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最速の称号が与えられた「ベントレー ベンテイガ スピード」をサーキットで試す!【Playback GENROQ 2019】

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最速の称号が与えられた「ベントレー ベンテイガ スピード」をサーキットで試す!【Playback GENROQ 2019】

Bentley Bentayga Speed

ベントレー ベンテイガ スピード

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最速の称号“スピード”を冠したモンスターSUV

ベントレーの最速グレードに与えられる“スピード”の称号がベンテイガにも加わった。W型12気筒ツインターボエンジンはスタンダードより27ps多い635psを叩き出す。最高速度306km/h、0-100km/hは3.9秒という、モンスターSUVの誕生である。もはや公道では計り知れないパフォーマンスを、英国のサーキットでモータージャーナリスト・大谷達也が味わった。

「日本には限定20台が導入されるという希少なモデル」

ベントレーのラグジュアリーSUV“ベンテイガ”にハイパフォーマンス仕様の“スピード”が追加された。日本には限定20台が導入されるという希少なモデルだ。

その心臓部はベントレー自慢の6.0リッター W12ツインターボエンジンで、最高出力はスタンダードなベンテイガに対して+27psの635ps、最大トルクは従来と同様の900Nmを生み出す。ただし、エンジンのハードウェアには基本的に変更点はなく、燃料噴射マッピングの変更と過給圧の引き上げでこのパフォーマンスを実現したという。

外観上ではヘッドライト、ラジエーターグリル、バンパーグリルなどがダークティンテッドに改められたほか、テールゲートにはスタンダード仕様より大きなリヤスポイラーを装着したことが識別点となっている。

「従来モデルに対してスイートスポットがスポーツ方向に広がった」

では、足まわりの変更点はないのか? オプションで設定される22インチホイールにスピード専用のデザインが用意されるものの、ハードウェア面では一切変更ないというのがベントレー側の公式見解。果たして、それでエンジンのハイパワー化に対応できるのだろうか?

実はハードウェアに変更がなくてもソフトウェアには修正が加えられた。これは48Vシステムを使ったアクティブロールコントロールのダイナミックロールシステムと電子制御式サスペンションの設定に関するもので、スポーツモードを選択したときのみ、ダンピングレートとロール剛性を高めてコーナリング時のロール量を抑えたという。

これによってどんな効果が期待できるのか?

ハードウェアに一切変更がなく、ソフトウェアの修正もスポーツモードのみ実施されたとすれば、コンフォートモードやBモードでの快適性はスタンダードモデルとまったく同じことになる。一方で、ワインディングロードではスポーツモードを選ぶことで635psのパワーをしっかりと受け止める足まわりに変貌する。つまり、従来モデルに対してスイートスポットがスポーツ方向に広がったのがベンテイガ・スピードだと考えられるのだ。

もっとも、エンジンのパワーアップとリヤスポイラーの大型化による効果は思いのほか大きく、最高速度は5km/h伸びて306km/hを達成。これはランボルギーニ・ウルスの305km/hを上回るもので、ベントレーはベンテイガ・スピードにより“世界最速SUV”のタイトルをウルスから奪い返すことになった。

「車重が2.5トン近いとは思えない軽快さで加速していったのには舌を巻いた」

ベンテイガ・スピードの国際試乗会はイギリス・ウェールズのアングルシィ・サーキットで行われた。このモデル自体は決してサーキット走行に主眼を置いているわけではないが、公道でそのパフォーマンスを見極めようとすればリスクが高いことからサーキットを試乗会場にしたという。反対に、一般公道での印象は従来のベンテイガと変わらないことから実施されなかった。

ベンテイガをサーキットで走らせるのは今回が初めてだったが、コース全長に対するストレートの比率が高いアングルシィで試乗しても、ベンテイガ・スピードがパワー不足とはまったく感じなかった。むしろ、Bモードで走っているとロール量が大きく、タイヤがコーナリング限界を迎えるより先に心理的な限界が先に訪れるような気がした。しかし、そのような状態でもベンテイガ・スピードはコーナー進入で過大なアンダーステアを発生しないうえ、立ち上がりではバツグンのトラクション性能を発揮。車重が2.5トン近いとは思えない軽快さで加速していったのには舌を巻いた。

「コーナーの入り口から出口まで一定したスキール音の聞こえるペースで走行できる」

続いて、“スピード”専用のチューニングが施されたスポーツモードに切り替える。するとロール量がぐっと減り、ハードコーナリングでも安定した姿勢を保つようになった。これだけ足まわりがしっかり踏ん張ってくれれば、タイヤを限界近くまで追い込むのは難しくない。ついにはコーナーの入り口から出口まで一定したスキール音の聞こえるペースで走行できるようになったが、その状態でアクセルを故意にオンオフしてもオーバーステアやアンダーステアはほとんど顔を出さず、安定した姿勢を崩さなかった。しかも、この状態でもスタビリティコントロールの作動は皆無だったのだから、ベンテイガのシャシーはかなりポテンシャルが高いと評価できる。

その後、インストラクターによるデモンストレーションランを体験したが、コーナリング速度が私より20%ほど高いこともあって、彼はスロットル操作で微妙に走行ラインをコントロールしていた。これだけのパフォーマンスを備えていながら、外観をほとんどモディファイしなかったところに、ベントレーの粋なセンスが表れていると言えるだろう。

REPORT/大谷達也(Tatsuya OTANI)
PHOTO/Bentley Motors

【SPECIFICATIONS】

ベントレー ベンテイガ スピード

ボディサイズ:全長5150 全幅1995 全高1755mm
ホイールベース:2995mm
車両重量:2530kg
エンジン:W型12気筒DOHCツインターボ
総排気量:5950cc

最高出力:467kW(635ps)/5000-5750rpm
最大トルク:900Nm(71.4kgm)/1500-5000rpm
トランスミッション:7速DCT
駆動方式:RWD
サスペンション形式:前ダブルウイッシュボーン 後マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク(カーボンセラミック)
タイヤサイズ:前後285/40ZR22
最高速度:306km/h
0-100km/h加速:3.9秒
車両価格:2945万4545円

※GENROQ 2019年 8月号の記事を再構成。記事内容及びデータはすべて発行当時のものです。

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みんなのコメント

1件
  • サイズ的にもクラス的にもベンテイガはランドクルーザー200、レクサスLXと覇を競う感じですかね。LXもベンテイガみたいに華のある内装だったら更によし。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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