この記事をまとめると
◾️1980年代から1990年代にかけて、アメリカではセクレタリーカーと呼ばれるクルマたちが人気だった
日本でフェアレディZに乗れるのもアメリカ人のおかげ! アメリカで「クーペ」が根強い人気を誇るワケ
◾️セクレタリーカーは秘書に代表される働く女性たちがよく乗っていた小型クーペを指す
◾️セクレタリーカーとして大ヒットしたのが三菱自動車の「エクリプス」だった
小型クーペの呼称「セクレタリーカー」とは
1980~90年代初頭、「ヤンエグ」といった表現がテレビドラマなどでもてはやされた。ヤングエグゼクティブのことである。このエグゼクティブとは上級管理職のことだが、若くして昇進した大手企業の社員というよりは、ベンチャー企業経営者といったイメージがあったように思う。
また、企業勤めでも、大手広告代理店やゲーム関連企業などで業績を上げ、六本木、赤坂、青山あたりでのナイトライフをエンジョイしていた20代後半から30代半ばの人たちもヤンエグと呼ばれていたように、いま振り返ると思う。
彼らに人気のクルマは、「ソアラ」を筆頭とする「ハイソカー」や、BMW3シリーズ、ベンツ190E、そしてサーブなどの輸入車たちであった。
そんな日本でのバブル期から1990年代後半頃まで、アメリカでは「セクレタリーカー」と呼ばれるクルマがあった。セクレタリーとは、企業で働く秘書のことだ。
2020年代で秘書といえば、ジェンダーレスの観点から女性に限定できないが、1980~90年代のアメリカで秘書といえば、それは女性が主流であった。
そんな彼女たちが毎日の通勤や日常生活で使うクーペを、自動車関連メディアなどがセクレタリーカーと呼ぶようになった。そのため、自動車メーカー側が新規の商品企画で商品性をセクレタリーカーとするケースも自然と出てきた。
そうしたなか、セクレタリーカーとして成功したのが、三菱自動車「エクリプス」だった。
小洒落ていて、かつ先進的なイメージのエクステリアデザインが、女性にうけた。当時、米西海岸ロサンゼルスの南部、サイプレスにあった北米三菱のデザインセンターを定常的に取材していたが、担当デザイナーはエクリプスの進化について熟慮していたことを思い出す。
セクレタリーカーとしての商品価値を維持しながらも、セクレタリーカーという枠から抜け出す方法を探っていたのだ。
そもそもアメリカでは、2ドアモデルにおけるオーナー男女比は女性の比率が高めだ。シボレー「カマロ」、フォード「マスタング」、さらにレクサスやインフィニティなどでもそうした傾向が出ていた。
さらにいえば、日本でいうオープンカー、アメリカでいうコンバーチブルでも女性ユーザーの比率が高い傾向にあった。
そうしたクーペ市場の一部が、セクレタリーカーと呼ばれるようになった。ただし、三菱自動車を含めてメーカー各社関係者の話を聞いた限り、セクレタリカーに明確な定義はないようだ。
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みんなのコメント
サイノスは小型クーペの日本車だけど、コンバーチブルにする工程は、一旦アメリカに持っていきやっていた。
この手の車のノウハウ、需要はアメリカの方があったようですね。
あれスバルがスポンサーでセクレタリーカー狙ったみたいだけどデザインやブランド力のせいか全然売れなかったみたいね