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大型トラックの「タイヤの数」と「位置」に注目すると面白さ倍増! いまの流行は「運転しづらい」4軸低床だった

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大型トラックの「タイヤの数」と「位置」に注目すると面白さ倍増! いまの流行は「運転しづらい」4軸低床だった

 この記事をまとめると

■大型トラックは日々人びとの生活を支えている

旧普通免許でOKなのにバカでかい! 軽い荷物しか積めない「いびつ」なトラック「お化け4トン」って何?

■タイヤの数や配置によって異なる性能を発揮する

■大型トラックの特性について解説

 大型トラックにはいくつかの種類が存在

 日夜、わたしたちの暮らしを守るべくたくさんの荷物を運んでくれている大型トラック。真冬ともなると、毎年のように大雪による立ち往生のニュースが話題となるが、ご多分に洩れず大型トラックたちが現場に取り残されていることも多い。もちろん、誰しもがそんな大雪のなかを好んで走りたいとは思うまい。プライベートや業務内容によっては、先方に相談した上で日程を再調整することも可能だろう。

 しかし、彼らの仕事はそう簡単なことではない。なかには鮮度が重要な荷物を運んでいるケースも多いため、困難を押してでも荷主から預かった大切な荷物を運び届けなければならないのである。

「重量のある大型トラックは雪道に強いでのは」と思う人もいるだろうが、場合によっては乗用車よりも弱いケースもある。空車や軽量の荷物であれば駆動輪に荷重がかからないため、雪道にめっぽう弱くなってしまうのだ。後輪の2軸いずれも駆動するツーデフ車であれば雪道にも強くなるが、燃費が悪くなるために長距離輸送のトラックには不向きとなる。悪路を走るダンプカーやミキサー車以外では、ツーデフ車を選ぶメリットは少ないといえるだろう。そんな状況下で大型トラックやトレーラーを雪道で走らせるということは、想像以上に大変なものなのだ。

 そんな大型トラックを見たときに、タイヤの位置や数が異なる車両を見かけたことがあるだろう。前1軸、後1軸で最大積載量7トンのトラックは全長9m前後、横幅は2.5m前後であるため、サイズ的には中型トラックと変わらない。

 しかし、車両総重量8トン未満、最大積載量5トンまでのトラックが中型トラックとして扱われるため7トン積みのトラックも大型扱いされるのだが、一般の人たちには見わけがつかないかもしれない。もっとも簡単な判断材料は、ナンバープレート。中型までは上部2本のネジで止めされているのに対し、大型車のナンバープレートはひとまわり大きく、かつ上下2本ずつ、計4本のネジで固定されている。その部分に注意を払ってトラックを見たとき、このトラックも大型なのかと驚くケースもあることだろう。

 大型トラックで代表的なものは、フルサイズと呼ばれる全長12m、全幅2.5m以内の個体(トレーラーではない)。単車としては国内最大の大きさで、全高は3.8mまでと規定されている。そんなフルサイズの大型トラックにはいくつかの種類が存在するため、運ぶ荷物や内容に適したシャシーを選択することが肝となる。タイヤの数や配置に、さまざまな秘密が隠されているのだ。今回は、そんな大型トラックの特性について解説しよう。

 いま4軸低床がアツい!

 もっとも一般的なのが、3軸と呼ばれるトラック。前1軸と後2軸で構成される、もっともポピュラーなシャシーだ。

 タイヤの径によって高床と中低床にわけられるが、このタイプはオーバーハングが長いため、ハンドルを目一杯切ると車体の後部が左右に大きく振れてしまう。そのため、右左折の際にハンドル操作を誤ってしまうと、車体の後部が隣の車線や路側帯へとはみ出してしまい、直進車両やガードレールなどに接触してしまう危険性をはらんでいる。その代わり旋回能力や乗り心地に優れているため、多くの現場に対応した内容となっている。

 同じ3軸でも、前2軸の後1軸というものが存在する。タンクローリーでも見かけるこちらはふたつの前輪がハンドルと連動するのだが、ステアリング機構上の問題からハンドルが切れず、旋回半径は大きくなってしまう。オーバーハングが短いため車体の後部を振る危険性は少なくなるが、後輪が1軸しか存在しないため最大積載量が少なくなり、重量物の長距離輸送には適さない。それゆえに、軽い荷物を運ぶ大手運送会社の路線便などで活用されている。

 液体物を運ぶ場合は車両前後にも荷重がかかるため、どうしても前輪への負担が大きくなる。1軸ではバランスが悪くなってしまうために、タンクローリーでは前2軸のシャシーが好まれているのだ。前2軸のトラックは直進安定性がよくなることが特徴で、後1軸ではタイヤの数そのものが少なくなるぶん、経費を抑えることができるというメリットが存在している。

 そして、現在もっとも人気が高いと感じるのが、小径タイヤを履かせた前2軸+後2軸の4軸低床である。前述したとおり走行時の安定性には優れているが、こちらのシャシーは小まわりが利かず、オーバーハングも長くなる。さらにはロードクリアランスが少なくなってしまうため、地面との干渉にも気を使わなければならない。そして、小径タイヤを履かせているため衝撃吸収力は低くなり、段差に弱く乗り心地も悪くなってしまう。

 ドライバーにとってはお世辞にも扱いやすいシャシーであるとはいえないが、それでも重宝されているのは「大量の荷物を輸送するのに適した形状である」ため。一度にたくさんの荷物を運ぶことができる4軸低床の大型トラックは、長距離輸送の現場には最適な存在となっているのだ。

 ひとくちに大型トラックといってみても、たくさんの種類が存在する。それぞれに長所と短所が存在するため、間違いのないシャシーを選ぶことが重要だ。

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みんなのコメント

29件
  • sak********
    同じ3軸でも、前2軸の後1軸というものが存在する。タンクローリーでも見かけるこちらはふたつの前輪がハンドルと連動するのだが、ステアリング機構上の問題からハンドルが切れず、旋回半径は大きくなってしまう。…との記述が有るが高床3軸と同じくらいハンドルは切れるので回転半径は変わりませんよ!
    高床3軸との大きな違いは内輪差です、高床3軸に比べて前2軸は後輪の位置が後ろに有るため内輪差が大きくなります。
    この記事を書いた人は乗った事が無いのでしょうね!!!
  • sub********
    この記事を書いた記者は実際に各種大型トラックに乗ったのだろうか?
    4軸低床の乗り心地が悪い?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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