2023年4月の上海モーターショーで、トヨタは前年に発表していたBEV第2弾モデルのbZ3を初披露した。今回、北京市郊外でbZ3の実車に試乗したベストカーWeb編集部員がレポートをお届けしよう!
文/ベストカーWeb編集部・渡邊龍生、写真/mewcars編集部
本邦初レポート! トヨタBEVセダン「bZ3」は想像以上の仕上がり!! トヨタ第2弾BEV中国試乗でわかったこと
■トヨタとBYD、一汽トヨタがコラボして開発
トヨタBEV第2弾モデル、セダンのbZ3。今のところ、中国市場専売モデルとなっている
さて、今回中国現地で試乗できたモデルのなかで特に注目していたのは今回紹介するトヨタbZ3。このbZ3、トヨタ初のBEVであるSUVのbZ4Xに続いて2022年10月に発表されたセダンタイプのEVだ。
トヨタとBYDが合弁で設立した「BYDトヨタEV TECHNOLOGY カンパニー有限会社」(BTET)と一汽トヨタ自動車有限会社(一汽トヨタ)が共同開発したモデルで、一汽トヨタで生産・販売されている。
そもそも中国市場が世界最大のBEV市場となっていることからトヨタとBYD、そして一汽トヨタの3社がコラボしてトヨタのデザイン、生産、技術、品質管理等の分野から100名以上のエンジニアが参画し、BYDや一汽トヨタのエンジニアと一体になった開発体制の下で生まれている。
つまり、bZ3は当初から中国市場をターゲットに開発されたBEVだということがbZ4Xとは違うことがおわかりいただけるだろう。
■bZ4Xを超える最長航続距離600kmをマーク!
bZ3にはBYDのリチウムイオンLFP電池(リン酸鉄リチウムを使用)をベースに、トヨタが長年HEV開発を通じて蓄積してきた電動化技術と経験を融合した電動システムを採用
その開発に当たっては「電、動、車」という3つの角度から、斬新な体験を提供することを目的としている。搭載されている電動システムは、BYDのリチウムイオンLFP電池(リン酸鉄リチウムを使用)をベースに、トヨタが長年HEV開発を通じて蓄積してきた電動化技術と経験を融合し、電池構造、冷却システム、制御システムと安全監視システムを新たに設計し、高品質で高効率、先進的でかつ安心・安全な電動システムとしている。
また、電池の耐久性についてはトヨタの電動化技術により、「10年後でも90%の電池容量を維持すること」を開発目標に電池劣化抑制に努めているという。その最長航続距離は600km(中国CLTCモードで616km)を超えており、bZ4Xが満充電(WLTCモード)4WDで最長540km、FWDモデルで559kmであることを考えればかなりの実用性を持っていることがわかる。
bZ3は「e-TNGA」採用による低重心で優れた操縦安定性で意のままに気持ちいい走りを身上としている。ドライビングポジションは筋肉への負担が少ない姿勢とし、遠距離運転の疲労軽減に貢献することで、運転をさらに楽しむことができるというものだ。
「走る」「止まる」「曲がる」という走りの特性には、トヨタがこれまで80年以上のクルマ作りの経験や、モータースポーツで培ってきたノウハウを活用。アクセル、ブレーキ、ステアリング作動特性を最適にチューニングし、運転者にも同乗者にも気持ちのいい乗り心地を実現したという。
■空力的にも優れているbZ3
bZ3のフロントマスクにはbZ4Xなどシリーズの特徴的なハンマーヘッド形状を採用している
デザイン面では車両のフロント部にbZシリーズの特徴的なハンマーヘッド形状を採用し、BEV専用パッケージによるロングホイールベースとファストバックのロングキャビンを組み合わせた伸びやかなサイドシルエットとなっている。
また、ソリッドな力強さと抑揚豊かな断面の変化が一体となった全体の造形により、リニアなスピード感と流麗なエレガントさを表現。バンパーのコーナー部分には風の流れを考えたエアガイドとエアカーテンを強調し、フラットなドアハンドルを採用したほか、アルミホイール、リアバンパー周りは空気抵抗を減らす形状とすることで、Cd値0.218という、優れた空力性能を実現した。
インテリアでは、縦型の大型センターディスプレイを採用。それを取り囲むようにトレイ型のコンソールを一体化させており「デジタルアイランド」と名づけられている。ワイヤレス充電のほか、スマホとマルチメディアとの連携機能も持たせている。
縦型の大型モニターを採用したbZ3のインテリア。エアコン、音楽、トランク操作などの操作機能はこの大型ディスプレイに集約されている
同時に、エアコン、音楽、トランク操作などの操作機能は大型ディスプレイに集約されており、音声認識機能の採用も相まって、利便性と先進性を大幅に進化させたのも見逃せないポイントだ。
■ライバル車はテスラモデル3!
bZ3の独特な形状のステアリングを握り、これからテストドライブに臨む際の筆者
そこで、さっそく北京市郊外の駐車場内でテストドライブしてみた。
まず、bZ3の車内に乗り込んですぐにわかるのがセダンモデルならではの着座姿勢。SUVのbZ4Xとは明らかに違う低さなのが印象的で、ステアリングホイールもbZ4Xがノーマルな円形型だったのに対し、bZ3はスクエアな形状のステアリングなのが特徴的。
bZ3のボディサイズは全長4725×全幅1835×全高1475mm、ホイールベース2880mm。bZ4Xの全長4690×全幅1860×全高1650mm、ホイールベース2850mmに対して全長が長く、全高が低められているあたりがセダンモデルらしい。想定されるライバル車は同じくセダンモデルのテスラモデル3(全長4694×全幅1849×全高1443mm、ホイールベース2875mm)となるのも納得だ。
セダン好きな担当だが、bZ3の動き出しは以前に試乗したbZ4Xと比べてもBEVらしいスムーズで静かな立ち上がり。アクセルをじんわり踏み込みながら、徐々に加速していくと充分に力強い加速を得られるのもBEVのよさだろう。
セダンモデルである点でSUVのbZ4Xとはまた違った走行性を実感できたbZ3のテストドライブ。そつなくまとめられた仕上がりだった
bZ4Xよりも低重心で、セダンらしいハンドリングと走行性能が体感できた。bZ3の開発コンセプトは家族や友人と一緒に楽しめる「Family Lounge」とのことだが、それがよく表れていると実感。
■日本円で360万円はコスパよし!?
bZ3のリアビュー。リアバンパー周りは空気抵抗を減らす形状を採用しており、それがCd値0.218達成にも大きく寄与しているようだ
このbZ3、中国国内での販売価格はベース車両で18万9800中国元(約360万円)。テスラモデル3FR車が中国国内では22万9000中国元(約440万円)、bZ4Xの日本国内参考価格はFWDで600万円、4WDで650万円となっており(リース販売のみのため参考価格となる)、価格競争力はかなり高いと思う。
内装やドアパネルに若干、プラスチックが多用されていて若干ライバルに比べて弱いかなと思える部分があり、コストダウンの形跡が見られるものの、それ以外の内容を考えると充分にコストパフォーマンスは高いBEVだと思う。
乗り味はまったく問題ないと個人的には感じており、セダンタイプのEVが少ない日本にもぜひ導入してもらいたい。このあたりは3社コラボの成果が出ている部分なのだろうと思わされた。
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