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【代表のコメント裏事情】アストンマーティンの最新風洞がついに稼働。ニューウェイの姿に「嬉しくなった」

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【代表のコメント裏事情】アストンマーティンの最新風洞がついに稼働。ニューウェイの姿に「嬉しくなった」

2025年のF1開幕戦オーストラリアGPでランス・ストロールが6位に入賞したものの、予選では2台そろってQ2落ちするなど、やや精彩を欠いたメルボルンでのアストンマーティン。オーストラリアGP期間中にアストンマーティンに関して最も大きな話題となっていたのが、メルボルンでの2台の走りではなく、稼働を始めたばかりの新しい風洞施設についてだった。

なぜなら、アストンマーティンにはこれまで自前の風洞施設がなかったからだ。チーム代表兼CEOを務めるアンディ・コーウェルは、オーストラリアGPの国際自動車連盟(FIA)の公式会見でこう語った。

アストンマーティン、新風洞の使用開始を発表「フルワークスへの移行を前にした重要な一歩」

「ようやく開発作業用の風洞として稼働を開始したことをうれしく思う。これで空力設計者は、もう防寒着を着なくても風洞施設に行けるのだから」

これまでアストンマーティンはフォースインディア時代からも含めて、イギリス・ブラックリーにあるメルセデスの風洞施設をレンタルして使用してきた。そのため、「以前は、実験用の60%サイズのモデルカーをバンに積み込み、高速道路でブラックリーを目指した。バンを降りると、私たちはモデルカーが壊れていないことを願っていた」とコーウェルは言う。

さらに情報の機密性を保持するため、メルセデスの業務が完全に終了しないと施設に入ることはできなかった。さらに移動中に車に乗せたモデルカーが車内で暴れて壊れる心配をしなくてもよくなった。

アストンマーティンが自前の風洞施設を手にしたことに多くの者が関心を寄せているのは、風洞が最新の仕様となっているからだ。F1界ではここ10数年の間、2009年限りでF1から撤退したトヨタがドイツ・ケルンに持っている風洞施設を利用してきた。フェラーリマクラーレン、ウイリアムズ、そしてアストンマーティンもフォースインディア時代にトヨタの風洞を使用したことがある。

しかし、そのトヨタの風洞も次第に時代遅れとなり、フェラーリは自社風洞を改修。マクラーレンも2023年の秋に新施設を稼働させ、その施設を利用して作られた昨年のマシンは見事コンストラクターズチャンピオンに輝いた。

防寒着を着なくとも、風洞施設へ行けることを喜んでいるひとりに、新しくチームに加入したエイドリアン・ニューウェイもいるとコーウェルは言う。

「私たちは上着を着ることもなく、自分たちのオフィスからぶらりと風洞に歩いて行った。エイドリアンが風洞施設のなかに入って、さまざまな測定機器やモデルカーを真剣に見ていた。その後すぐに彼は自分のエンジニアリングオフィスに戻り、2026年の規則を見ながら、新しいルールの下でどうしたら速いマシンを作ることができるのかを考え始めたよ。その光景を見て、私はとても嬉しくなった」

コーウェルによれば、現時点でニューウェイが取り組むのは基本的に2026年のマシン。2025年のマシンを見るのは、それが軌道に乗った後になるという。2025年の開幕戦ではあまり目立たなかったアストンマーティンだが、2026年の開幕戦に向けた準備という点ではトップチームに負けないスタートを切っているようだ。

[オートスポーツweb 2025年03月20日]

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