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2019年5月に発売される新しいNSXは想像以上に熟成が進んでいる

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2019年5月に発売される新しいNSXは想像以上に熟成が進んでいる

ホンダのスポーツフラッグシップであり、現時点で国産乗用車としては最高価格といえるホンダNSXが2018年10月にマイナーチェンジを発表した。ご存知のようにNSXはアメリカ・オハイオ州の専用工場で生産されているのでアメ車というべきかもしれないが……。そんな2019年モデルのNSXに日本を代表するワインディングロード、芦ノ湖スカイラインで試乗することにした。

車両本体価格は税込2370万円。そこに、カーボンファイバーエクステリアスポーツパッケージ:108万円、カーボンファイバーエンジンカバー:40万円、カーボンセラミックローター+オレンジキャリパー:120万円などなど計300万円以上のオプションを装着したNSXが目前にある。マイナーチェンジを機に登場した新色サーマルオレンジ・パールをまとった姿は新鮮味あふれるもの。フロントグリルがボディ同色に変更されたことで少々イメージを変えているが、全体としての造形は従来通りだ。

ワクワクしない!? 初代が偉大過ぎた!? ホンダNSXは輝きを失ったのか?

前後のダミーグリルがマットブラックからグロス仕上げになったことでゴージャスな雰囲気を出しているが、この価格帯のスーパースポーツでダミーグリルが付いているというのは個人的には残念ポイント。空力と冷却の高次元でのバランスをうたうNSXであるのだから必然性のないグリルデザインは、そうしたコンセプトをスポイルしてしまうと感じる。このあたりは、次回のマイナーチェンジによって対策してもらいたいと感じるが、ともかく今回の主な変更点はシャシーセッティングにある。

ハードウェアでいえば、フロントスタビライザーを26%、リアスタビライザーを19%、リアコントロールアームブッシュを21%、リアハブベアリングは6%の剛性アップをしている。また、NSX最大のチャームポイントといえるフロント左右独立モーターによる駆動力制御(ハンドリングへの貢献が狙いだ)も変更されているという。そうした変更点を味わうには高速道路を走るよりも、曲がりくねった芦ノ湖スカイラインがちょうどいいという判断だ。

全長4490mmながら全幅は1940mmもあるため自由度はなく、また車重も1780kg(カーボンローター装着車)となっているのでけっしてライトウェイトではない。むしろ、ワインディングを楽しむにはハンディがある。だからこそ、ハンドリングに関する変更点が確認しやすいはずだ。また、個人的にはマイナーチェンジ前のNSXも芦ノ湖スカイラインで味わっているため、進化の度合いも比較しやすいと考えた。

というわけで、実際にワインディングを走ってみての第一印象はインフォメーションが豊富になったというもの。リア周りの剛性アップが効いているのか、マイナーチェンジで標準装備となった電動シートとの相乗効果なのかは不明だが、とにかく腰で感じる後輪の情報が増えている。電動シートはシートレールのガタつきが減って感じるものなので、こうなることは想像していたが、予想以上にクルマとの一体感が高まっている。

フロントについては、フロントに駆動モーターを配するスポーツハイブリッドSH-AWDというNSX独自のメカニズムのおかげもあって、左右それぞれの手がフロントタイヤと一体になったかのような感覚は従来から味わえていたが、マイナーチェンジではその領域が広がった。わかりやすく言えば、従来はステアリングを切り込んでいくとモーターによる制御が強まって思い通りに曲がっていく印象だったが、新しいNSXはステアリングの切り始めから最大舵角まで制御の度合いが変わらないフィーリングになっている。以前のほうがSH-AWDの働き具合はわかりやすかったが、逆にいえば人工的なハンドリング感もあった。それを違和感と捉えるドライバーもいただろうが、新型NSXではその部分が解消されている。

NSXはアメリカで開発されたクルマであり、その開発リーダーもアメリカ人だった。しかし、今回のマイナーチェンジでは開発責任者も日本人となり、開発拠点も日本に移された。それはハンドリングの熟成を進めるため、という説明を受けたが、ハードウェアを変えずにここまでナチュラルな感覚に仕上げたというのは日本人のきめ細かな仕事ぶりを感じてしまったのは、先入観だけではないはずだ。

文:山本晋也
自動車コミュニケータ・コラムニスト

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