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衝撃のデビューから10年、いま明らかになってきたマクラーレン P1の秘密

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衝撃のデビューから10年、いま明らかになってきたマクラーレン P1の秘密

2023年3月、「公道とサーキットの両方で世界最高のドライバーズカー」となることを目指して誕生したマクラーレンP1が、デビュー10周年を迎えた。高性能ハイブリッドカーの記念碑的モデルとして今なお語り継がれている驚愕のハイパーカーは、いったいどんなクルマだったのか。振り返ってみよう。

目指したのは「公道でもサーキットでも世界最高のドライバーズカー」
マクラーレンP1は、MP4-12C、MP4-12C スパイダーに続く第3のモデルとして2012年のパリオートサロンでワールドプレミア。翌2013年のジュネーブ国際モーターショーで正式に発表された。

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P1は「公道でもサーキットでも世界最高のドライバーズカー」を目指して誕生し、デザインや技術仕様はそれを実現するために決定されたモデルで、「P1」という車名はレースのピットサインで使われる「Position1(ポジション1)」、つまり「1位」であることを示している。

パワートレーンは最高出力737psを誇る3.8LのM838TQ型ツインターボV8エンジンに、最高出力179psのモーターと合わせたハイブリッド。システム最高出力は916ps、最大トルク900Nmに達していた。バッテリーはコクピットの後ろに搭載され、スロットルオフ時にエンジンから充電されるほか、外部充電も可能だった。

ここから生まれるパフォーマンスは今でも驚愕のレベルで、0→100km/h加速は2.8秒、最高速は実に350km/hというスペック。電動化と先進のターボテクノロジーで、トルクギャップのない瞬時のスロットルレスポンスも実現していた。

常識破りの軽量化とF1マシン譲りのエアロダイナミクス
このパフォーマンスの秘密は、マクラーレンの代名詞である「ライトウエイト」と「エアロダイナミクス」にもあった。

マクラーレンP1のコアテクノロジーは、ルーフも含むカーボンファイバー製モノコックの「モノケージ」で、これはマクラーレンのスーパーカー12Cで使われた構造「モノセル」の発展形だった。一体成形のフロントパネルとリアパネルが中央のモノケージに取り付けられ、1つの大きなクラムシェルを構成。駆動用バッテリーも重量わずか96kgで、カーボンファイバー製モノケージ内部の低い位置に搭載されている。

また、軽量化のためガラスも新たに開発され、ルーフの超軽量ガラスは化学的処理による強化で2.4mmの薄さを実現。フロントガラスは厚さわずか3.2mmで、12Cのものより3.5kgの軽量化を成し遂げていた。マクラーレンP1にはフロアカーペットも遮音材もなかった。

エアロダイナミクスでは、大型リアウイングにマクラーレンF1チームと同じソフトウェアと手法を駆使して開発されたDRS(ドラッグリダクションシステム)が取り入れられ、直線ではダウンフォースを抑えてスピードを獲得し、コーナーではダウンフォースを得るように自動で調整された。

マクラーレンP1は発表と同時に大きな反響を呼び、発表からわずか1カ月で限定375台すべてのオーナーが決定した。375台のうちの最初の1台はアイスシルバーのカラーで仕上げられ、2013年9月に完成。最後の1台は2015年12月に完成 、鮮やかなパールセントオレンジのボディカラーは「ヴォルケーノ・オレンジ」として、その後、他のマクラーレンモデルでも指定できるようになった。

マクラーレンP1はマクラーレンの歴代モデルの中でもアイコニックな存在で、今もなお公道とサーキットの両方で信じられないほどエキサイティングな名車であり続けている。そしてそのドライビングの一体感を電動化によって強化したコンセプトは、最新のスーパーカー「アルトゥーラ」に継承されている。

マクラーレン P1(2013年) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4588×1946×1188mm
●ホイールベース:2670mm
●乾燥重量:1395kg
●パワーユニット種類:90度V8 DOHCツインターボ+モーター
●排気量:3799cc
●エンジン最高出力:737ps/7500rpm
●エンジン最大トルク:720Nm/4000rpm
●モーター最高出力:179ps
●モーター最大トルク:260Nm
●駆動方式:MR
●トランスミッション:7速DCT
●タイヤサイズ:前245/35ZR19、後315/30ZR20

[ アルバム : マクラーレン P1(2013年) はオリジナルサイトでご覧ください ]

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