いつかはオーナーになってみたい
2021年に英国で発表され、2022年に日本上陸を果たした5代目レンジローバー。より大きく、より高級になったことで、いつかはオーナーになってみたいという個人的な願いは封印せざるを得ないと思っていたのだが、改めて試乗すると、もう一度夢を見てみたくなるほど素晴らしい乗り味なのだからたちが悪い。
【画像】極上の乗り心地!レンジローバー2025年モデル 全18枚
現在の日本仕様のラインナップは、スタンダードホイールベース、ロングホイールベース、ロングホイールベース7席シートと3つのボディスタイルを用意。
SE、HSE、オートバイオグラフィー、SVと4つのグレード、D350(ディーゼルマイルドハイブリッド)、P530(ガソリンマイルドハイブリッド)、P550e(プラグインハイブリッド)、P615(ガソリンマイルドハイブリッド)といったパワートレーンが組み合わされている。
ブランド初のBEVは本国での2025年予約受付開始に向けた開発の最終段階に入っていて、日本にも導入される見込みとなっている。5代目から投入された新たなアーキテクチャー、MLAフレックスは多くのパワートレーンに対応しているわけだ。
試乗したのはHSE D350のロングホイールベース。実は2025年モデル最大のトピックスはディーゼル・エンジンのパワーアップで、従来のD300から50ps向上し名称もそのままD350となった。
また、これまではスタンダードホイールベースでしかディーゼルは選択できなかったが、7席シートを含むロングホイールベースにも設定された。エントリーであるディーゼル・エンジンの選択肢が広がったことは喜ばしい。
コクピットに収まる前からおもてなし
久しぶりに試乗するレンジローバーに近づいていくと、凹凸や装飾を極力排したクリーンなサーフェースによるモダンなエクステリアが、まったく色褪せずに新鮮なことを再認識。無駄がないからこそ、優雅なプロポーションが際立っている。
フラッシュサーフェースのための格納式ドアノブは近づくと自動でせりあがり、ドアを開ければこれまた自動で足元のステップが出てきて乗降をサポート。コクピットに収まる前からおもてなしが始まっている。
直線基調のインテリアは最高の素材使いで上質そのもの。デジタライズも進んでいるが、アナログ風メーターなどクラシカルな趣を合わせ持つ。
エンジンを始動して走り始めるとあまりの静粛性の高さに、プラグインハイブリッドだったっけ? と疑うほど。街中を流して走るぐらいでは、ディーゼル特有の音や振動がほとんど感知されずモーターのようなのだ。
最もディーゼルノック音が出やすい、低回転で負荷をかけた状態を意地悪に試してみても静けさは保たれる。従来のD300はこんなに静かだったかな? と過去の試乗メモを確認したところ、『D300も十分に静かだが、P530のほうがもっといい』と書いてあった。今回のD350は文句のつけようがないので、D300よりも静かになっているのだろう。
ディーゼルとは思えないほど軽快でスムーズ
MLAフレックスは先代モデルに比べてボディ剛性が50%高まったことに加えて、ノイズ遮蔽率も24%向上しているという。また、次世代型アクティブノイズキャンセレーションは、ヘッドレストのスピーカーによってシートごとに静粛性を作りだしている。そのためエンジン音だけではなく、ロードノイズや風切り音も極めて低く抑えられている。
アクセルペダルを踏み込んで回転があがってくればエンジンの息吹が感じられ、心地いい澄んだサウンドとともにリミットの4500rpmまでの吹き上がりも、ディーゼルとは思えないほど軽快でスムーズ。マイルドハイブリッドの恩恵でレスポンスも良く、8ATのシフトクオリティも申し分ない。
車両重量は2750kgにも及ぶが、0-100km/h加速は6.1秒と十分に俊足でもある。これまた過去の試乗メモによると『P530のほうがパフォーマンスは高いのは当然だが、パワーが盛り上がりすぎてややせわしないことも……。レンジローバーらしいゆったりとした気分を味わいたいならD300のほうが好ましい』とあった。
D350はパワーが向上して俊敏になったうえに、ゆったりと落ち着いた特性はあいかわらず。これまで以上にレンジローバーに相応しいパワーユニットと言える。
大柄な本格オフローダーというのが信じられない安定感
乗り心地は極上だ。285/40R23の巨大なタイヤを履いているにもかかわらず、低速域でのゴツゴツ感も、バネ下の重さをまるで感じない。基本的にはしなやかでソフトタッチなのだが、エアサスペンションがいい仕事をしていて速度があがればフラットライドになっていく。
コーナーでも電子制御アクティブロールコントロールによってしなやかながらロールが抑えられるので、大柄な本格オフローダーというのが信じられないぐらい安定感がある。さすがに俊敏とまでは言えないが、動きが一貫していてハンドリングの正確性が高いので、ワインディングロードでもそれなりに楽しく走れる。改めて5代目レンジローバーのオンロード性能の進化を感じた。
しばらく試乗しているうちに大きなボディが身体に馴染んできた。見晴らしのいいコマンドポジションに、四隅を把握しやすいボディ形状、さらには後輪操舵による小回り性能や3Dサラウンドカメラやクリアサイトグランドビューなど最新のカメラ技術によって取り回しは想像するよりもずっといい。
自宅ガレージの物理的なスペースさえクリアすれば、案外と持て余さずに付き合えるかもしれない。
レンジローバーHSE D350(LWB)のスペック
全長×全幅×全高:5265×2005×1870mm
ホイールベース:3195mm
トレッド:F1700mm R1705mm
乗員:5名
車両重量:2650kg(5人乗り/パノラミックルーフ装着車)
エンジン形式:直列6気筒ディーゼルターボ
排気量:2996cc
ボア×ストローク:83.0×92.2mm
最高出力:258kW(350ps)/4000rpm
最大トルク:700Nm/1500-3000rpm
燃料タンク容量:80L
モーター:交流同期電動機/1個
定格電圧:48V
定格出力:5kW
最高出力:14kW/800-2000rpm
最大トルク:200Nm/250rpm
バッテリー:ニッケルマンガンコバルト
電圧:3.85V
容量:19.5Ah
総電圧:46.2V
燃費(WLTP):11.4km/L
駆動方式:AWD
ギアボックス:8速AT
サスペンション:Fダブルウィッシュボーン Rマルチリンク
タイヤ:F255/60R20 R255/60R20
価格:2063万円
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