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わんダフル カー・オブ・ザ・イヤー2024! 愛犬家と愛犬にとってベストな一台とは【青山尚暉のわんダフルカーライフ 最終回】

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わんダフル カー・オブ・ザ・イヤー2024! 愛犬家と愛犬にとってベストな一台とは【青山尚暉のわんダフルカーライフ 最終回】

このわんダフルカーライフで年末恒例の「わんダフルカー・オブ・ザ・イヤー」。今回は2023年11月1日から2024年10月31日までに発売された国産車の中から、愛犬家と愛犬にとって最高、最上と言えるドッグフレンドリーカーを3つのジャンル別に決定したい。選考するのは、2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員でもある筆者と、このわんダフルカーライフでもお馴染みの、自称自動車評論犬!? として活躍してきた“旅するジャックラッセル”のララである。

ちなみに犬がどうやってドッグフレンドリーカーを評価するのか? だが、わが家の先代自称自動車評論犬!? のゴールデンレトリーバーのナナ、ラブラドールレトリバーのマリア、そしてララも、特等席の後席に乗せてドライブする際(安全なドッグベッドを設置するかハーネスを着用)、犬にとって快適なクルマだと、すぐに気持ち良くスヤスヤと寝てしまうか、ゴキゲンな笑顔になる。一方、犬にとってあまり快適ではないクルマだと、「ドライブを楽しむどころじゃないわん、寝てるどころじゃないわん」と、乗っていても落ち着かず起きたままでいたりする。愛犬とともに30年間、ドッグフレンドリーカーを研究し、愛犬と泊まれる宿を訪れ評価し、毎月のようにいろいろなクルマで愛犬とドライブを重ねてきた筆者は、ドライブ中もそうした犬の様子を見逃さないのである。また、犬の居場所の下に硬質ウレタンマットを敷き、爪の跡を確認することもある。犬は姿勢が安定しないと爪を出し、踏ん張り続けるからで、それがストレスになる。その爪の跡、深さを確認すれば、快適か不快かがある程度分かるのだ。

後で悔やんでも遅い! 愛犬とドライブ旅行を重ねる意味と理由【青山尚暉のわんダフルカーライフ】

さて、今年のわんダフルカー・オブ・ザ・イヤーを選考するにあたり、ジャンルは以下の3つとした。まずは愛犬を乗せるのにぴったりなミニバン部門、そしてオールラウンダーな走行性能がドッグフレンドリーポイントにつながる(理由は後述)クロスオーバー部門、そして小は大を兼ねる!? と言っていい、今では多くのドッグフレンドリーカーが揃う軽自動車部門の3部門とさせていただきたい。

◆ミニバン部門はホンダ フリード
まずはミニバン部門。自称じゃない自動車評論家の筆者と選考委員犬のララがどう考えてもこれが一番! として選出したのが、2024年6月28日発売のホンダ『フリード』だ。

3列/2列シート仕様ともに、扱いやすいコンパクトなサイズながら大空間と犬の乗降も快適な両側スライドドアを備え、人と犬、荷物のフォーメーションが自由自在であることはもちろん、車内でどこかにつかまれない犬も寛いで乗っていられる快適無比な乗り心地、1/2列目席のソファ感覚のシートのかけ心地、聴覚に優れた犬の耳に優しいクラス最上の車内の静かさなどが大きな魅力であり、それを評価した。

そして何と言っても、1年中毛皮を着ている、暑がりかつ暑い時期には車内で熱中症になりやすい(命を落とすことも)犬にとっての神器となりうる後席用クーラー(天井設置/サーキュレーターではない)をクラスで初採用しているところが高評価のポイント。

選考委員犬!? のララによれば、「これで、イチオシのハイブリッドのe:HEVモデルにAC100V/1500Wコンセントが付いていればさらに評価は高まるわん」とのこと。たしかにAC100V/1500Wコンセントが付いていれば、車内外で湯沸かしポットや簡易電子レンジなどが使え、安全な場所にクルマを停めれば「どこでもドッグカフェ」を開店できる便利さがある。ドライブ旅行中に、あてにしていたドッグカフェ、愛犬と入れるレストランがお休みだったり、満席だったりしても、あるいはテラス席ならペットOKの飲食店でも雨で入店不可…となった際、広々とした車内で暖かい飲み物や食べ物がいただけることになる。ライバル車にはあるだけに、今後の設定に期待したい。

◆クロスオーバー部門は スバル レイバック
クロスオーバー部門は、誰がなんと言っても、2023年11月24日に発売されたスバル『レイバック』に決定である。レイバックは『レヴォーグ』のクロスオーバーモデルであり、オールシーズンタイヤを履いていながら、乗り心地と車内の静かさは歴代スバル車最上。上質で濃厚な乗り心地、ドライブフィールはまるで高級車に迫るほどで、実際、ララいわく、「レイバックに乗っていると、いつもの道が再舗装されたかのような快適すぎる、前後左右の姿勢変化が少ない乗り心地を示してくれて、しかも水平対向エンジンのボクサーサウンドはかなり控え目で、ロードノイズの遮断を含め、車内の静かさも第一級。快適すぎて、乗ってすぐにウトウトしちゃう。東京から山中湖へのドライブ旅行も経験しているけれど、出発して気が付いたら山中湖湖畔にいたぐらいわん」とのこと。

レイバックの車内の驚異的な静かさについて補足すると、レイバックはEXと呼ばれる最上級のモノグレード展開。アイサイトXやハーマンカードンサウンドシステムを標準装備している。プレミアムなサウンドシステムを搭載し、最高の音響空間で音楽を楽しめるように、車内の防音、遮音に特別な配慮がなされた仕様でもあるのだ。アイサイトXは渋滞時ハンズオフドライブも可能で、愛犬とのドライブ旅行で高速道路の大渋滞に巻き込まれてもドライバーはストレスフリー。これも嬉しい限りである。

しかも、乗り心地の快適度や車内の静かさでは優劣つけがたい、スバルのクロスオーバーモデルの中で弟分になる『クロストレック』にはないドッグフレンドリーポイントも備わる。それが後席エアコン吹き出し口の装備と後席4:2:4分割の仕立て。多くは暑がりの犬が犬の特等席である後席に乗車した際、暑い時期のドライブでは後席エアコン吹き出し口は不可欠と言っていい快適装備。それが備わるのは、スバルの場合、レヴォーグやそのクロスオーバーモデルであるレイバック以上の車種なのである。

そして後席4:2:4分割がどうしてドッグフレンドリーポイントになるのかと言えば、やむなく大型犬をラゲッジルームに乗せたり、短距離ながら愛犬をラゲッジルームに乗せる際(あくまで特等席、乗せるべきは後席)、中央の2部分をアームレストとして倒すことで、ラゲッジルームと後席の間に、幅220mmのスルー空間が出現。犬と前後席の飼い主とのアイコンタクトが容易になり、お互い安心できるだけでなく、ラゲッジルームにエアコンの風も届きやすくなるというわけだ。

また、パドルシフトの装備も実はドッグフレンドリーポイント。左パドルの「-」を引くことで、下手にブレーキを踏むよりずっとスムーズに減速してくれて、車内でどこかにつかまれない犬も一段と快適に乗っていられることになる(スピードコントロールもしやすくなる)。

そして極めつけのドッグフレンドリーポイントが、フルタイム四輪駆動=AWDの駆動方式と最低地上高200mm、オールシーズンタイヤによる全天候型の走行・走破性能である。人間の6倍と言われるスピードで歳を重ねる犬の寿命は10年から15年。その短い犬生の間にいかに多くの飼い主との楽しい思い出をつくってあげられるかが飼い主の使命でもあると筆者は思っている。普段、お留守番の時間も長い(2時間のお留守番は犬時間で12時間!?)犬にとって、24時間、飼い主、家族といっしょにいられるドライブ旅行は最高に幸せな時間、体験であり、犬生の特別な思い出になる。しかし日本には四季があり、梅雨や雪の降る冬がある。例えば、犬も家族も楽しみにしていたドライブ旅行が、大雨、雪が降ってきたから運転が不安…というドライバーの判断で急遽、中止! では、犬も家族もがっかり。犬にとって貴重なドライブ旅行の楽しみが失われてしまうのである。

が、レイバックのようなクロスオーバーモデル、それも最低地上高が本格SUV並みの200mm、スバル自慢のシンメトリカルAWDの駆動方式のオールラウンダーであれば(タイヤもオールシーズン)、雨や雪道の走行に自信のないドライバーも安心安全にドライブが楽しめる。犬生の中でそう多くはないドライブ旅行の機会を、雨や雪のせいで中止にすることもなくなるというわけだ。※雪道はスタッドレスタイヤ装着で。

ゆえに、極上の快適感と圧巻の車内の静かさ、レヴォーグ=ワゴン同様のパッケージング、後席エアコン吹き出し口、オールラウンドな走破性などを備えたレイバックは、最強のドッグフレンドリーカーであると断言していいだろう。アウトドア、グランピングシーンなどにも似合うこと間違いなしである。

◆軽自動車部門はスズキ スペーシア
今や売れに売れているのが、背が高く、両側スライドドアと大空間を備えたスーパーハイト系軽自動車。中でも2023年11月22日に3代目となったスズキ『スペーシア』は、軽自動車として完成されたドッグフレンドリーカーと言える1台。さすがに軽自動車に後席エアコン吹き出し口の装備は望めないものの、スペーシアは後席の空調環境を整えるスリムサーキュレーターを用意。暑い時期に後席に乗った犬も、これなら快適、涼しく過ごせることになる(車内にむらのない暖房も実現する)。

次なるドッグフレンドリーポイントは、ララが大いに気に入った、軽自動車として類まれな、後席の「マルチユースフラップ」の装備だ。なんとフラップの角度、長さを調整することで「荷物ストッパーモード」、後席に座る人間の快適度を高める「レッグサポートモード」、そして「オットマンモード」の3つのモードを備えているのだ。その中でララがイチオシするのが「荷物ストッパーモード」。本来は後席に置いた荷物を落ちにくくするためのモードなのだが、ララが実際に使ってみると、犬の顎乗せ、枕代わりになることを発見。ドッググッズにも顎乗せクッションがあるのだが、それが不要で便利、快適とのことである。

そして助手席前のビッグオープントレーにも注目だ。コロナ禍以降、テイクアウト需要が増え、車内で飲食する機会も増えているが、それは助手席前の四角いお弁当も置けるスペースで、左下に引き出し式カップホルダーをレイアウトしたビッグオープントレーと後席パーソナルテーブルによって、愛犬を同伴できない飲食店でもテイクアウトが可能なら、お目当ての料理、飲み物が、快適に車内でいただけることになり、車内が「どこでもドッグカフェ」になりうるのだ。

3代目スペーシアからは、後席用のペットサークルとドアトリムカバーが純正アクセサリーとして用意されているのも飼い主、愛犬にとって嬉しいポイントだろう。

以上の3部門3台のクルマは、ジャンルや価格帯、乗用定員(フリードは6~7名、レイバックは5名、スペーシアは4名)が異なるものの、どれも2024-2025年のわんダフルカー・オブ・ザ・イヤーのイヤーカーとして相応しい、文句なしのドッグフレンドリーカーと断言したい(フリード、スペーシア、スぺ―ア ギアにも4WD車あり)。愛犬ファーストなクルマ選びの参考になれば、幸いである。

なお、この「青山尚暉のわんダフルカーライフ」は今回で最終回となる。長い間のご愛読、ありがとうございました。またどこかでお会いしましょう。

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みんなのコメント

1件
  • ....
    シエンタの愛犬家に呼ばれなかった事を未だに根に持ってるの?
    フリードとか先代と外観以外ほぼ何も変わってないじゃんw
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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