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熟成度を増した2代目 スバルBRZへ英国試乗 秀逸なエンジンとシャシーを買うクルマ

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熟成度を増した2代目 スバルBRZへ英国試乗 秀逸なエンジンとシャシーを買うクルマ

足まわりやECUでブランド間の差別化

フロントエンジン・リアドライブの小柄なクーペとして、2012年に発売された初代スバルBRZは、初代トヨタ86の双子の兄弟といえた。2代目も共同開発されているが、今回は英国人にとって残念な事実がある。スバルのディーラーでは購入できないのだ。

【画像】熟成の2代目 スバルBRZ 双子の兄弟 トヨタGR86 国産スポーツモデルと比較 全172枚

トヨタGR86への英国の試乗レポートは、先日ご紹介したとおり。素晴らしい体験を味わわせてくれた。では、BRZはどのように違うのだろうか。少なくとも、販売価格はわずかに異なるようではあるが。

ちなみに、欧州試乗へ導入されるBRZの数は300台のみ。あっという間に売り切れたらしい。

初代の86とBRZの差は、非常に限定的だった。内容が良かっただけに、悪いことではなかったけれど。2代目ではその違いを強調したと、スバルの開発技術者は説明する。GR86はアグレッシブに、BRZは上質に、個性付けしたという。

その違いは、サスペンションやステアリング、エンジンを制御するECUなどのチューニングで与えられている。リアスタビライザーのマウントも異なるそうだ。足まわりの部品では、軽量なアルミニウムをGR86より多用してもいる。

ただし、明確な差異ではないとも技術者は話す。説明を聞くより、運転しながら感じ取った方がわかりやすいとも。筆者は感じ取ることができるのか、プレッシャーがゼロではなかった。

一歩熟成されたBRZ 発進直後に気付く違い

今回試乗できたBRZは、欧州市場向けに調整を終えたもの。コースはスペイン・マドリード郊外に位置する、テストコースに限られた。

実際にステアリングホイールを握ってみると、2台の違いへ気づくのに時間は不要だった。直接乗り換えてみれば、発進直後の数m、ステアリングホイールの最初の操舵、1つ目の凹凸を越えただけで実感できる。

新しいGR86は、初代に通じる興奮はそのままに、より成長したスポーツカーだと感じさせる。対するBRZからは、さらに一歩熟成された印象を受ける。

走行時の落ち着きや乗り心地は良くなり、ステアリングホイールは手のひらへの感触を失うことなく、若干重みを増している。コーナーではボディロールが少ない。確かに熟成度が増し、ポルシェで得る印象にも近づいたといっていい。

高速バンクカーブで路面の段差を通過すると、GR86では頭が天井方向へ大きめに揺さぶられる。BRZではその上下動が明らかに小さい。

といっても、スポーツカーとしての本質的な特徴は、遠く離れてもいない。GR86と同様に、低いフロントノーズへ収まるのは2.4L自然吸気の水平対向エンジン。先代の2.0Lから遥かに力強さを増し、扱いやすさも拡張されている。

サウンドも磨かれた。滑らかに変速できる6速MTと、重めのクラッチペダルという組み合わせも素晴らしい。両方の手足を使い切って運転できるモデルは、現在では限られる。そしてこれは、GR86にも共通する特長でもある。

秀逸なエンジンとシャシーを買うクルマ

今回の試乗では、コーンが並べられたコンクリート舗装のコースも用意されていたが、そこでのBRZは水を得た魚だった。スラロームへ2速で侵入すれば、アクセルペダルの加減で面白いほどオーバーステアは自在。

タイヤサイズが拡大されグリップ力も高められたことで、初代よりテールを振り回せる速度域は高い。それでも、クルマ好きにとってのテーマパーク状態だった。

やや新鮮味に欠けるデザインや質感のインテリアも、GR86と同様。目には見えない部分へ開発コストが投じられた現れでもあり、運転好きとしては安心できるポイントでもあるだろう。

もちろん、ドライビングポジションは低くパーフェクト。BRZは、秀逸なエンジンとシャシーを買うようなクルマといえる。それ以外は、不備なく一式が付いてくるだけで充分だ。

熟成された2代目BRZは、先述の通り英国では購入できない。トヨバルという愛称も得た貴重なFRスポーツカーだが、既に欧州市場全体では完売状態にある。

欧州のスバルは明言を避けているが、2024年7月から施行される新しい安全規制によって、それ以降は販売できないことも明らか。既に門戸が閉ざされてしまったという事実が、残念でならない。

○:艷やかな乗り心地に組み合わされた、見事なシャシーと強力なエンジン
△:低速域での操縦性は初代の方が魅力的。インテリアはもう少し上質でも良かった

スバルBRZ(欧州仕様)のスペック

英国価格:未導入
全長:4265mm
全幅:1775mm
全高:1310mm
最高速度:225km/h
0-100km/h加速:6.3秒
燃費:11.4km/L
CO2排出量:200g/km
車両重量:1276kg
パワートレイン:水平対向4気筒2387cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:234ps/7000rpm
最大トルク:25.3kg-m/3700rpm
ギアボックス:6速マニュアル

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みんなのコメント

12件
  • つねに僻んだ言葉しか出せないんだろう。
    相手の上に立つためにはどのようなコメントをすればいいのか、どのような事を言えばマウントを取れるのかしか考えてない。
  • 内装は商用車レベルのあっさりした感じだけどこれだけ安いなら仕方ないかな
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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