スバルから遂に完全なハイブリッドである「ストロングハイブリッド車」が登場する。e-BOXER登場から6年の時を経て登場した期待の新開発エンジンであり、今回その記念すべき1車目となるクロストレックを試乗してきた。果たしてその実力は如何ほどか? ちなみに発売は12月予定、400万円オーバーになるという。スバリストは待ちきれない!?
※価格はベストカー編集部独自調査によるものです
えええ、レヴォーグより高いかも? クロストレックのハイブリッドに400万円の価値はあるか徹底試乗
文:西川昇吾/撮影:茂呂幸正
【画像ギャラリー】スバル大本命のストロングハイブリッドはどうなる? 新開発e-BOXERでますます魅力度アップなクロストレックを隅々まで是非(40枚)
■ストロングハイブリッドの「e-BOXER」の特徴とは?
名称は以前から使われている「e-BOXER」で、航続距離や燃費が大幅に上昇している
スバルが遂に国内市場でストロングハイブリッドを展開する。2.5L水平対向エンジンと組み合わせたハイブリッドシステムをクロストレックに搭載し、ラインアップに追加する。スバル待望のストロングハイブリッドの仕上がりはどうなのか? オンロードはもちろん、オフロードでもその性能をチェックしてきた。
今回、新たにクロストレックのラインアップに加わったストロングハイブリッドは、シリーズ・パラレル式ハイブリッドを採用している。名称は以前から使われている「e-BOXER」がこちらでも採用される形となった。
シリーズ・パラレル式ハイブリッドは、エンジンの駆動力をそのままタイヤへ伝えることと、エンジンで発電したエネルギーをバッテリーへ蓄えてモーターを駆動すること、両方の手段で駆動力をタイヤへ伝えることが可能だ。低速から高速まで、効率良く加速性能と燃費性能の両立を実現することが出来る。
モーターやバッテリーのスペックを見ると、従来までのe-BOXERに比べてハイブリッドとして大幅に進化しているのが分かる。まず、バッテリーの総電力は0.6kWhから約1kWhへと容量アップ。駆動用モーターの最大トルクも65Nmから270Nmへと拡大している。
燃費性能は従来のe-BOXERの15.8km/Lから約2割向上し、スバル車最良の燃費性能となっているとのこと。なお、燃料タンク容量は48Lから63Lへと増やされていて、航続距離はクラストップレベルとなっている。それでいてラゲッジスペースの寸法は変わっていない。(床下収納スペースは無くなっている)
そしてスバル車のアイデンティティと言えるシンメトリカルAWDも健在。ハイブリッドでよく見る電気式AWDではなく、機械式AWDを採用している。フロントにあるトランスアクスルには2つの駆動用モーターを配置。フロントデフとトランスミッション後方に配置されている。
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■加速感はエコ+αな雰囲気
ハイブリッドならではの加速感が魅力的だが、乗り心地はやや気になるところ
スバルのニューウェポンであるストロングハイブリッドe-BOXERに、まずはオンロードで試乗開始。驚かされたのはその加速感だ。ハイブリッドだから当然と言われそうだが、低速からトルクフルなだけでなく、ある程度速度がのってきても「ひとノビ」が感じられる加速感で、このパワートレインならば「STIスポーツ」なグレードとの相性も良さそうな印象であった。
Sモードならばその加速感の良さはさらに際立つ特性となっていた。
ただ、気になる部分もあった。これまでスバル車で感じていたペダルタッチの良さ、ブレーキタッチの自然さが消えてしまっている印象であった。これは、ストロングハイブリッド化によって、回生ブレーキが備わったことが理由であると思うが、これまでのスバル車の良さという部分であればスポイルされた部分と言える。
慣れれば問題ない感触になるが、最初は驚くスバリストもいるかもしれない。
また、気になる部分と言えば乗り心地だ。ストロングハイブリッドはサスペンションの仕様が変更されているが、街乗りの速度域でアスファルトの凸凹やギャップに対してのハネ感というか突き上げ感がやや気になる印象であった。どちらかと言えばリアシートの方が、より気になった感触だ。
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■よりドライバーズカーになった?
急勾配でもグイグイ登る。だが、エンジンブレーキの弱さ故にノーブレーキだと心もとない雰囲気だ
そして、急勾配セクションでの試乗ではトルクフルなパワーユニットの恩恵を味わうことが出来た。重さやかったるさを感じることなく、グイグイと急勾配をストレスなく登っていくのは頼もしい。
コーナーリングもあったが、ここではこれまでのクロストレックに比べて、ステアリングインフォメーションが増えている感触で、よりドライバーズカーになったというか、ストロングハイブリッドモデルの方が、運転が楽しい仕上がりとなっている。
ただ急勾配で気になるポイントもあった。それが、エンジンブレーキの弱さだ。最もエンジンブレーキを効かせても、ノーブレーキでは心もとない雰囲気であった。
加速に関しては鋭いレスポンスを見せてくれたが、全域でダイレクト感がある訳ではないと言える。ただ、重量増に合わせてキャリパーも大きくなっているので、この辺りはスバルとしても対策しているということだろうか。
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■悪路走破性はより高く!
悪路走行は悠々自適で、緻密なトルク制御もスバルらしいこだわりだ
そして、スバルの真骨頂でもある悪路での試乗も行った。試乗コースは芝生がメインであるが、雨の影響でぬかるんだポイントもあった。まさにスバルのシンメトリカルAWDを試すには絶好のコンディションと言える。
正直、サーキット走行経験は比較的豊富な筆者だが、このような悪路での走行経験はほとんどない。そんな筆者でもストロングハイブリッドになったクロストレックならば悠々と走破することができた。
これはバランスに優れているシンメトリカルAWDで、動きが読み取りやすいというのもあるが、新しいストロングハイブリッド化による恩恵もあった。
大出力のモーターで駆動することが可能となったため、より緻密なトルク制御が出来るようになったのだ。ここで、駆動用モーターをフロントとリア、それぞれの駆動にわざわざ用意したスバルらしいこだわりの真価を感じることができた。
ストロングハイブリッド化はスバルのシンメトリカルAWDの利点を更に生かすものであったのだ。
ブレーキタッチやエンジンブレーキなど「もう少しここが…」と思う部分はないことはないが、スバル初めてのストロングハイブリッドと考えると、今後まだまだ煮詰まっていくことだろう。初めてとしては完成度が比較的高いと感じた。
今後、このパワーユニットは他の車種にも追加されていくことだろう。スバルの今後を担うパワーユニットとして期待が持てる試乗であった。
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