と呼ばれるチューニング済みのコンプリートカーだ。これは日本で最初の公認コンプリートとされている。その後も日産車だけでなく、トヨタやスバルなどさまざまなメーカーのクルマをベースにコンプリート車を精力的に開発し、それの多くには頭にMが付くが、すべてに付くとは限らない。

※画像は通常のR31スカイライン

 スーパーGTに参戦していたクルマもトミーカイラが関わっていた

 そして大きな注目を浴びたのが、1995年に発表され、1997年から発売を開始したオリジナルモデルのトミーカイラZZだ。ZZとはふたりの爺(ジージー)が作り上げたという意味が込められているとされているとされる。シャーシも含めてすべてオリジナルで、デザインを由良拓也氏が担当した丸みを帯びたボディをまとう。

 シャシーはアルミ製モノコックとし、ボディはFRP製なので、車重は710kgしかなく、エンジンはプリメーラなどに積まれたSR20DEをインジェクションからキャブレターに変更してリヤミッドシップに搭載している。トミーカイラZZはイギリスで生産され、日本へは輸入という形だったので、ナンバーを付けることができ、最終的に206台が生産されたとされる。

 2001年にはスポーツカー開発部門をオートバックスに譲渡して、オートバックス・スポーツカー研究所とし、解良副社長らが移籍。背景には開発費などの負担問題があったとされている。残った販売部門は2002年に分社化してトミタ夢販売へと社名を変更したものの、2003年にトミタ夢工場が倒産。

 トミーカイラブランドもオートバックスへと引き継がれ、計画していたZZ-IIは最終的に市販化はされず、代わりにガライヤを市販するという流れだった。しかし、そのガライヤも極少数製造されたのみで、本格的な市販かはされなかった。代わりと言ってはなんだが、ガライヤはスーパーGTでレーシングカーとして活躍した。

 その後、ブランド名は他社に渡るなどしていたが、オリジナルコンプリートカーの権利についてはトミーカイラのブランド名とともに、京都大学発の企業であるGLMという会社が継承し、登場したのがZZの電気自動車を発売した。シャシーからオリジナルであり、生産認可を受けたことから12番目の自動車メーカーとして話題になった。

 現在もコンプリートモデルの製造はGLMが行っていて、チューニングカーの開発・製造・販売についてはGTSという会社が、それぞれトミーカイラのブランドで行っている。いずれにしても、ふたりの開発者が起業した個性あふれるメーカーは紆余曲折ありつつも、現在も名を残していることは覚えておきたい。

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みんなのコメント

10件
  • ZZのカタログを持っています。薄いカタログですが市販への意気込みを感じます。今でも近くの峠でたまに見かけるが本当に走るだけに特化した車ですね。
    ガライヤは一度だけナンバー付きをパーキングエリアで見たがどうやってナンバーを取得したのでしょう?ガライヤもイギリスからの輸入の形をとったのかな?
  • まだ京都に会社があった頃に試乗をしたことがあります。あぶり餅で有名な神社の前の道をぶっ飛ばしてもらって、早かった記憶があります。ロータスエリーゼのようなフィーリングがありました。もちろんカタログも持っていますが、当時は京都宝ヶ池に童夢の本社もあり、こちらは座席に座らせてもらった記憶があります。今となっては貴重な体験をさせてもらったと思っています。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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