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絶好調のシトロエンを支えるMPV「ベルランゴ」の魅力とは? ライバルと比べてみた

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絶好調のシトロエンを支えるMPV「ベルランゴ」の魅力とは? ライバルと比べてみた

■コロナ禍のなかでも前年を大きく上回ったシトロエン

コロナ禍の影響で、輸入車市場も大ダメージを受けた2020年。そんななか、前年実績を上回った数少ないブランドが、フランスのシトロエンだ。

コロナ禍でも前年超え! 絶好調のシトロエンを牽引する新型「ベルランゴ」とは

2020年の新規登録台数は5031台と、前年と比べて122.3%を記録。ちなみに、シトロエンと並んでグループPSAを形成するプジョーは前年比101.2%の1万26台、DSは同100.4%の908台、3ブランドともに前年超えをはたしているのも注目だ。

そんなシトロエンの人気を支えているモデルが、2019年に日本デビューを果たし、2020年8月にカタログモデルを追加して本格導入されたMPVベルランゴ」だという。どんなクルマなのだろうか。

ベルランゴは、ヨーロッパでは「フルゴネット」と呼ばれる、商用車をベースとしたMPVだ。こうしたフルゴネットは、日本ではなんといってもルノーカングー」が有名だが、欧州ではベルランゴの登場は1996年7月、カングーは1997年だから、じつはベルランゴのほうが先に登場している。

ベルランゴは今回はじめて日本市場に正規導入されたが、カングーは2002年に日本市場に導入されたため、すでに20年近くの歴史を持っている。初代前期型/後期型、2代目前期型/後期型に加え、2010年に登場したカングーの3ドアショートボディバージョン「カングー ビボップ」と、現在まで5つのバリエーションがある。

現行型カングーは2009年9月に発売されたから、すでに12年目に突入したロングセラーモデルだ。2020年11月、フランス本国で新型となる3代目カングーの写真が公開されたが、それ以降の情報がないため、いつ日本で登場するのかは未定だ。

本場欧州でもライバル車となるベルランゴと現行モデルのカングーを比較してみる。

ボディ寸法

ベルランゴのスリーサイズは、全長4405mm×全幅1850mm×全高1850mm。対するカングーは全長4280mm×全幅1830mm×全高1810mmだ。

比較すると、ベルランゴはカングーよりも全長で125mm、全幅で20mm、全高は40mm大きい。そのため、通常時の荷室はベルランゴが圧倒的に広く感じる。

ベルランゴを実際に運転してみると、カングーと全幅が20mmしか変わらないというのが意外に思える。スクエアなボディなのでどちらも車両感覚はつかみやすいが、ベルランゴのAピラーが太めのため、とくに左側に気を使う場面があった。ボタンを押すと左サイドの映像がルームミラーに映る「ブラインドスポットモニター」はSHINEとSHINE XTR PACKに標準装備しているので、路肩に寄せるときなどはこれを使うといい。

■最新のADASを装備するベルランゴ

パワートレイン

ベルランゴは130ps/300Nmを発生する1.5リッター直4ディーゼルターボエンジンを搭載する。このエンジンはスムーズに高回転域まで回っていくタイプで、ガソリンエンジンに近いフィーリングだ。回転計も7000rpmまで刻まれ、5500rpmからレッドゾーンになっている。

1750rpmから最大トルクを発生するが、ボディが1630kgと重めのため、軽快に走らせようと思うとアクセルペダルを踏みがちになり、エンジン回転を上げる走りをしてしまう。こういうところもディーゼルモデルらしくないところだ。

ベルランゴのトランスミッションは8速AT。パドルシフトを標準で搭載する。ディーゼルとはいえ排気量の小さいエンジンだから、積極的に変速したくなる。

対するカングーは、115ps/190Nmを発生する1.2リッター直4ターボエンジンを搭載。トランスミッションは6速EDC(DCT)のほかに6速MTも用意するのがルノーらしい。

エンジンスペック的にはベルランゴのほうが上だが、ベルランゴの1630kg(FEELグレードは1610kg)に対してカングーは1430kg(6速MTモデル。6速EDCは1450kg)と200kg近く軽いため、軽快に走ることができる。

燃費はカングーがJC08モードで14.7km/L。ベルランゴはJC08モードで21.2km/L、WLTCモードで18.0km/L。ただしカングーはプレミアムガソリン仕様でベルランゴは軽油なので、長く乗れば乗るほど燃料コストの差は大きくなる。

インテリア

ベルランゴのインテリアは、スキのなさが魅力だ。バイワイヤのダイアル式シフトセレクターのデザインも、使いやすさと特別感を両立しているし、各所に散りばめられた収納スペースも実用性とワクワク感がある。またリアシートは3席独立して分割可倒が可能だ。

バックドアは跳ね上げ式。ボディサイズが大きいため必然的にバックドアが大きくなるが、ガラスハッチだけでも単独で開くので、使い勝手は良い。

カングーのインテリア質感は、やはり新しいベルランゴに負けてしまう。まもなく姿をあらわす予定の新型カングーに期待したいところだ。後席は60:40の分割可倒式になる。

バックドアは観音開きになる。先代カングーだと観音開きと跳ね上げ式があったのだが、日本に入ってくる現行型カングーは観音開きのみ。ここは好みが分かれるだろう。

安全装備

最新モデルだけあって、ベルランゴの安全装備はてんこ盛りだ。アクティブセーフティブレーキ、アクティブクルーズコントロール、レーンキープアシスト、ブラインドスポットモニター、インテリジェントハイビーム、パークアシスト、フロント/バック/サイドソナーなどなど、先進の安全支援装備が標準で装着されている。

一方のカングーというと、ADAS(先進運転支援システム)機能は付いていない。現行カングーはすでに日本登場から12年経っているから、ここは分が悪い。

走り

ベルランゴはEMP2と呼ばれる最新のプラットフォームを採用。トルクのあるディーゼルエンジンと相まって元気に走る。高速走行ではしなやかに、まっすぐ走っていく。これほど背が高いのに、横風に対しても安定している。遮音性の高さも魅力で、ガサツなところはない。

一般道では、基本的にコンフォート性重視の印象。ただし路面によっては突き上げ感があるし、ボディ振動の収まりの悪いときもあった。またハンドル中立付近の無感領域が大きめだ。プラットフォームもボディもサスペンションも素性が良さそうなので、さらなる熟成に期待したい。

対するカングーは、じつは「ハンドリングマシン」といえるほどの走りの良さを持っている。

エンジンや風切り音などのノイズは室内に大きめに入ってくるし、ボディ剛性感もいまとなっては古さを感じてしまう。そういったネガはありながも、正確なハンドリングと追い込んでいってからのロール感、しなやかに動く足、それでいてどこまでも失わない接地感など、完成形と言い切れるほど走りは熟成されている。

* * *

車両価格は、ベルランゴ「FEEL」が317万円(税込、以下同)、「SHINE」が344万円、「SHINE XTR PACK」が354万円だ。対するカングーは「ZEN」6速MTで254万6000円、EDCで264万7000円となる。2ペダル同士で比較すると、その差は52万3000円から89万3000円となる。

この価格差は大きい。だが、ほぼフルで先進安全支援装備が付くベルランゴの商品力も高い。だからこその、いまの人気ぶりなのだろう。

対するカングーの魅力は、なんといっても「素」の良さだ。

現行カングーとベルランゴのどちらを選ぶのか、ということももちろん興味深いが、ADASをフル搭載してデビューするであろう次期型カングーが、どれくらいの価格で日本に上陸するのか、といったところにも気になってくる。

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みんなのコメント

4件
  • 現行カングーと比較するのはちょっと酷では?
  • この価格帯でADASフル装備、ディーゼル積んでいるのは魅力。
    本革シートや大きなメッキパーツ、エアロがセットでついて来るのに安全装備が省かれている車と比べると段違い。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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