■ついにピックアップトラックもBEV化! ハイラックスBEVとは
トヨタは、タイでおこなわれた「タイトヨタ60周年式典」にて同市場で将来的に発表する新型「ハイラックスレボBEVコンセプト」をお披露目しました。
日本でも販売されるハイラックスですが、今回お披露目されたモデルにはどのような特徴があるのでしょうか。
【画像】「グリルレス」デザインの存在感凄い! 新型「ハイラックスレボ」の実車を見る!(61枚)
初代ハイラックスは1968年に発売。「ブリスカ」と「ライトスタウト」の統合後継モデルで、トヨタが企画して日野が開発と生産を担当する形で生まれました。
また2004年に発売された7代目ハイラックスでは、「IMV(Innovative International Multi-purpose Vehicle)プロジェクト」の基幹モデルとして展開されます、
IMVプロジェクトとは世界各国のユーザーに対して、同時期により魅力的な商品をより求めやすい価格で提供することを目的とし世界規模での最適な生産・供給体制のことです。
IMVのラインナップにはピックアップトラックとして「ハイラックス(2ドアのシングルキャブ/2ドア&4人乗りのエクストラキャブ/4ドア&5人乗りのダブルキャブ」の3仕様。
さらにミニバンの「イノーバ」、SUVの「フォーチュナー」という合計5モデルを同じプラットフォームにて新開発しました。
これにより世界のユーザーに、より魅力的な商品かつ求めやすい価格で迅速に提供する「需要のある地域で生産」の方針のもと、グローバルで効率的な生産・供給体制を構築してきました。
そして、現行となる8代目ハイラックスは、2015年5月に発売されグローバルで支持されるモデルです。
IMVプロジェクトを継続するとともに「道が人を鍛える。人がクルマをつくる」という考えのもと開発されます。
実際に、開発チームは世界中のさまざまな道を走り、使用環境を実際に体験しつつユーザーの声を聞いたといいます。
「タフの再定義」を開発コンセプトとして掲げた8代目ハイラックスは、あらゆる観点からタフさが追求されました。
また「クルマを駆るのにストレスを感じない」人に優しい新たなタフさの実現を目指し、「低燃費がもたらす、ゆとりある航続距離」、「過酷な道を安全に走るための疲れにくい乗り心地」、「車内外とのコミュニケーションに影響しない静かな室内」という新基準を設定。
これらにより、「丈夫さ」「力強い走り」「走破性」「衝突安全性」を徹底的に鍛え直したタフさを実現しました。
現在では日本をはじめ多くの国や地域で販売されており、といったボディ構成を展開しています。
そうしたなかで2022年12月14日にトヨタは、タイでおこなわれた「タイトヨタ60周年式典」にて同市場で将来的に発表する新型「ハイラックスレボBEVコンセプト」を世界初公開しました。
トヨタのタイ市場において重要なモデルとなるハイラックスですが、タイ市場では「レボ」というサブネームが付き「ハイラックスレボ」という車名で展開され、それをベースにしたのが今回のBEVです。
ハイラックスレボBEVコンセプトについて前出の豊田章男社長は「カーボンニュートラルとより良い地球環境の実現に貢献するクルマです」と語っています。
実際にハイラックスレボBEVコンセプトは、約1年後にタイ市場で発売は予定されているといい、開発・販売準備は9割整っているようです。
今回の式典では詳細は明かされなかったものの、同年12月17日・18日にタイで開催された「タイ25時間耐久レース」の会場には実車が展示されました。
この実車を見る限り従来のハイラックスと大きくことなるのがフロントフェイスで、象徴的なヘキサゴングリルはEVらしさを強調するためにレス風のデザインに変更されています。
ボディの下回りを見るとバッテリーやラダーフレームに直接付けられたモーターを見て取れます。
また内装での変更点は従来フロア中央にシフトレバーが配置されますが、ハイラックスレボBEVコンセプトではトヨタのBEV「bZ4X」と同じダイヤル式シフトを採用していました。
タイ市場でのハイラックスについて、トヨタ ダイハツ エンジニアリング&マニュファクチャリングの社長兼エグゼクティブチーフエンジニアの小西良樹氏は次のように話しています。
「タイ市場では、実際に農業や物流などの仕事で使うクルマとしてハイラックスは支持されてきました。
最近ではピックアップトラックを乗用かつ趣味のクルマとして活用する需要も高まっています。
今回のハイラックスレボBEVは、商用車のBEVとして投入することで物流・輸送面でのカーボンニュートラルという観点や、BEVを求めるユーザー層に対してひとつ提案となるモデルです」
※ ※ ※
実際にタイ25時間耐久レースの会場では、ハイラックスレボBEVコンセプトのゼロ発進加速を間近で見ることができました。
重量があるピックアップトラックながらBEVならではの俊敏な加速感は、多様な用途で使われるピックアップトラック市場をさらに盛り上げる要素になるかもしれません。
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