FIA 世界耐久選手権(WEC)にトヨタガズーレーシングから参戦する小林可夢偉は、2022シーズンよりチーム代表を兼任している。
プレイングマネージャーとしてはルーキーイヤーとなった小林可夢偉が、参戦するWEC、スーパーフォーミュラ、そしてFCVの可能性について大いに語った。
元F1ドライバーがマネジメントも!! 走って分析して指示をして…… 小林可夢偉の現在地と今後
文/段純恵、写真/TOYOTA
■スーパーフォーミュラは甘いカテゴリーじゃない
2022年シーズンのスーパーフォーミュラは2週間の隔離も撤廃され全戦参戦が可能になったが、2年近くテストも参戦もできなかった影響はかなり大きいという
去年の同じ時期に比べたら、出入国はぜんぜん楽になりました。入国時のPCR検査はあるけど2週間の隔離はなくて、おかげで今季はスーパーフォーミュラに全戦参戦できてます。
でもやっぱ、SFはそんな甘いカテゴリーじゃない。正直、この2年近くちゃんとテストも出来ず参戦もできてなかったっていうのは大きいです。今季の流れが良くない原因かな、っていう思いはあります。
それでも今回(第8戦)レースペースは良かったんで見えてきた感じはある。予選でこの方向かなというのが見つかり、その方向でやっていたら決勝も良かった。次戦はもう今季最後の大会なので、全力でトップ争いできるクルマにして、優勝して気持ちよくシーズンを終われるようにしたいって思ってます。
WECでのドライバーとチーム代表の兼任は楽しいというか、やっぱりいろんな責任もあるし、やり甲斐があると言うほうが適切かな。
兼任は大変じゃないですか? ってよく聞かれるけど、まったく知らないものをやってるわけやないから、ある意味、理解しやすいところもあって、すごく難しいって問題じゃない。
チームの運営って、人をどうマネージメントするか、人のモチベーショをどう上げるか、そして応援してくれてる人にどう理解してもらってどう伝えるか。
それがこのスポーツの重要なポイントでもあると思うんで、走る以外の部分でいろいろ考えるべきこと、やるべきことが仕事として一番多いかなって感じはします。
ACOとの交渉には僕が表立って出ることはないんですけど、ミーティングとかには参加して、トヨタとしてどういうふうな方針かってのはしっかり相談させてもらいながら、できるだけベストな考えでトヨタとしてできるようにはやってます。
■僕らが周知することで広がる燃料電池車の可能性
水素燃料電池車(FCV)のトヨタ MIRAI
去年のインタビューで自動車のこの先50年をどう考えるかという話をしたけど、個人的にですが、去年に比べると明らかに水素の可能性ってところに皆さんの理解が進んでいるな、逆にEVの可能性っていう点では前より勢いはなくなってるなというふうに感じます。
もちろん水素自動車(の普及)も遠い先なのは間違いないですし、それを早めるものがあるとしたら、それはたぶん皆さんの理解だと思う。
カーボンニュートラルって自動車メーカーだけがやることじゃなくて、いろんな企業だったりユーザーの人もふくめ、なんで水素を選ぶのか? っていうところを理解しあわないと達成できない。
それを判断をするには、まずは自分たちがいまいる状況、何が本当の現状なのかっていうのをしっかり理解していかないと。その点、それまで知らなかったことを知ったことで、現実的な判断っていうのを理解する人が増えてきてるんじゃないのかなって思います。
いまはまだ一般に市販されている水素のクルマは『ミライ』しかないけど、たとえばファミリーカータイプのシリーズだったりとかいろんな可能性があると思うんです。
自動車だけじゃなくて、FC(フューエルセル)で無音の発電機を作るのもそんなに難しくない。逆になんでいまだにディーゼル使って発電してるんだろう? とか思うんですよね。
ただ、水素の運用は大変です。法律と規制、水素を供給するステーションだったり、そういうところの改善をしていかないと現実的じゃない。
いまはまだ水素を使った発電やFCVについて知らないから遠い先のように感じてる人が多いと思うけど、情報を的確に発信していけばみんなの理解も広がるだろうし、そのために僕らももっと水素の技術面、安全面の理解を深めて周知していかないと。
ル・マンも、耐久レースでありながらもカーボンニュートラルにむけてやっていかないといけないとなった時に、バッテリーではちょっと厳しいんじゃないかなっていうのを感じていて、そういう意味もあってACOは水素のクルマを試験的に作ったりしてる。
僕らもそれはすごく共感してる部分で、そこをしっかりACOと一緒に進めていかないといけないと思ってます。
■ひとりのWECドライバーとして、そしてチーム代表として
WECのピットでモニターをみつめる小林可夢偉。「レース中はドライバーとして自分の気持ちを持ちたい」と語る
WECに話を戻すと、僕自身、やっぱ勝ちたいというつもりで準備はしてます。レースは勝負の世界やから、正直、運転している時だけはドライバーとして自分の気持ちは持とうと思ってる。
とはいえ、タイトル争いを考えると、僕が乗ってる7号車はかなり厳しいのが現実なので、ル・マンで優勝して現在ランキング2位にいる8号車が富士でも勝てるようにはしたい。チーム代表として、チームとして結果を残すってのは、そういう判断も必要かなっていうふうに考えてます。
とにかく、3年ぶりに富士でWECが開催されるってことと、ハイパーカーを初めて富士で走らせられるということで、たくさんのお客さんにレースをみていただきたいし、観に来たお客さんが盛り上がるレースをして、WECというカテゴリーを注目してもらえるようにしたい。
「耐久レースって面白いな」っていうふうにまず伝わって欲しいなって思います。いまある状況でどういうことをすれば知ってもらえるか、楽しく見てもらえるかを関係者一同、頑張って考えて発信してるけど、いかんせん3年ぶりのことなので、どうすればいいのかわからない部分もある。
やっぱり、何ごとにおいても継続するっていうところがすごく重要なのかなっていうふうに、個人的には感じてます。
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