現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 60年の「ベスト・オブ・ベスト」 1960年代から2010年代まで 欧州COTYの1番を選ぶ(1)

ここから本文です

60年の「ベスト・オブ・ベスト」 1960年代から2010年代まで 欧州COTYの1番を選ぶ(1)

掲載 1
60年の「ベスト・オブ・ベスト」 1960年代から2010年代まで 欧州COTYの1番を選ぶ(1)

欧州COTYが始まってから60周年

1964年、ローバーP6 2000という新しいサルーンが、初の欧州カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)に選出された。それ以来、経験を積んだ自動車ジャーナリストで構成される審査員は、厳正な基準に基づき、年間のベスト・モデルを選び続けている。

【画像】歴代の欧州カー・オブ・ザ・イヤー受賞モデル 英国編集部が選出した代表的な15台 ベストは? 全129枚

クラスやカテゴリーを超えて評価され、幅広い実力が問われる、重要な意味を持つ賞だといえる。そして、2024年は欧州COTYが始まってから60周年という節目だ。

そこで英国編集部では、歴代の欧州COTYの受賞モデルから、特に優れた15台を抽出。最も評価すべき偉大なモデルはどれなのか、選んでみることにした。審査に当たったのは、過去に欧州COTYの選考経験を持つ3名だ。

1人目は、AUTOCARの英国編集長であるスティーブ・クロプリー。自動車ジャーナリストとしてのキャリアは、50年以上前に、母国のオーストラリアでスタートさせたという。1994年から2013年まで、欧州COTYの審査員を務めている。

続いて、マット・プライヤー。大学で自動車工学を学び、1997年から自動車ジャーナリストの道へ。AUTOCARでは、2005年から記事を執筆している。欧州COTYの審査には2013年から関わり、2022年に後輩へその座を譲った。

3人目が、レイ・ハットン。1970年にAUTOCARへ入社し、1984年まで編集に携わった。以降は独立し、世界各国の自動車メディアを中心に寄稿。欧州COTYの審査には1979年から2009年まで加わり、最後の11年は審査員長も務めている。

歴代の受賞車で最も重要なのは「いつ」の「どれ」か

さて、今回の企画にノミネートした15台は、過去60年における欧州COTYの代表的なモデルといえる。1960年代から1990年代まで、10年毎の3台と、2000年以降の3台を、英国編集部のメンバーが選び出した。沢山の議論を交えて。

こうして振り返ると、審査員は、その年の受賞車を最も高く評価していたとは限らないことが見えてきた。今回のラインナップをご覧になって、「あの受賞車が含まれていない」「なぜこのモデルが?」とお感じの読者もいらっしゃるだろう。

英国編集部の好みによって、ノミネート車両には多少のバイアスが掛かっていることを、認めなければならない。だが、2019年のジャガーIペイスなど、象徴的な例はしっかり含まれていると思う。

古いクルマと新しいクルマを画一的に並べて、性能などを単純に比較しても意味がない。該当する10年間で、最も大きな影響を与えたモデル、ドライバーズカーとして特に先進的だったモデルということを、大きな評価軸とした。

欧州COTYの審査に準じて、デザイン、快適性、経済性、操縦性、動力性能、機能性、安全性、価格価値を、年代毎に採点。上位5台の車両を改めて評価し、60年間のベスト・オブ・ベストを選んだ。

内燃エンジンの時代が終わりを迎えようとしている今、歴代の欧州COTYで最も重要だった1台は、「いつ」の「どれ」か。少々長い企画となったが、最後までお付き合いいただければ幸いだ。

1960年代 NSU Ro80/ルノー16/ローバー2000

1963年に発売されたローバー2000は、欧州COTYの指針を具体的に定めた、基準点的なモデルだ。スタイリングを担当したのは、デビッド・ベイチュ氏。空力的に優れ、適度にコンパクトで、先進性と伝統性が巧みにブレンドされていた。

従来のブランド支持者を落胆させず、ターゲット層を広げたといっていい。リアサスペンションは知的なドディオン式で、タイヤの接地性を担保。スポーツカー顔負けの、ダイナミックな走りを実現していた。

それまで長く現役だったローバーP4を置き換えるモデルとして、安全性にも配慮されていた。ディスクブレーキは前後に標準。キャビンのレイアウトは人間工学的にも練られ、美しいだけでなく機能的でもあった。

その内容の濃さを考えれば、初の欧州COTYへ選ばれても不思議ではないだろう。審査員から76ポイントを集め、先進的な技術を満載したメルセデス・ベンツ600を2位へ抑えた。1964年の3位は、ヒルマン・インプだった。

審査では、2000の乗り心地や操縦性、価格価値、製造品質を高く評価。僅かにポイントを下げたのは、新開発の1978cc SOHC 4気筒エンジンだった。燃費は悪くなかったが、高速道路も余裕でこなせた90psの最高出力は、もの足りないと感じられたようだ。

それから約60年。走行距離たった1万4500kmの1966年式2000を持ち込んでくれたのは、自動車の広告業界で活躍してきたデニス・チック氏。少しパワフルなTCグレードではあるが、やはり、ちょっと力不足な印象は変わらないといえる。

この続きは、欧州COTYの1番を選ぶ(2)にて。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
ベストカーWeb
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
ベストカーWeb
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
Auto Messe Web
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
AUTOSPORT web
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
AUTOSPORT web
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
AUTOCAR JAPAN
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
乗りものニュース
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
motorsport.com 日本版
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
AUTOSPORT web
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
AUTOSPORT web
ウイリアムズとアメリカの電池メーカー『デュラセル』がパートナーシップを複数年延長
ウイリアムズとアメリカの電池メーカー『デュラセル』がパートナーシップを複数年延長
AUTOSPORT web
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
くるまのニュース
フェラーリ育成のシュワルツマンが陣営を離脱。2025年はプレマからインディカーに挑戦
フェラーリ育成のシュワルツマンが陣営を離脱。2025年はプレマからインディカーに挑戦
AUTOSPORT web
スバルBRZに新たな命を吹き込む 退役軍人のセカンドキャリアを支援する英国慈善団体
スバルBRZに新たな命を吹き込む 退役軍人のセカンドキャリアを支援する英国慈善団体
AUTOCAR JAPAN
オープンカー世界最速はブガッティ!「ヴェイロン」より45キロも速い「453.91km/h」を樹立した「W16ミストラル ワールドレコードカー」とは?
オープンカー世界最速はブガッティ!「ヴェイロン」より45キロも速い「453.91km/h」を樹立した「W16ミストラル ワールドレコードカー」とは?
Auto Messe Web
リバティ・メディアCEOマッフェイの退任、背景にあるのはアンドレッティとのトラブルか
リバティ・メディアCEOマッフェイの退任、背景にあるのはアンドレッティとのトラブルか
AUTOSPORT web
『ローラT92/10(1992年)』“賃貸住宅ニュース”で強いインパクトを残した新規定グループCカー【忘れがたき銘車たち】
『ローラT92/10(1992年)』“賃貸住宅ニュース”で強いインパクトを残した新規定グループCカー【忘れがたき銘車たち】
AUTOSPORT web

みんなのコメント

1件
  • coy********
    シトロエンXMやフィアット・ディーノ、ジェンセン・インターセプターも捨てがたいんだが。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

94.999.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索
レイの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

94.999.9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村