ポルシェは慣らし運転の方法や最速タイムを狙うヒントなど満載
皆さんはクルマを購入したとき「取り扱い説明書(取説)」をご覧になるだろうか。大抵の場合、グローブボックスを開くと車検証入れと一緒に格納されているものだ。
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クルマの各所のネーミングから機能、役割、操作方法などが細かく書かれ、なかには数百ページにも及ぶものもある。近年はナビゲーションやオーディオ、CASE(Connected Autonomous Shared&Services Electric)などの新世代装備に関する取説を分けて収納し、2~3冊にもなるケースもある。そのすべてのページを読み、理解して運転している人はほとんどいないのではないだろうか。今回は、過去に試乗したスポーツモデルのなかで、面白い取説ネタをいくつか紹介しよう。
まず、僕自身が所有していた1993年式のポルシェ911ターボ(964型)だ。ポルシェ911についてはレースでも搭乗し、試乗会などにも参加して多くの知識を持っていたが、それでも911ターボの取説は面白く、興味深く読めた。
通常の取説は車体各所の名称やスイッチ配置などから始まるが、911ターボでは「慣らし運転」の方法から始まる。それは1000km走行するまではエンジン回転を5000rpm以下にすることから始まり、ブレーキパッド、タイヤにも言及している。ほかにも使い方だけでなく、メンテナンス方法、経年劣化箇所なども紹介している。
面白いのは後半のテクニカルデータを記載している部分で、各ギヤ(マニュアルトランスミッション車)ごとの登坂性能、最高速度(ターボは280km/h)、0~100km/h加速性能(4.7秒)、0~1000m発進加速性能(22.7秒)などが公式データとして紹介されているのだ。
エンジンの最高出力曲線や加速曲線、トランスミッションダイアグラム(車速線図)なども示され、ドライビングに役立てるようにとアドバイスされている。
究極のレーシングカーにも取説が存在!
近年のモデルだとBMW M4 GTSの取説が凄かった。このクルマは、サーキットも走れる「クラブスポーツ」仕様としてフロントスポイラーやリヤウイングを装備しているのだが、それらのセッティング方法が専用の取説に記載されている。
フロントのスポイラー位置はジャッキアップしたうえで6本のボルトを緩め、前方に引き出して調整するが、その分量とダウンフォースの関係、リヤウイングとの空力バランスなどが事細かに記されている。スポイラー調整ボルトの締め付けトルクまで指示されているという本格的なもの。
さらにはGTSのリヤトランク内にウォーターインジェクション用のタンクが装備されている。これはエンジンの最高出力発生時、シリンダー内に水を噴射して燃焼温度を制御する特殊なシステムなのだが、ウォータータンク満水で独・ニュルブルクリンク1周、約22kmをカバーできることなどが書かれていた。
また近年の欧州の高性能車は2ペダルで、ローンチコントロールを装備しているのが当たり前となった。ポルシェもメルセデス-AMGも、その作動方法を丁寧に解説していて、作動条件や性能指標も示されている。メルセデス-AMGではさらに4WDの4マチックモデルで「ドリフト・モード」機能を備える車種があり、その詳細について記述されている。AMG GT Rではマニュアルのトラクションコントロール調整スイッチを装備していて、その取り扱い方法についての紹介、注意書きもあるのだ。
思い起こせばグループCレーシングカーのポルシェ962Cやル・マン24時間を闘ったマクラーレンF1 GTRにも取説が備わっていた。それらはおもに性能調整やセッティングに関して事細かに記されていて、とくに空力特性に特化したマクラーレンF1GTRではウイングの調整位置ごとに、前後車軸にかかるダウンフォース量やダウンフォースのかかる車軸間位置なども風洞実験データを基に記されていた。もはや取説というより「機密事項」に類する内容といえ、とても興味深いものだったのだ。
ぜひ、自分のクルマの取説をじっくり見て確認してほしい。数年間毎日乗っていたのに気がつかなかったような機能や性能が、じつは持たされているかもしれない。
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ペダル下のカーペットをめくったらベニア板だった。ポルシェはベニア板で出来ているようだ。