レッドブル離脱が決まったエイドリアン・ニューウェイが、F1を引退するのではなく、他のチームで再挑戦する意向であることを認めたことで、彼の輝かしいキャリア最終章がフェラーリでの活躍になる可能性が高まっている。
フェラーリのフレデリック・バスール代表は、話し合いの状況について口を閉ざしたままだが、エミリア・ロマーニャGPに先立ち、チームの現状について短期的な改善にも力を注いでいると語った。
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ニューウェイの勧誘はまだ進行中であり、数ヵ月は何も決まらないだろう。しかしF1における最高のデザイナー獲得に動かないのは、怠慢だとバスール代表は分かっている。
そしてバスール代表が、現在のスタッフとともにレッドブルとの差を縮めていることにどれだけ満足しているとしても、まだ十分ではないのだ。
ニューウェイの最近のコメントを踏まえて、コメントを求められたバスール代表は、ふたりの間で何が起きているのか、あるいは起きていないのかについて何も語らなかった。
「エイドリアンは、メガレコードを持っている。彼はパドックで最も成功したエンジニアだ」
そうバスール代表は語った。
「統計的なことはわからないが、おそらくそうだろう。だが、それについてはノーコメントだ」
しかしながらバスール代表は自身のビジョンについてさらに詳しく述べ、ふたつの時間軸が並行して展開されていると説明した。
「我々は長期的なことと短期的なことを話しているが、今は短期的なことが重要な時期だ」
「我々は必死にプッシュしている。私はチームにいるメンバーたちを信頼している」
「正直なところ、小さくても一歩一歩前進していくのが今のフェラーリの仕事だ。私はフェラーリのスタッフを信頼しているし、彼らは良い仕事をしている」
「1年前と5月の初めを比較すると、我々は1秒遅れだったところから前戦のマイアミでは0.1秒から0.15秒差だった。つまり、大きな進歩を遂げたということだ」
「でも、まだ十分とは言えない。はるかに小さくなったし、いつもではないにしても、明らかにレッドブルがまだリードしていると思うからだ」
「100分の1秒ずつ前進し続けなければならない。そして、それは0.5秒ずつには決してならないという事実に集中しなければならない。そう考えるのは間違いなんだ」
「もし我々が追いついていくのだとしたら、それは100分の1秒ずつであり、魔法の弾丸があると想像してはいけない」
■メルセデスからの新戦力
ニューウェイの去就が今すぐははっきりしない一方で、フェラーリは最近、メルセデスからロイック・セラとジェローム・ダンブロジオを獲得した。
10月1日付けでセラはフェラーリのシャシーパフォーマンスディレクターに、ダンブロジオはチーム副代表及びドライバー育成ディレクターに就任することになる。
バスール代表はダンブロジオの起用計画について次のように語った。
「彼は誰の代わりでもなく、チームに付加価値を与えるんだ」
「我々はポジションを分けた。それは名前だけではない。彼は私をサポートしてくれる]
「彼は何かの折に私の尻を蹴飛ばしてくれるだろう。私にはそれが必要なんだ。彼はモータースポーツにおいて、マネージメント、ドライビング、すべてにおいて大きな経験を持っていると思う。彼は将来、我々にとって素晴らしい財産になるだろう」
バスール代表は今季開幕前にルイス・ハミルトンと契約した際、友人でありメルセデスのチーム代表であるトト・ウルフと気まずい会話をしなければならなかったと認めた。
そして、セラとの契約はその前後というかなり早い時期に結ばれていたという。
「ロイック(との契約)はルイスの前だったと思うが、正確には覚えていない。だがより厳密に言えば、1500人ものスタッフがいて、常に入れ替わりがあるのがチームというものだということだ」
「出ていく者もいれば、新たに来る者もいる。それを個人的に受け止める必要はない。だが決して簡単なことではないんだ」
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