概ねのイメージはあるが車種によって大きく異なる場合も
現代のクルマは例外も多々あるが、おおよそ6年程度でフルモデルチェンジされる。さらに1台(一世代)のクルマが販売される間にマイナーチェンジ、一部改良と言われる変更が行われ、商品力の維持、向上を図る。一部改良からフルモデルチェンジまでまとめてしまえばモデルチェンジなのだが、その違い、変更される幅を考えてみたい。
負け組からの大逆転! フルモデルチェンジで盛り返したクルマ3選
●フルモデルチェンジ
フルモデルチェンジを謳うためにもっとも重要なのは、程度はさておきとして内外装がそれまでのモデルに対し大きく変わり(一見新旧でスタイルの区別がつかないということもあるが)、新しい機能も盛り込まれることだろう。
クルマの土台となるプラットホーム、エンジンやトランスミッションといった機械的な部分に関しては、一口にフルモデルチェンジといってもどちらも一新される、片方が一新される、改良は受けるにせよどちらもそのままと、いろいろなケースがある。
●マイナーチェンジ
マイナーチェンジを謳うのにもっとも必要なのは、フルモデルチェンジ後のスタイルのなかでグリル、バンパー、ヘッドライト、テールランプといった外装パーツが変わり、一目で「変わったな」とわかるスタイルの変更を受けることだろう(変更の幅はクルマによって広く、マイナーチェンジ前と全然違うということもある)。
もちろん機械的な改良も行われるのだが、その幅もボディ剛性が向上する、サスペンションのセッティングが見直されるといった比較的地味なものから、新しいエンジン、トランスミッションが搭載される、電気自動車やハイブリッドカーでは重要なパーツの1つとなるバッテリーが変わるという大きな変更まで幅広い。そのため改良の幅が大きい場合にはビッグマイナーチェンジ、「フルモデルチェンジに近いマイナーチェンジ」などと言われることもよくある。
●一部改良
一部改良ではスタイルを変えずに(何らかのエンブレムやガーニッシュなどが加わるといったわずかな変更があることはあるにせよ)、燃費の向上や安全装備の改良や追加に代表される、外からクルマを見ても分からない比較的地味な改良が行われることが多い。
しかし二代目インプレッサWRX STIが2004年の一部改良の際に、スバルでいうE型に移行した時には、ホイールのPCD(ナットが付く円周の大きさ)が100から114.3に変更される、駆動系のパーツや制御が変わる、最大トルクが向上するなど、内容的には一部改良と言いながら平均的なマイナーチェンジより大規模な変更が施されるということもあり、一部改良の幅も広い。
このようにモデルチェンジと一口にいっても、同じ種類の中でもその範囲、幅の差は非常に大きい。
一例としてはライトバンの現行プロボックスは登場から12年が経った2014年に、フロントマスクがまったく違う、プラットホームやエンジン、トランスミッションも新しいものに変更されており「フルモデルチェンジしたんだな」と思いきや、リヤのスタイルがそのままという理由でメーカーがマイナーチェンジと扱うこともある。
このようにモデルチェンジの種類は人によって感じ方はさまざまだと思うが、メーカーの宣言通りに解釈しておけば、大きな間違いはないのではないかと思う。
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