■高機能なスポーティセダンへと進化した現行クラウン
「クラウン」といえば、トヨタはもちろん日本を代表する高級車として、長きにわたって多くの人の憧れとなってきた1台です。
一方、移りゆく時代の流れのなかで、クラウンに求められるものも変化してきていますが、15代目となる現行モデルはどのようなクルマなのでしょうか。
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クラウンは、1955年の初代モデルが登場以来、トヨタはもちろん日本を代表する高級車として多くの人の憧れの対象となってきました。
15代目となる現行モデルは、2018年に登場。先代からの最大の変更点は、「もっといいクルマづくり」を具現化するための新しい思想である「TNGA」によって開発された「GA-Lプラットフォーム」が採用されたことです。
GA-Lプラットフォームは、レクサス「LS」などにも採用されていますが、クラウンのものは、日本の道路環境や交通事情に合わせて調整された「ナロー版」となっています。
そのため、現行クラウンのサイズは全長4910mm×全幅1800mm×全高1455mmと、先代に比べて全長と全高はわずかに拡大していますが、全幅は1800mmが死守されています。
一方、新しいプラットフォームの採用に加え、欧州車のテストで使用されることの多いドイツ・ニュルブルクリンクで走行テストを繰り返したことで、「走る・曲がる・止まる」といったクルマの基本的性能が大きく磨かれたことも特徴です。
また、トヨタでは現行クラウンを「初代コネクティッドカー」と銘打っていることからもわかるように、現代的な「つながるクルマ」としての機能が強化されています。
具体的には、DCM車載器と呼ばれる通信装置を介して、車両やドライバーの状態が「モビリティサービス・プラットフォーム」へと集められ、状況に応じて、オペレーターによりコンシェルジュサービスを受けられたり、事故や急病時の緊急車両手配がおこなわれたりします。
また、安全装備についても、最新の「トヨタセーフティセンス」が搭載され、夜間歩行者と昼間自転車運転者の検知機能がついたプリクラッシュセーフティシステムなどが追加されています。
現行クラウンのグレード構成は、先代まであった「ロイヤル」と「アスリート」は廃止され、標準仕様の「G-Executive」「G」「S」「B」と、スポーティ仕様の「RS Advance」「RS-B」「RS」を中心としたものとなりました。
パワートレインは2リッターのガソリン車に加え、2.5リッターのハイブリッド車、そして最上級グレードである「G-Executive」と「RS Advance」では、3.5リッターのハイブリッド車も選択することが可能で、ハイブリッド車ではフルタイム4WDも用意されています。
WLTCモード燃費は、2リッターガソリ車が12.4km/L、2.5リッターハイブリッド車が18.2km/L-20.0km/L、3.5リッターハイブリッド車が16.0km/Lです。
組み合わされるトランスミッションは、2リッターガソリン車では8速AT、2.5リッターハイブリッド車ではCVT、そして3.5リッターハイブリッド車では、トヨタブランドとしては初めての採用となるマルチステージハイブリッドトランスミッションとなります。
現行クラウンの価格帯は、エントリーモデルである「2.5L HYBRID B」の489万9000円から、最上級グレードの「3.5 HYBRID G-Executive」の739万3000円です。
最近の改良では2020年11月に仕様変更にて、内外装の質感向上や安全・安心機能の追加がおこなわれました。
外装に関しては、新規開発色の「プレシャスホワイトパール」や「プレシャスメタル」、「エモーショナルレッドII」が採用されたほか、「RS Advance」グレード専用の18インチアルミホイールが追加されるなど、ホイールバリエーションがさらに充実。
また、内装ではさらに多くのグレードで本革シートを選択できるようになったほか、12.3インチTFTタッチワイドディスプレイ採用のT-Connect SDナビゲーションシステムが標準装備されました。
安全・安心機能については、体調急変などドライバーの無操作状態が継続している場合に、徐々に車両を減速させ自車線内に停車する「ドライバー異常時対応システム」や、ACC利用時にAI技術により前方カーブの大きさを推定しステアリングの切り始めで速度抑制を開始する「カーブ速度抑制機能」をトヨタとしてはじめて採用するなどの改良がおこなわれています。
また、2021年6月にはダークカラーで上質さとスポーティさを高めた内外装の特別仕様車「Limited II」と、エレガントで高級感のある内外装の特別仕様車「Elegance Style III」が新たにラインナップされました。
※ ※ ※
高級車の代名詞ともいわれたクラウンですが、レクサスブランドの日本導入や、「アルファード」などの高級ミニバンの台頭で、その役割が変化しつつあります。
また、SUV全盛の昨今では、クラウンでさえもSUV化するという噂も流れるなど、大きな変革期に差し掛かっていることがうかがえます。
日本を代表する名車が、今後どのような道をたどるのか注目です。
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みんなのコメント
若作りをするとどういう結果になるか、開発担当者も考えたはずなのだが。
会心のヒット作になると思ったのかなあ