はじめに
W213ことメルセデス・ベンツの現行Eクラスは2016年の登場時、メルセデス的には、これまでに生産したうちでテクノロジー的にもっとも先進的なクルマだった、ということになる。
【画像】メルセデス・ベンツEクラス・カブリオレとライバル 全16枚
それから5年を経て、このクルマがどのように歳を重ね、プラットフォームがどのように現在の環境に順応し、かつての先駆者が、ボンネットの下もキャビンもどれほどうまくアップデートして新鮮さを保っているのか、今回はそれを確かめたい。
それは、シュツットガルトの高級車メーカーにとっても一大事だろう。なにしろEクラスは、彼らにとってのまさしくベストセラーカーで、グローバルなマーケットを見渡しても、最重要モデルのひとつに数えられるのだから。
このクルマが登場した5年前、メルセデスは最先端の運転支援技術と、最高レベルの高級感をここに投入した。半自動運転で車線維持をアシストするドライブパイロットの初期採用車種に、現行Eクラスも含まれる。また、インテリアに備わった伝統的な高級感や上質さで、これに追いすがろうというライバルもほとんどいないだろう。
このEクラスが、昨年ビッグマイナーチェンジを受けた。まずはセールスの主流となるセダンとワゴン、それから多少の間を置いて、ラインナップの中でもニッチなモデルが改良版へと移行した。それこそ、今や欧州でも希少種となった、比較的手頃で、大通りを流すような乗り方が似合う高級4座コンバーティブル、今回のEクラス・カブリオレである。
意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
メルセデスは、21世紀的な雰囲気のクルマ造りをするメーカーで、Eクラスもその流れに沿っている。なめらかでフラットなLEDヘッドライトとジュエルのようにキラキラしたテールライトが、最近のアップデートで与えられた。同時に、新デザインのグリルとバンパー、ドーム状の盛り上がりがふたつ設けられたボンネットも備わり、ビジュアルにダイナミックさが増した。
メカニズム面で追加されたニュースは、プラグインハイブリッドの設定だ。セダンやワゴン、ガソリン+電力とディーゼル+電力、後輪駆動と四輪駆動を合わせれば、7タイプにものぼる。
クーペとカブリオレにPHEVは設定されなかったが、新たなエンジンが用意された。2.0L直4ガソリンターボに48Vマイルドハイブリッドアシストを組み合わせたものである。テスト車のE300に搭載された、コードネームM254がまさにそれだ。
このM254型ガソリンユニットは、メルセデスがほかの4気筒や6気筒で先行して導入してきた主要なパワートレイン技術を詰め込んでいるという。
ツインスクロールターボの一種であるセグメントターボチャージャーをはじめ、第2の小型電動ターボチャージャー、円錐シリンダーボア、シリンダーをコーティングするナノスライド、そして排ガス後処理システムの近接設置など。これらによって、より効率的な運転を可能にしている。
E300では、このエンジンは最高出力259ps、最大トルク37.7kg-mを発生する。最大トルクの発生回転数は1650rpmからだ。さらに必要とあれば、ハイブリッドアシストが瞬間的に15.3kg-mのトルクを発揮する。
メルセデスがCLKに代えてEクラス・クーペ/カブリオレを復活させたのは、もう10年ほど前のことだ。その第1弾はCクラスのプラットフォームがベースだったが、それに続く現行モデルで正真正銘のEクラスとなった。
ただし、生産拠点はEクラスの主力モデルと同じジンデルフィンゲン工場へは移さず、ブレーメン工場内の特別ラインを使い続けた。それでも、社外に生産委託をせず、ほかの市販モデルと同じ施設で製造しているカブリオレは今や珍しい。
英国仕様のEクラス・カブリオレは、4気筒と6気筒のガソリンとディーゼルを用意し、435psのマイルドハイブリッドを積むAMGの53がトップグレードとなる。4WDは6気筒に標準設定、4気筒ディーゼルのE220dではオプションで選択できる。しかし、エントリーモデルである今回のE300は後輪駆動のみだ。
いずれのモデルも、トランスミッションは9速AT。前後マルチリンクのサスペンションも全車共通で、AMG 53以外はスティールのコイルスプリングと、パッシブのフリークエンシー・セレクティブダンパーを装着する。
内装 ★★★★★★★★☆☆
ライバルの多くがこの10年ほどでカブリオレ市場から撤退した中、メルセデスはそれを造り続けたばかりか、先代Cクラスの生産が終わるまでは2車種を用意していた。Eクラスはそのうちの大きいほうなので、必然的に実用性でも上回る。
電動ルーフを搭載し、それをキャビンの背後にすっきり収めなければならないので、パッケージングは妥協が避けられず、同じEクラスでもキャビンはセダンほど広くない。それでも、後席は大人が乗るのに十分なスペースがある。
もし、はじめてコンバーティブルに乗るなら、後席の絶壁な背もたれや、両脇が絞り込まれた空間に驚くだろう。乗員はやや中央寄りに座らされることになる。しかし、それを許容して、乗り降りの面倒さを無視しても、身体の小さい大人であっても快適に過ごせるのは短距離だけだ。
ルーフを閉じると、後席は閉塞感が強く、視界はかなり乏しい。さらに、吹き込む風に悩まされ、腹立たしく思うこともしばしばある。それでも、まずまずの広さがある。それだけでも、4座カブリオレとしてはレアだ。
前席は、2面ディスプレイのレイアウトやジェットエンジン風の送風口、上面を覆われたロータリー式のインフォテインメント入力デバイスなどが、メルセデスがその時点のインテリアデザインを超えようと躍起になっていた頃の作品であることを思い出させる。それらは、喜ばしい要素だ。
しかし、ダッシュボードや運転環境の見た目にも感覚にも、大きな間違いがないというのもまた事実だ。さまざまなシステムやテクノロジーを扱うのは簡単で、全体から魅力的な高級感が漂う。
ドライバーズシートは、使いやすい高さだ。走りにこだわるクルマなら、もっと低く座りたいところだ。しかし、スポーティさを追求しない高級クルーザーには、実用的な形状で快適なシートはぴったりだ。
ヒーターは内蔵するが、クーリングやマッサージはオプションでも用意されない。豪華でリラックスできるオープンカーには、設定してほしかったアイテムなのだが。
積載性についていえば、トランクルームはワイドで奥行きもあり、そこそこ大きいスーツケースふたつと、ひとつかふたつのソフトバッグを積み込めるだろう。ただし、この手のコンバーティブルの宿命として、ルーフをたたむとかなりの容量が食われてしまう。高さ方向は250mmも侵食されるのだ。
走り ★★★★★★★★☆☆
パフォーマンスのテストは秋雨の降る中だったが、これは英国でコンバーティブルを所有すると直面する現実を要約しているといえる。しかしこのクルマは、チャレンジをためらいなくこなした。
0−100km/hの公称タイムは6.6秒というが、この1780kgの後輪駆動コンバーティブルは、水が浮いた路面での0-97km/hで7秒フラットをマークした。グリップもトラクションも、4WDではやりすぎではないかと思えるくらいのものがあった。
走り出すと、期待通りのしなやかさで、じつになめらか。運転にも没頭できる。急き立てられる感じもぶっきらぼうさもなければ、トランスミッションもエンジンも印象は決して強くないのだが、遅さを感じさせることもない。
追い越し加速を試みて、スロットルペダルを軽く踏み足すと、低回転から豊富な駆動トルクが湧き上がる。しかも、エンジンが力を発揮する前には、マイルドハイブリッドの電気モーターがほぼ瞬時に動力を発生し、間をつないでくれる。
このエンジンの主な強みは、機械的な洗練性とドライバビリティだ。メルセデスはデジタル的にエンジン音を添加しているが、それが一番魅力的なサウンドではない。5000rpm以上回るが、そこは真価を期待するところではない。
そこそこハードに走らせても静かで、スムースで、しつけが行き届いている。この大きな質量のEクラスが十分すぎるほど威厳ある走りを見せ、これが下位グレードのエンジンを積んでいるということを忘れさせるほどだ。
9速ATのキックダウンがややスローに感じられ、シフトパドルを積極的に使いたいとは思わせないだが、変速そのものはスムースで、Dレンジに入れたまま速度を上げたいときにも適切にギアを選んでくれる。
対面通行の道でオーバーテイクをかけるような場面では、うまく順序立てて、あらかじめシフトダウンしてうまくこなしてくれる。だが、ゆったりと和やかに、楽しく流すような走りは、さらに申し分ない。しかも、うれしいくらいに燃費もいい。その点については、追って詳しく説明しよう。
使い勝手 ★★★★★★★★☆☆
インフォテインメント
計器版とインフォテインメントシステムの12.3インチディスプレイ2面を一体化したデザインは、メルセデスの現行モデルにおおむね行き渡った。もちろん、SクラスやEQSには、さらに新しいシステムが搭載されている。
しかし、使いやすさや鮮明でカラフルなグラフィック、実体ショートカットの多さが好みなら、このシステムが時代遅れに感じることはないはずだ。また、タッチパッドよりロータリー式の入力デバイスが好みなら、クーペではなくコンバーティブルを選びたくなるだろう。
というのも、トランスミッショントンネル上にソフトトップの操作スイッチを配置するために、コンバーティブルは旧式の入力ダイヤルをそのまま使っているからだ。
このシステムにはネットワーク式ナビゲーションやワイヤレス充電デバイス、AppleとAndroid双方のスマートフォンに対応するミラーリング機能、フル音声入力を標準装備する。
テスト車には、ブルメスター製のサラウンドオーディオシステムが、ナイトエディションパックの一環として装備されていた。サウンドのパワーと忠実度はかなりのものだ。
また、マイナーチェンジでARナビゲーションが追加された。ただし、ヘッドアップディスプレイではなく中央の画面上に表示されるので、やや邪魔に感じるかもしれない。
燈火類
アダプティブ機能を備えて、フルLEDのヘッドライトとテールライトは標準装備。明るく、的確な方向を照らし、自動減光はすばやい。
ステアリングとペダル
ペダルのポジションは真っ当で、ちょうどいいサイズの滑りにくいパッドが装着されている。ふたつのペダル面は高さが合っていて、踏み換えがしやすい。
操舵/安定性 ★★★★★★★☆☆☆
Eクラス・カブリオレのシャシーは、パワートレインと同様に、好ましいシンプルさと、シングルスピード的なキャラクターの持ち主だ。よりゆったりとした走りを好むドライバーに向いているクルマだといえる。
遅滞なく素早く動くかもしれないが、上り下りのあるB級道路では、制限速度付近でボディコントロールの不足を見せはじめるだろう。連続するタイトなコーナーを攻めると、ゆるやかに外輪側へもたれかかり、穏やかなアンダーステアへソフトに移行していく。
ゴツゴツして、あちこちくぼみのある田舎道では衝撃音が出て、サスペンションにかかる圧が高まるにつれアンダーボディ越しにやや反響しはじめ、心地よく吸収してくれることはない。
それでも問題はない。走りにおいてなにを優先しているのかが明確で、どのように走るのがベストか教えてくれるクルマは、理解するのが楽だ。このクルマが得意とするリラックスしたドライビングをすれば、気楽で、穏やかで、味わい豊かな走りで応えてくれる。
軽く、インフォメーションが伝わってこない操縦系は、ドライバーに多くを要求せず、ほどよいペースのステアリングは穏やかなシャシーのレスポンスが反映されている。ただし、複雑な路面を駆け抜けても、車体の動きが嵐に遭った船のように波打つことはない。
根幹にはドイツ車らしいシリアスさがほどよく感じられ、ボディコントロールには高速道路の高い速度域できっちり抑え込み、A級道路では十分に落ち着かせ一定させるだけの自制が効いている。
路面がスムースでゆるやかなカーブが続くような道では、本気で探れば後輪駆動らしいハンドリングのキャラクターがわずかながらも見て取れるが、それにはボディにかなり多くの動きを強いることになるだろう。しかも、スタビリティコントロールを切らない限り、メルセデスの電子制御がじつにうまく覆い隠してしまう。
それより、はやる気持ちを抑えてルーフを開け、景色を楽しみながらもっと落ち着いて分別のあるペースで走るほうが、このクルマの乗り方としてははるかにいい。
快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆
テストしたE300カブリオレは、低速ではおおむねソフトでしなやか。波長の長い入力をうまく吸収していた。尖った突き上げには苦戦していたようだが、これはタイヤとホイールにも原因がある。
英国仕様は、AMGラインのみの設定で、標準仕様は19インチ、今回のナイトエディションでは20インチが装着される。さらに、どちらのサイズでもタイヤはランフラットだ。
ホイール以外にも興味を惹くアイテムはあるだろうが、クルージング重視のオープンカーがほしいのであれば、ナイトエディションは選ばないことを強くおすすめする。20インチホイールとリアの30タイヤが引き起こすドタバタした乗り心地は、このクルマの全体として洗練されたキャラクターに見合わない。
さらにいえば、バネ下重量がまったくもって度を越してしまうので、乱されたアクスルがボディ構造部にまで明らかにストレスをかけ、荒れた道では車体を余計に揺すってしまう。
スカットルシェイク自体はさしたる問題ではないのだが、路面によってはシートや内装が奇妙に揺すられ音を立てることがあり、タイトなコーナーではシャシーのねじれも感じる。フロントに対して、リアがほんの一瞬ながら遅れるのだ。もっとも、こうした動的な欠点は、大型カブリオレにはつきものなのだが。
風音やノイズの遮音性はすばらしい。トップを閉めた際にも、布のフードのバタつきは最小限だ。オープン時には、フロントウインドウフレーム上のディフレクターと後席背後の電動ドラフトストップからなるエアキャップがわずかに風切り音を発するが、サイドウインドウを上げておけば、高速道路でも風の巻き込みは少ない。
購入と維持 ★★★★★★★★★☆
Eクラス・カブリオレの直接的なライバルは減少が続いていて、はっきりとしたポジショニングができている。シュツットガルトは今回取り上げた最新版の値付けを、BMW4シリーズ・コンバーティブルやアウディA5カブリオレに対抗するものとした。
このライバル2台に対し、メルセデスはネーミングの妙で優っている印象を与えている。また、2台とも4シーターとしてのスペースについては、Eクラスに肩を並べるものではない。
本当に実用的な4座カブリオレは、かなり上のクラスでも得難い存在だ。ポルシェ911やレクサスLCといったスポーティモデルのオープン版だと、後席はあくまで緊急用といったレベル。しかし、このEクラスなら、それらよりずっと広い。
BMW8シリーズ・コンバーティブルはこれよりやや広いが、価格はずっと上だ。となれば、後席をちゃんと使えるオープンツアラーがほしいなら、まさしくEクラスはスイートスポットなのだ。
燃費もまた、その高評価を汚すことはない。今回のテストでの平均11.8km/Lと、英国の高速道路で一般的な113km/h巡航での15.9km/Lというデータは、259psで1.8tのプレジャーボート的なクルマとしては悪くない。
これよりなめらかなボディラインで空力に優れ、ウェイトも軽いEクラスのセダンに同じエンジンを積み、今回のカブリオレより小さいホイールを履かせれば、18km/L近い数字が出せそうだ。
スペック
レイアウト
高級車の伝統ともいうべき縦置きFRレイアウトで、エンジンは4気筒。ATギアボックスはフロントに搭載される。
サスペンションは前後ともマルチリンクで、スティールのコイルスプリングと、フリークエンシー・セレクティブダンパーを備える。
エンジン
駆動方式:フロント縦置き後輪駆動
形式:直列4気筒1991ccツインターボチャージャー、ガソリン、48Vハイブリッドアシスト
ブロック・ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ83.0×92.0mm
圧縮比:10.5:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:259ps/5500-6100rpm
最大トルク:37.7kg-m/1650-4000rpm
エンジン許容回転数:6250rpm
馬力荷重比:145ps/t
トルク荷重比:21.2kg-m/t
エンジン比出力:130ps/L
ボディ/シャシー
全長:4844mm
ホイールベース:2873mm
オーバーハング(前):851mm
オーバーハング(後):1120mm
全幅(ミラー含む):2060mm
全幅(両ドア開き):4250mm
全高:1430mm
全高(トランクリッド開き):1550mm
足元長さ(前席):最大1120mm
足元長さ(後席):最大650mm
座面~天井(前席):最大1020mm
座面~天井(後席):980mm
積載容量:385L
構造:アルミモノコック
車両重量:1780kg(乾燥重量・公称値)/-kg(実測値)
抗力係数:0.28
ホイール前/後:8.0Jx20/9.0Jx20
タイヤ前/後:245/35 R20 95Y/275/30 R20 97Y
ミシュラン・パイロットスポーツ3 ZP
スペアタイヤ:なし(ランフラットタイヤ)
変速機
形式:9速AT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:5.35/7.7
2速:3.24/12.7
3速:2.25/18.3
4速:1.64/25.3
5速:1.21/34.1
6速:1.00/41.4
7速:0.87/47.5
8速:0.72/57.5
9速:0.60/68.9
最終減速比:3.07:1
燃料消費率
AUTOCAR実測値:消費率
総平均:11.8km/L
ツーリング:15.9km/L
動力性能計測時:5.0km/L
メーカー公表値:消費率
低速(市街地):8.7km/L
中速(郊外):11.7km/L
高速(高速道路):13.9km/L
超高速:12.4km/L
混合:12.0km/L
燃料タンク容量:66L
現実的な航続距離:781km
CO2排出量:190g/km
サスペンション
前:マルチリンク/コイルスプリング、スタビライザー
後:マルチリンク/コイルスプリング、スタビライザー
ステアリング
形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.4回転
最小回転直径:11.4m
ブレーキ
前:342mm通気冷却式ディスク
後:300mm通気冷却式ディスク
制御装置:ABS、EBD、ブレーキアシスト
ハンドブレーキ:電動、ステアリングコラム右側にスイッチ設置
静粛性
アイドリング:43dBA
全開時(3速):80dBA
48km/h走行時:59dBA
80km/h走行時:63dBA
113km/h走行時:67dBA
安全装備
ABS/ESP/プリセーフ/ABA
Euro N CAP:テスト未実施
乗員保護性能:成人-%/子供-%
交通弱者保護性能:-%
安全補助装置性能:-%
発進加速
テスト条件:雨天/気温17℃
0-30マイル/時(48km/h):2.8秒
0-40(64):3.9秒
0-50(80):5.3秒
0-60(97):7.0秒
0-70(113):9.1秒
0-80(129):11.7秒
0-90(145):14.6秒
0-100(161):18.5秒
0-110(177):23.1秒
0-120(193):29.1秒
0-402m発進加速:15.7秒(到達速度:149.7km/h)
0-1000m発進加速:28.4秒(到達速度:191.5km/h)
ライバルの発進加速ライバルの発進加速
アウディA5スポーツバック 2.0 TFSI 252 クワトロSライン(2017年)
テスト条件:凍結路面/気温−1℃
0-30マイル/時(48km/h):2.1秒
0-40(64):3.1秒
0-50(80):4.3秒
0-60(97):5.7秒
0-70(113):7.4秒
0-80(129):9.5秒
0-90(145):11.9秒
0-100(161):15.1秒
0-110(177):19.1秒
0-120(193):24.4秒
0-402m発進加速:14.4秒(到達速度:158.0km/h)
0-1000m発進加速:26.4秒(到達速度:198.4km/h)
中間加速
20-40mph(32-64km/h):2.3秒(2速)/3.3秒(3速)
30-50(48-80):2.7秒(2速)/3.1秒(3速)/4.3秒(4速)/6.3秒(5速)
40-60(64-97):3.2秒(3速)/4.4秒(4速)/6.0秒(5速)/7.5秒(6速)/10.0秒(7速)
50-70(80-113):3.7秒(3速)/4.5秒(4速)/6.2秒(5速)/7.7秒(6速)/9.3秒(7速)/13.2秒(8速)
60-80(97-129):4.8秒(4速)/6.6秒(5速)/8.2秒(6速)/10.1秒(7速)/13.1秒(8速)
70-90(113-145):5.5秒(4速)/7.1秒(5速)/8.8秒(6速)/11.0秒(7速)
80-100(129-161):7.7秒(5速)/9.7秒(6速)/12.3秒(7速)
90-110(145-177):8.9秒(5速)/10.9秒(6速)
制動距離
テスト条件:雨天/気温17℃
30-0マイル/時(48km/h):10.5m
50-0マイル/時(64km/h):29.2m
70-0マイル/時(80km/h):58.2m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:3.41秒
ライバルの制動距離アウディA5スポーツバック 2.0 TFSI 252 クワトロSライン(2017年)
テスト条件:凍結路面/気温-1℃
30-0マイル/時(48km/h):8.9m
50-0マイル/時(64km/h):24.0m
70-0マイル/時(80km/h):46.1m
各ギアの最高速
1速:48.3km/h(6250rpm)
2速:80.5km/h(6250rpm)
3速:114.3km/h(6250rpm)
4速:157.7km/h(6250rpm)
5速:214.0km/h(6250rpm)
6速:249.4km/h(6039rpm)
7速:249.4km/h(5254rpm)
8速:249.4km/h(4348rpm)
9速(公称値):250.0km/h(3623rpm)
9速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):1636rpm/1870rpm
結論 ★★★★★★★☆☆☆
E300カブリオレは、2021年の路上で見かけるような類の高級車とは、なんとなく違っている。上品で、洗練され、控えめで、実用性が高い4座コンバーティブルという求められる役割からすると、不思議なくらい古風なところがある。それが好ましいのではあるが。
Eクラスに投入された最新の4気筒は、E300をこれっぽっちもおとしめることはなく、くつろいで乗るオープンカーにふさわしい性能と上質感を示した。たとえそのドライビング体験が、いつまでも胸に秘めておきたくなるようなものではないとしてもだ。
シャシーはときとして構造そのものからくるふらつきという悪癖を見せるが、全体的には穏やかなドライビングスタイルの基礎としていい仕事をしてくれる。ただし、20インチホイールとロープロファイルタイヤを選ばなければ、という条件付きだが。
デザインは衝撃を受けるようなものではなく、その点では走りのほうもまた同じだ。しかしこれは、その円熟味や控えめな贅沢さで、さわやかな日の楽しいドライブを豊かにしてくれるようなクルマである。エキサイティングでドラマティックな演出をしようとするものではない。
その際に、なにが必要か明確にできていない高級車は、おそらくなにかが足りないと感じさせる。そんなことを思わせるクルマだ。
担当テスターのアドバイス
マット・ソーンダースメルセデスは、車内のムードづくりをするエナジャイジングコーチをアップデートした。気分を盛り上げたり、落ち着かせたり、いろいろしてくれるシステムだ。EクラスPHEVにはパワーナップ、つまり短い仮眠というモードがあるらしい。休憩中に、子守唄でも歌ってくれるのだろうか。そんなもので眠くはならないだろうが。
イリヤ・バプラートボディカラーの選択肢が少ない。実際、このクルマを買うなら、モノトーンよりレッドやブルーやグリーンといったいくつかの色のほうがニーズがありそう。グレーのコンバーティブルなんて売れそうもない。
オプション追加のアドバイス
おすすめはAMGライン・プレミアム。サドルブラウンのレザーと、ダークレッドのソフトトップを選びたい。ディーラーオプションでは、メルセデスのロゴが入ったピクニックセットと保冷ボックスを付けたい。
改善してほしいポイント
・ラインナップ拡大を。猫も杓子もAMGライン好き、というわけではない。
・カラーやデコレーションの選択肢が少ない。また、運転席周りにもう少し質感の高いマテリアルを使えば、より高級感が向上するはずだ。
・パワートレインのレスポンスをもっとシャープに。そして、もっとNVHを感じさせない乗り心地を。
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