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超高回転型の自然吸気ユニット! 記憶に残るホンダ「VTEC」エンジン搭載車5モデル

掲載 更新 64
超高回転型の自然吸気ユニット! 記憶に残るホンダ「VTEC」エンジン搭載車5モデル

画期的な可変バルブ機構を採用

  ホンダのスポーツモデルを中心に搭載され、胸が空くような加速感を味わえる名エンジンといえば「VTEC」だろう。初代のインテグラやシビックのタイプRにはじまり、最新のNSXなどにも受け継がれるVTECエンジンとは一体どんな機構を持ち、どんな乗り味が楽しめるのか?

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 また、筆者が自動車ジャーナリストとして出会った数多くのVTEC搭載モデルの中から、個人的なベスト5も紹介する。

低回転域のトルクと高回転域のパワーを両立

 エンジンの特性は吸気のレイアウトとカムの形状(バルブを開閉するタイミング)で決まる。

 極端な話をすると、低回転域を犠牲にすれば高回転域がスカッと気持ちいいエンジンが作れてしまう。だが、当然ながら市街地走行など日常域で扱いにくいし、低回転域のトルクが細すぎると低速域からの加速が鈍くなる。そうすると、街中での発進やコーナーの立ち上がりは遅くなるし、サーキット走行でタイムアップを狙うにも不利となってしまう。

 そこでホンダが考えたのが、低回転と高回転で吸排気を行なうバルブの開閉するタイミングを変化させること。それを実現するためにホンダが開発した機構が、VTEC。バルブタイミングだけでなく、エンジンの回転数に合わせてリフト量(バルブが動く量)まで変化させるというのが特徴だ。

 VTECの機構の採用によって、低回転域のトルクと高回転域のパワーを両立することが可能になり、全域がおいしいエンジン特性を実現。特にスポーツ車に搭載されたVTECエンジンは、低回転域のトルクを犠牲にすることなく高回転域のパワーの盛り上がりや伸びを強調することで、スポーツ走行におけるドライバビリティを高めている。シンプルに言えば運転していて気持ちがいいのだ。

初採用は1989年のインテグラから

 VTECのデビューは1989年に登場したインテグラ。初期のシンプルなタイプは、カムシャフトに高回転域用のハイと低回転域用のローの2種類のカムを設け、エンジンが一定の回転数に達すると油圧で切り替える機構を採用した。

 ちなみに、「i-VTEC」と呼ばれる2000年以降のタイプは、バルブタイミングを回転数や負荷に応じて無段階で連続変化させる方式へと進化。ただし、i-VTECは機械としての完成度は高いが、そのぶん通常のVTECに対して高回転域の突き抜ける感覚や刺激は控えめ。楽しさでいえば、通常のVTECのほうが好ましいといえる。

 また、昨今の新型車に多く採用されているVTECターボは、カムの切り替えは行なわず可変バルブタイミング機構のみとなっているタイプもある。

VTEC搭載モデルのベスト5

 多くのVTEC搭載車のなかから、筆者が特に印象深かったモデルをピックアップ。セレクト基準はもちろん、実用性の高さではなく、スポーツドライビングにおけるフィーリングの気持ちよさ。これら5台はいずれも、甲乙つけがたいほど印象深かった。

【シビック タイプR(EK9型)】

 1997年に、はじめてシビックに設定された「タイプR」には、”B16B型”の1.6リッターVTECエンジンを搭載。NSXやインテグラのタイプRと同じく職人の手によりポート研磨が行なわれるなど、手間暇をかけた、魂が込められたエンジンだった。また、タイプR用VTECエンジンは「赤ヘッド」と呼ばれたヘッドカバーの採用で差別化されたことも(通常は黒)、当時の若者たちにハートを熱くさせた。

 185psの最高出力を発生するのは、8200rpmと超高回転型で、レブリミットの9000回転まで気持ちよく回る。暴力的なパワーではないから、思うがままにアクセルを踏み込んで、爽快な高回転を堪能できた。

【NSX(初代NA1型)】

 世界を変えた「スーパーカー」である初代NSXの”C30A型”3リッターV6エンジン(前期型に搭載)にもVTECが組み込まれた。

 最高出力は、当時の馬力規制上限の280psを発揮。チタン製コンロッドを採用するなど可動部の重量を徹底的に抑えたことで、昇天しそうなほど極上な高回転フィールが印象的だった。なかでもグレード「タイプR」はさらに鋭いレスポンスが味わえた。

【S2000】

 VTECを搭載した唯一の市販FRモデル。前期型(1999年発売)は排気量2リッター直4の”F20C”エンジン(最高出力発生回転数は8300rpm)、後期型(2005年発売)は排気量2.2リッターの”F22C”エンジン(同7800rpm)を搭載。

 レブリミット9000回転という超高回転型エンジンで、高回転カムへと切り替わってからの湧き出すようなパワーとどこまでも回り続けるような感覚は、(環境規制などの制約から)今後の新車では2度と味わうことはできない。鋭さは前期型のほうが上だが、後期型でも十分に刺激的だった。

【シビック タイプR(現行FK8型)】

 もちろん、現在でもVTECの醍醐味を新車で堪能することは可能だ。2017年に発売されたシビックに搭載するエンジンは、2リッター直4の”K20C型”というもの。ターボ付きのVTECだからこその極太の低回転トルクは、サーキットでのタイムアタックで絶大な効果を発揮する。

 最高出力は320ps。かつてのような高回転の鋭さはないものの、エンジンを回した時のパンチ力は申し分なく、驚きの速さを体感できる。

【NSX(現行NC1型)】

 2017年に国内登場し、ハイブリッドカーとして生まれ変わった現行NSX。こちらも新車で購入でいるVTEC搭載車で、搭載ユニットはモーターと組み合わせた”JNC型”3.5リッターV6のツインターボエンジンだ。

 出力はエンジンが507ps、モーターはフロントが37ps×2基、リヤが48psで、システム最高出力は581psを発揮。意外なことに、エンジンを止める極低速域を除けばドライブフィーリングにモーター感をほとんど感じない。

 初代NSXのVTECと違い、高回転カムに切り替わった時の突き抜ける感覚はないが、圧倒的な速さと爽快感はさすがといえるだろう。

文:Auto Messe Web 『Auto Messe Web編集部』
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みんなのコメント

64件
  • タイトルで自然吸気って書いておいてターボ付きを出してくるとは
  • 異議あり!
    なぜ旧型と現行のシビック、NSXがあるの。おかしい。
    最初に積んだのはインテグラなのだから。
    自分はB18CとK20AのインテグラtypeR乗っていたが、B18Cは手組みでバランスとられたのでコスト掛かってたし高回転側に切り替わって弾けるような音はシビれた。
    もう一度味わってみたい程に。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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