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トゥーバー取付けは想像より大変 ホンダ・シビック 長期テスト(5) 楽しい三輪バギー

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トゥーバー取付けは想像より大変 ホンダ・シビック 長期テスト(5) 楽しい三輪バギー

積算1万930km 想像以上に大変なトゥーバー取付

驚かないで。ホンダ・シビックは壊れていない。むしろ調子は良い。

【画像】通勤路も楽しい ホンダ・シビック e:HEV 現行と先代のタイプR NSX タイプSも 全128枚

写真は、グレートブリテン島の中東部、ピーターバラへ位置するディーラー、マーシャル・ホンダを尋ねた時の様子。シビックのバンパー下に、トレーラーを牽引するトゥーバーを取り付けてもらうことになったのだ。

英国では標準アクセサリーの1つに用意されており、ディーラー・オプションになっている。1本の電話で予約は終了。クルマを走らせ受付へ赴くと、窓口のスタッフは作業終了まで3時間が必要だと説明する。

ジャッキアップする必要があるとはいえ、こんなに時間が必要だとは知らなかった。費用も1245ポンド(約20万円)と、想像以上にお高い。しかし、作業内容を拝見して納得できた。

担当する整備士は、新しいシビックにトゥーバーを取り付けるのは初めてだと話す。ディーラーへ配られているマニュアルには手順が詳しく記載されているため、心配はいらないという。

スナップオンの立派なツールボックスの上に載せられた、ラップトップ・パソコンを見ながら作業は進められていく。画面を覗かせてもらったが、ひとつひとつ丁寧に記載されていて、筆者も手伝えそうに思えた。

肝心の固定方法だが、リアバンパーまわりを一式外す必要がある。バンパーフェイスを剥がして、衝撃を吸収する構造材が取り外される。この構造材部分を、トゥーバーが組み込まれた新しい部品へ交換する必要があるらしい。

素晴らしいホンダ・ディーラーの対応

リアのサブフレーム部分に、金属製のインサートも追加された。これにより、最大750kgのトレーラーを引っ張るのに充分な強度が確保される。シビックの車重が1533kgなことを考えると、かなりの重さまで耐えられるように思う。

次にインテリア。必要な配線を、トゥーバーからダッシュボードの裏側まで引き込む必要がある。これも簡単な作業ではない。リレースイッチは荷室の内張りの裏へ仕込むのだが、リアシート側のエアバックも外すことになる。

驚いたのは、ボルトやクリップの数。天井の内張りも含めて、作業前と同じようにガタつきなく内装が組み直された。

正規ディーラーであっても、作業内容に疑問を抱いた経験をお持ちかもしれない。だが、マーシャル・ホンダの対応は素晴らしかった。筆者の疑問へも快く答えてくれたし、すべてが丁寧。最後にはボディを洗って、車内に掃除機もかけてくれた。

筆者がAUTOCARのスタッフだから、普段以上の気遣いがあった可能性は否定できない。しかし自然な振る舞いからして、そんなことはないと思う。

積算1万2478km 最高に楽しい37年前の三輪バギー

ひと昔前、ホンダの広告戦略は好調だった。最も筆者の記憶に残っているのは、英国で展開された「インポッシブル・ドリーム」。ある男性がバイクで発進し、クルマ、ボートへ乗り換え、ホンダジェットで飛び立ち、最後にロボットのアシモが出迎える内容だ。

筆者は物心がついた頃から日本の自動車メーカーが好きだった。そんな気持ちを、後押ししてくれる内容だった。

日本車は能力の幅が広い。欧州車とは異なる、特徴的なモデルを提供し続けている。ホンダに限らず、トヨタもスズキも、日産、スバル、マツダ、すべてが独自らしさを持っていると思う。

ホンダは、運転の楽しいハイブリッドだけでなく、マックス・フェルスタッペン氏が駆るF1マシンのエンジン、バイク、モーターボートの船外機、プライベートジェットまで、幅広く手掛けている。そして筆者は、37年前のホンダを今も大切にしている。

1970年代、同社はオールテレイン・サイクル(ATC)と呼ばれる三輪バギーを提供するようになった。1984年には、市場シェアの69%を握るまでに成長している。

父が営む農場には、ホンダの芝刈り機と発電機に加えて、三輪バギーもあった。若かった筆者が父から特別なプレゼントを受け取るのは、必然といえた。

写真の赤い三輪バギーには、72ccの4ストローク空冷単気筒エンジンが載っている。最高出力は3.5ps。遠心クラッチ付きの4速トランスミッションを介し、チェーンで後輪を駆動する。今でも最高に楽しい。

気使いなしに運転できるハイブリッド

ところが、三輪バギーは多くの事故を引き起こした。1980年代に入り、ホンダは英国での販売を中止した。自分は事故とは無縁だったが、父が注意するように頻繁に声をかけてくれたおかげだろう。

悪ふざけすれば転倒するが、スロットルを慎重に回し体重を移動させれば、コーナーを高速で駆け抜けられる。農場の砂利道ではテールスライドさせ、ナイジェル・マンセル氏になった気分になれる。

トランスミッションは単純。左足のペダルで変速でき、3速以上ではまあまあスピードが出る。全開で身をかがめれば、40km/hくらいには届くだろう。

倉庫にしまって以来、乗るのは6か月ぶり。手入れはこまめにしているし、2年に1度、地元のバイク店へメンテナンスにも出してきた。

コールドスタート時は、チョークを調整しないとうまく点火されない。新しいガソリンを注いで、何度かのトライで問題なく始動した。ホンダの技術力は、小さな三輪バギーにも落とし込まれている。

シビックの長期テストはもうじき終了予定だが、今から寂しい気分でいる。ハイブリッドへ改良を重ね、気使いなしに運転できる完成度へ高められている。バッテリーEVのように、充電計画や航続距離の心配はいらない。

確かに、以前のホンダと比べれば退屈かもしれない。しかし、仕上がりの良さが強く記憶へ刻まれた。ベーシックなハッチバックでありながら。よりエキサイティングな乗り物も、ホンダなら可能だろう。

積算1万3090km 有効なプラスティック製ライナー

愛犬のウエストハイランド・テリアと一緒にシビックで何度か旅をしたが、荷室に敷ける、プラスティック製ライナーの有効性を実感できた。英国仕様には標準装備で、カーペットに絡みつく犬の毛と格闘することがなくなる。

しかし、犬の方は硬いプラスティックがお好みではないらしい。カーブを曲がる度に滑ってしまうから。

テストデータ

気に入っているトコロ

ソリッドな質感:シビックのカッシリとした印象が好ましい。乗り始めたときより、ソリッド感が増したように思う。
快適性:長い1日の仕事を終えた後、シビックに乗ると快適さに改めて気づく。

気に入らないトコロ

ディティールの安っぽさ:スマートフォン用ワイヤレス充電パッドのステッカーが、チープに見える。
ウオッシャー液の警告:ウオッシャー液が空になっても、メーターパネルなどで教えてはくれない。

テスト車について

モデル名:ホンダ・シビック 2.0 i-MMD e:HEV アドバンス(英国仕様)
新車価格:3万2995ポンド(約531万円)
テスト車の価格:3万3820ポンド(約44万円)

テストの記録

燃費:18.4km/L
故障:なし
出費:トゥーバー取り付け 1245ポンド(約20万円)

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