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ちょっと古いクルマから聞こえる「キュルキュル音」は何? まさか「エンジンの悲鳴」とか!? 「“謎”異音」の正体とは

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ちょっと古いクルマから聞こえる「キュルキュル音」は何? まさか「エンジンの悲鳴」とか!? 「“謎”異音」の正体とは

■「キュルキュル」異音の発生はどこから!?

 朝方の冷え込みが厳しくなってくると、エンジンを掛けた後「キュルキュル」という異音が発生することがあります。また走行中の車両が同様の異音を発生させながら走っているケースもみられます。
 
 さてこの異音はいったいどこから発生しているのでしょうか。

【画像】「えぇぇぇぇ!」これが高速道路で「絶対やってはいけない」行為です!(30枚以上)

 キュルキュルと異音が発生するパーツは、ほとんどの場合エンジンの「ベルト」です。

 ベルトには「ファンベルト」「補機ベルト」「エアコンベルト」「オルタネーターベルト」「Vベルト」などとさまざまな呼び名があります。

 Vベルトとは、ベルトの断面が台形で内周側より外周側の幅が広くなった形状を持つ動力伝達装置の構成部品のことをいいます。

 断面は台形ですがV字型になっているためそう呼ばれており、家電製品をはじめあらゆる工業製品に採用されています。

 なお最近のクルマのベルトは高性能・高耐久性を考えて、断面が歯車を直線にした形状を内側に持つものが主流になっています。

 そんなクルマのベルトを、かつては「ファンベルト」と総称しており、いまも一般的に呼ばれています。

 当時は縦置きエンジンが多く、エンジンの出力軸の方向の先にラジエーターと冷却用ファンが位置する構造でした。エンジン回転をVベルトを通してファンを回していたことから「ファンベルト」と呼ばれていたのです。

 最近のクルマの大半は横置きエンジンです。

 構造上、エンジン出力軸の回転方向とファンの回転方向が90度になり、ベルトによる動力伝達もできなくはありませんが、構造が複雑・不効率になることと、冷却用ファンは電気モーターを使用したほうが効率が良くなることから、ファンベルトを採用するクルマは激減しました。

 ただエンジンが縦置きでも横置きでも、ファンがモーター駆動であろうとなかろうと、エアコンのコンプレッサーやオルタネーター(発電機)などの補機類にエンジンの回転力を伝達するものとして、どんなクルマにもファンベルトは付いています。

■「キュルキュル」異音が発生する原因とは

 クルマに使用されるファンベルトの素材は、合成ゴムと繊維です。

 Vベルトに使用される合成ゴムは特殊な素材を使用し、耐熱性、耐油性、耐摩耗性、耐屈曲性といったあらゆる耐久性を有しています。

 動力伝達をする側、される側の受けとなるプーリー(歯車のようなもの)の素材の主流は金属です。

 ゴムでできたベルトを、しっかりしたグリップ力で金属のプーリーを高速で回転させるという負荷の高い仕事をしていることになり、補機類をしっかりと回すためにはファンベルトとプーリーの間に強い摩擦力が必要です。

 ただその摩擦力はエンジンのパワーが使われます。この摩擦力が低いとファンベルトが滑って、補機類を回すことができません。

 ファンベルトとプーリーの間に適正な摩擦力が発生するようにベルトとプーリーの形状は工夫され、ベルトの素材も工夫されています。

 また適正な摩擦力が加わるよう、ファンベルトのテンション(張り具合)も適切にしなければなりません。

 このバランスが崩れると「キュルキュル」音が発生します。ファンベルトの劣化や不適正なテンションが、その異音の発生源となります。

 寒い時期では、エンジンをかけた後にキュルキュル音が発生することがあります。

 これはわずかな変化ですが、気温低下でファンベルトが硬化し、プーリーが縮みを引き起こして摩擦力に変化が生じて発生するものです。この場合は、エンジンが暖まると異音は止まります。

 またファンベルトを交換直後しばらく鳴ることがありますが、この場合は慣らしが終わればキュルキュル音は終息します。

 気になる場合は市販の「ベルトの鳴き止めスプレー」をベルトに吹き付けると、おおむね収まります。

■ファンベルトはDIYで交換しても大丈夫!?

 ファンベルトをDIYで交換する例をSNSなどで見ることができますが、筆者(佐藤 亨)としては推奨しません。

 筆者は以前、自動車整備工場でファンベルト交換をしてもらったあと、しばらくキュルキュル音が止まらなかった経験があります。

 鳴き止めスプレーで対処していましたが、あるときベルトが突然切れてしまいました。

 その修理時に判明した原因が、取り付けた際にテンションをかけすぎたせいでした。

 つまりプロでも陥る作業ですので、慣れないDIYではなおさらテンション調整は困難な作業となるでしょう。

 注意したいのは、エンジンが暖まっていたり気温が高い時期でも、キュルキュル音が発生するときです。

 この場合は速やかに修理しましょう。

 ファンベルトが切れるとバッテリーが充電されずエアコンが効かなかったり、最悪の場合は走行不能などの症状に陥ります。

 ファンベルトの寿命は車種や使用状況、環境によって変わりますが、おおむね5万キロから10万キロとなっています。

 交換に必要な費用は車種によっても異なりますが、ベルト代が2000円から6000円、工賃が5000円から10000円が主流です。

 この機会に、愛車のファンベルトの予防交換を検討してみると良いでしょう。

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みんなのコメント

11件
  • czl********
    Vベルトは寿命は短いですよ。4山前後のリブドベルトは今の主流で、こちらは記事の通り長く持ちます。でも平成一桁のエアコンは大体Vかコグなので、音がなった時点で交換です。調整などその場しのぎでしかありません。固くなりホールド力が無いベルトをパンパンに張ったら切れるのは当然ですよ。
    整備士視点で見ると、ちゃんとお金かけようよって思いますね。
  • 悪魔将軍
    ベルトの張り過ぎはプーリーの軸も痛める事があります
    ベルトも山が削れて深くなり、その分撓み易くなり、滑って啼く事があります
    あと、金属のプーリーも永い間で削れて山が険しくなりベルトへの接触面積が小さくなって啼き易くなります
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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