日産の電気自動車であるリーフは、今年で登場から10周年である。しかし電気自動車の普及は道半ばというのも否めず、リーフの中古車を見ると10万円台からと全体的に非常に安い。
リーフの中古車が安い理由は「寿命に代表されるバッテリーに対する不安」が大きいのだが、当記事ではリーフの中古車の買い方、特に格安の中古車の場合は、心得についても考察していく。また使い方についても提案していく。
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文:永田恵一/写真:NISSAN、ベストカーWeb編集部
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リーフが歩んだ軌跡
中古リーフの選び方を考える前段階として、まずは10年間のリーフの進化を振り返ってみる。
■初代モデル(2010年12月から2017年9月)
●前期型(2010年12月から2012年11月)
初代リーフは現在のトヨタカローラスポーツなどと同車格となるミドルクラスに属する電気自動車専用車として登場。
最初のリーフの性能は24kWhのバッテリーを床下に搭載し、公表値となるJC08モードでの航続距離は200kmだった。
グレードは標準のXと、Xにクルーズコントロールやリアスポイラーに置かれる小さなソーラーパネルなどが加わる上級のGの2つが設定された。
2010年にデビューした日産リーフは個性的なフロントマスクが与えられた。ハッチバックゆえに使い勝手に優れている
●中期型(2012年11月から2015年11月)
電気自動車も新しい分野なだけに、出たばかりの頃のパソコンや携帯電話のように進化が著しく、中期型になった際に前期型と同じバッテリーで構成部品の小型化を含めた軽量化が施された。
また、回生制動(アクセルオフの際の減速エネルギーのバッテリーへの戻り)の効率向上などにより、航続距離はJC08モード228kmに伸びた。
この時に廉価グレードのSが加わり、XとGには電力消費が少ないヒートポンプ式ヒーターが採用され、電気自動車が弱い冬場の航続距離はスペック以上に長くなった。
リアピラーに配置されたクリアタイプのリアコンビが先進性をアピール。想像以上に前後のフェンダーのボリューム感満点
●後期型(2015年11月から2017年9月)
全グレードに30kWhという大容量バッテリー搭載車が設定され、大容量バッテリー搭載車の航続距離は280kmと一気に伸びた。同時に全グレードに単眼カメラを使った自動ブレーキも標準装備された。
■2代目現行リーフ(2017年9月から)
●登場時(2017年9月)
クルマの土台となるプラットホームは初代モデルと同じながら、バッテリーは40kWhに拡大され、航続距離もJC08モード400km、WLTCモード322kmに延長。
モーターも初代モデル中期型以降の109psから150psにパワーアップされ、プロパイロットやプロパイロットパーキングといった運転支援システムも設定された。
同じハッチバックというボディながら大型化によりユーティリティ面でも大きく進化。それよりも航続距離が大きく伸びたのがポイント
●e+追加(2019年1月)
バッテリー容量が2代目標準モデルの1.5倍以上の62kWhとなるe+が加わった。
e+は航続距離がJC08モード570km、WLTCモード458kmに伸びただけでなく、モーターも218馬力にパワーアップされ、もともと爽快だった加速感がさらに気持ちのいいものとなった。
リーフは進化を続けていて、e+の登場により航続距離が伸びたので使用範囲が大きく広がり、ユーザー層も拡大している
●マイナーチェンジ(2019年12月)
マイナーチェンジの内容はプロパイロットや日産コネクトの改良が主で、それまでに比べると進化は小さい。
中古リーフの買い方、選び方、使い方
まず新車を含めこれからリーフを買う人は自宅駐車場で充電ができることが第一条件になると思う。理由は日産の充電プログラムであるZEPSの改訂だ。
どういうことかというと、2019年までのZEPS2は月2000円で日産ディーラーの急速充電気が使い放題で、この料金なら「自宅で充電せず、外部だけで行う」という使い方もできなくはなかった。
しかし2020年からのZEPS3では携帯電話の料金プランのようなものに変更され、外部での充電は「ZEPS2よりかなり高い」感覚になった。
この点を考えると電気自動車の大きな魅力であるエネルギーコストの安さ(エンジン付きのクルマならガソリン代、電気自動車なら電気代)を得るためにも、電気自動車を自分のものにする際には自宅で充電できる環境が必要だ。
ZEPS3はそれまでのZEPS2に比べてお得感がなくなっているので、日産ディーラーで充電するよりも自宅充電のほうがお得
■リーフのバッテリー交換費用
バッテリー交換を行うかはともかくとして、気になるリーフのバッテリー交換費用は以下の通りとなる。なお、バッテリーの部品代は消費税別、工賃は4万円程度だ。
●初代モデルの新品
24kWh/65万円、30kWh/80万円
●初代モデル24kWhのリサイクルバッテリー(フル充電時に新品時の72.5%から78.5%が保証されるというもの)/30万円
●現行モデルの40kWhの新品/82万円
中古リーフを購入するにあたり、どうするかだが、これは予算ごとに考えたほうがいいと思う。具体的な価格を挙げて考察していく。
リーフの進化=バッテリーの進化と言ってもいいほど。リーフの中古を購入する場合はバッテリーの状態は要チェック。激安車はバッテリー交換が必要なケースもある
車両本体価格が50万円以下のリーフの中古車
50万円以下の初代リーフ(前期型が中心だが、中期型も流通はしている)はバッテリーの劣化が残念ながら進んでおり、航続距離はよくて100km程度と考えたい。
そのためクルマの使い方が、買い物などの近距離専用、片道30kmの通勤用などであれば十分使える。
1回の運転距離が多くなく、アシ代わりに使うのであれば、シビアコンディションにならないEVのリーフはオススメだ
逆にそういった使い方限定であればリーフ自体の静かで力強くスムース、エアコンの効きのよさなどのメリットが存分に発揮され、リーフの素晴らしさだけを味わえるだろう。
選び方としては、バッテリーのコンディション(二段式のデジタルメーター下部、右側の残り航続距離とバッテリー残量が表示される部分の一番右側の12セグがフルとなるバッテリー容量の表示で確認できる)を必ずチェックする。
グレード、前期、中期といった年式、走行距離は目安にはなるが、絶対ではない。
バッテリーの容量に関してはインパネでチェックすることができる。写真一番右の12セグを見ればすぐにわかる
理由はバッテリーのコンディションは急速充電された回数も関係することや、なかにはバッテリー交換されていると思われる物件もあるため一概には言えないのだ。
前述のとおり、バッテリーを交換するとなると決して安くない別予算が必要となるので、リーフの中古車はバッテリーの状態がすべてと言ってもいい。中古車の場合は、安いのにはそれなりに理由があることを認識しておく必要がある。
価格の折り合いで、納得できるバランスのものを選ぶといいだろう。
また事故車は電気の塊のようなクルマだけによほど安くない限り避けたいところだ。
電気自動車はハイブリッドカー同様に回生制動があるので、「年数、走行距離の割にブレーキパッドが減っていない」ということがある。
その場合例えば、「10年落ちで新車のブレーキパッドが着いていた」などとなると、いざ急ブレーキの時にブレーキパッドの裏板と摩擦材の接着剤が剥がれてノーブレーキのようになるという可能性もゼロではない。
リーフはハッチバックボディだから室内のユーティリティは高い。日産渾身のEVだけにインテリアにも凝っているので中古でも満足度は高いはず
納車前にでも確認してもらって、その際には早めの交換をしたい。
なお電気自動車にニチコンが販売しているEVパワーステーションに代表される電気自動車のバッテリーと住宅の中継機器(価格は消費税別39万8000~79万8000円、半額の補助金も出る)を組み合わせると、災害などの非常時などに「電気自動車に貯めた電力を住宅の供給する」といったことも可能になるので、中古リーフはそういった使い出もある。
車両本体価格が50万以上の初代リーフの中古車
50万円以下のリーフは初期モデルがほとんど。それに対し50万円を超える場合は、コンディションにより値付けがされる傾向にある
中古車情報を見ると170万円くらいから「3年落ち走行2万kmでプロパイロット付き」という現行リーフが流通している。この点を踏まえると初代リーフの中古車に出せる金額は車両価格120万円くらいが上限だろう。
そう考えると50万~120万円の初代リーフを買う際にはマイカーで動く行動範囲を頭に入れたうえで、購入対象は70万円程度から流通している自動ブレーキ付きの後期型が基本だと思う。
そこに前述した50万円以下の初代リーフを選ぶ際の折り合いに「24kWhか30kWhか」というバッテリー容量も加えて、納得できるものを選ぶといいだろう。
現行リーフ
現行リーフにはNISMOが設定されている。出回っている中古車が少ないので高値安定傾向にあるという
現行リーフは前述した標準モデルに加え、バッテリー容量62kWhのe+も「1年落ち走行1万kmのプロパイロット付」というスペックで270万円程度から流通している。
現行モデルで200万円から300万円の中古車価格なら、使い方さえよほど想定と違っていなければ値落ちがひどくても買ったときに安かったぶんで納得できると思う。
また今のところ現行リーフの中古車の多くは日産ディーラーものなので、保証なども心配ないだろう。そのあたりを総合すると、クルマの使い方が電気自動車で問題ないなら現行リーフの中古車も十分アリな選択肢だ。
まとめ
中古リーフは、「使い方を明確にして、中途半端な買い方をしなければアリ」というのが結論だ。
自分の使い方が合致すればリーフ本来の快適性や走行性能の高さといった魅力を味わいながら、楽しく潤いのあるカーライフが送れるのではないだろうか。
リーフは電気自動車であると同時に給電装置としても有効活用できる。余裕があるなら、いざいという時のために購入するというのもあり
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