後付けが難しいSOSコールのように自動通報ができるものも
高齢者が運転するクルマによる悲惨な交通事故が相次いでいる。家族に高齢でも日々運転を楽しんでいるような親がいるとすれば、心配は尽きないはずだ。
一度経験すると付いていないクルマに乗れなくなるほど便利な装備11選
最新の先進安全運転支援機能満載のクルマに乗っているなら安心だが、そうでない場合、しかも買い替えを検討していないなら、2021年に新車に装着が義務付けられる自動ブレーキは必須としても、さらなる安全・安心を得るためにはどうしたらいいだろうか。その答えのひとつが、後付けによる安全運転支援機能を取り付けることだ。
まずは、あおり運転被害のニュースが報道されて以来、多くのドライバーが装着しているドライブレコーダーだ。高齢者はゆっくりとした運転をすることが多く、せっかちなドライバーにあおられる可能性がある。また、もらい事故などでは、高齢ゆえ動揺し、事故の正確な情報を把握しきれないこともあるだろう。
そんなとき、役に立ってくれるのがドライブレコーダーだ。ここでお薦めしたいのは、自動車保険のサービスのひとつのドライブレコーダー特約。これは、特約としてドライブレコーダーをレンタルしてくれるもの。ここからがポイントなのだが、後付けが難しいSOSコールのように、事故時に自動通報通知が可能である点だ。
一定の衝撃のある事故を起こすと、(センター)オペレーターに自動通報され、映像も自動送信されるから心強い。マイクとスピーカーによってオペレーターによる安否確認が行われ、警察、消防の通報やロードサービスの手配も行ってくれるのだ。
そうしたドライブレコーダー特約は三井住友海上、東京海上日動、損保ジャパン日本興亜、あいおいニッセイ同和などの自動車保険会社で用意しているが、なかには警備会社の駆けつけサービス、高速道路逆走警告機能を用意しているところもあるから、さらに安心である。特約料金は月額1000円以下というのもありがたい。
また、市販のドライブレコーダーのみを取り付ける場合は、前方カメラはもちろん、後方カメラも必須。できれば360度監視できるタイプが、あらゆる事態に備えられ、より安心である。
ペダルの踏み間違いを防いだり逆走を知らせる機能もある!
高齢者の事故の多くが、アクセルペダルの踏み間違いによる暴走、事故と言われている。踏み間違い抑制機能は今では軽自動車にもついている先進安全運転支援装備だが、現在所有しているクルマに付いていなくてもOKだ。トヨタ純正品やカー用品店で取り付けできる後付けタイプが用意されている。
トヨタ車ならアクア、ヴィッツ、パッソ、カローラ、プリウスなど全12車種の、標準でアクセル踏み間違い防止装置の付いていないクルマに後付け可能。前後方向、ガラスも検知するシステムだ。クルマの所有者が65歳以上であれば、サポカー補助金の対象になることもあるから、チェックしたい(2020年3月9日より申請開始。アクセル踏み間違い防止装置ついては4万円で補助金は販売事業者に交付される)。
また、カー用品店でもデータシステムの「ペダルの見張り番II」などを購入、取り付けすることもできる。例えば、停車または10km/h以下で走行中にアクセルを短時間で急激に踏み込んだ場合、アクセル信号をキャンセルして急発進を防ぐことができる後付け装置だ。「ペダルの見張り番II」の対応車種は軽自動車からミニバンまでの国産車約170車種以上。価格は取り付け工賃込みで4万3200円程度とのこと。
高齢者による、高速道路の逆走事故もニュースになっている。もちろん意図的ではなく、うっかり逆方向の車線に入ってしまう勘違いだろうが、高速道路だけに走行速度が高く、正面衝突してしまうと大変なことになる。そこで役立つのが、ナビゲーションの逆走検知警告機能だ。パナソニックのゴリラが業界で初搭載したもので、SA/PAで休憩後の発進でまず逆走の注意を促し、万一、合流部で逆走を始めた場合は、赤いアイコンと音声で警告してくれるという安心機能だ。ポータブルカーナビゲーションだけに、ゴリラCN-G1200VDで価格は4万円台が中心とリーズナブルでもある。
個人的に、自動ブレーキに次ぐ先進安全運転支援機能だと思っているのが、ブラインドスポットモニターだ。車線変更時などで、後方から接近する、死角にいるクルマを含め、検知してくれる機能で、ドアミラー内のインジケーターの点灯、警告音で、危険を教えてくれるもの。今でもすべてのクルマに付いているわけではないが、この機能もまた後付け可能。
サブロク ブラインドスポットモーションなどのアイテムがあり、汎用と車種専用品が揃っている。サブロク ブラインドスポットモーションの場合、価格は汎用で4万6200円、車種専用で5万4780円である。
もし、高齢の両親の愛車に自動ブレーキさえついていない場合は、買い替えをサポートしてあげる必要がある。自動ブレーキは2021年以降の新車に必須の装備で、交通事故、とくに追突事故を防いでくれる先進安全運転支援であり、もはや付いていて当たり前の装備だ。が、買い替えがままならないというなら、裏技として、Mobileye 570という安全装置を後付けする方法がある。機能としては、追突警報・低速時追突警報・車間警報・車線逸脱警報・歩行者警報の5つの”警報”で事故を防ごうというものだ。ただし、価格は17万6000円とけっこう高価。
自動ブレーキ付きの新車、中古車との買い替えに必要な金額と比較検討する必要がある。もちろん、安心・安全のためにサポカーと呼ばれる安全運転サポート車に買い替えるのが理想。サポカーSにはベーシック、ベーシック+、ワイドとあり、最低限、衝突被害軽減ブレーキ(対車両)、ペダル踏み間違い急発進抑制装置が付いたベーシック+以上を薦める。
ただし、それらの先進安全運転支援機能は事故を絶対に起こさせないものではない。高齢者であろうと、そうでなかろうと、注意深く安全運転に徹するのが基本である。
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みんなのコメント
こないだは平然と歩道走ってたし、対抗車の前を横切り右折なんて毎日見る。
75歳以上は違反点数倍増して取り消しにしていかないと、犠牲者が増え続けるぞ。