現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 「もう少しでタイプRになれたのに!?」ラファーガ2.0CSという悲しき存在【ManiaxCars】

ここから本文です

「もう少しでタイプRになれたのに!?」ラファーガ2.0CSという悲しき存在【ManiaxCars】

掲載 更新 11
「もう少しでタイプRになれたのに!?」ラファーガ2.0CSという悲しき存在【ManiaxCars】

タイプR風情を漂わせたスポーティグレード

ロングホイールベースゆえ微妙におかしいスタイリング

「もう少しでタイプRになれたのに!?」ラファーガ2.0CSという悲しき存在【ManiaxCars】

1993年10月、2代目アスコットの兄弟モデルとして登場したラファーガ。プリモ店扱いのアスコットは“ラグジュアリー・エレガンス”、ベルノ店扱いのラファーガは“ダンディ・エレガンス”がテーマだったのだが、その違いがイマイチ分かりにくい(笑)。

そんなラファーガのグレードは下から2.0E/T/Xで、いずれもG20A型2.0L直5SOHC(160ps/19.0kgm)を搭載。さらに、その2.5L版、G25A型(180ps/23.0kgm)を載せる2.5Sが最上級グレードに据えられた。ミッションは2.0Lが5速MTと4速AT、2.5Lは4速ATのみとなる。

その後、95年6月にマイナーチェンジ。2.0Lモデルのグレード名が2.0EX/TX/SXに変更、今回取材したCSが追加された。CSとは『クルージングスポーツ』の略で、ようするにスポーティグレードだ。

エンジンはスペックを含めて他の2.0Lモデルと同じG20Aを搭載。吸気系にはエンジン回転数に応じてポート断面積を変化させ、全域でのトルク特性を改善する2ステージインマニが、排気系には効率を考えた5-3-1EXマニが採用される。5本のインマニやプラグコードが変態だ。

2.0CSと2.5Sにはフロントストラットタワーバーを標準装備。左右ストラットタワー間だけでなく、バルクヘッドにも固定することでフロントのねじれ剛性を向上させる。切っただけのパイプエンドに機能優先の思いを垣間見る。

エクステリアでは、CSであることを主張する外装パーツはあちこちに見受けられるが、もっとも象徴的なのが専用大型リヤスポイラー。純正オプション品以上、インテR純正品未満…という絶妙なサイズ設定がにくい。装着によりトランクパネルが重くなって開閉に支障が出るため、実はトランクオープナースプリングも専用強化品に交換されていたりする。

足回りは少し変わっていて、フロントダンパーとリヤスプリングが専用品。逆に言うと、フロントスプリングとリヤダンパーは他モデルと同じなのだ。これに強化フロントスタビや鍛造リヤロワアームが組み合わされる。そういえば、ステアリングギヤボックスもクイックレシオの専用品らしい。ホイールも専用の11本スポークとなる。

続いて内装。本革巻きステアリングのホーンパッドに輝くのはホンダの赤バッジ! これこそCSがタイプR的なモデルと言われる証だ。が、正真正銘のタイプRと決定的に違うのは、フロントグリル&トランクリッドのバッジが普通に黒であること。惜しくもタイプRにはなれなかったCSの悲哀が、そこに滲み出ている。

指針と文字をオレンジ色としたメーターは、スピード&タコを中心として右側に燃料計、左側に水温計が配される。

センターコンソールは上からエアコン吹き出し口、ハザード&リヤデフォッガースイッチ&デジタル時計、オートエアコン操作パネル、純正AM/FM電子チューナー+カセットデッキ、小物入れ、シガーライター&灰皿。ダイヤルとプッシュボタンを組み合わせたエアコン操作パネルは使い勝手が良い。

運転席のドア側アームレストに設けられたパワーウインドウ&電動調整ミラーの操作スイッチ。ワンタッチ操作でのウインドウ全開閉が可能なのは運転席だけ。集中ドアロックのスイッチはドアノブ前方に確認できる。ちなみに、ドアトリムはダブルステッチ縫製の布でクッション材(ウレタン)を包み、それをドアパネルに取り付けるという作りだ。

他の2.0Lモデルに対して、3速0.976→1.051、4速0.653→0.723とギヤレシオを低めた4速ATを搭載。状況に応じて最適なシフトチェンジを行うプロスマテック、それもファジー制御を採り入れたType-IIが採用される。

シート形状は他モデルと同じで生地が専用。前席には電動パワーシートがメーカーオプション設定されていたことから、CSの性格が見えてくる。ラファーガの後釜がトルネオというてことも含め、CSはタイプR的というよりユーロR的と考えるのが妥当だ。

後席は大人2人が乗るにも十分なスペース。センターアームレスト部にはトランススルー機構が与えられる。

当時の資料によるとトランク容量は420Lと大きく、フルサイズのゴルフバッグが4つ入るというから実用的だ。トランクパネルがバンパー上端から開き、開口部も大きいため、荷物の積み降ろしもしやすそう。

一代限りで消えたラファーガ。とりわけCSは強烈な個性を放ち、ホンダFF車の系譜において燦然と輝く変態グルマなのだ。まぁ、それを言ったら国産直5縦置きFFの祖、インスパイアとビガーもハズせないが…。

■SPECIFICATIONS
車両型式:CE4
全長×全幅×全高:4555×1695×1425mm
ホイールベース:2770mm
トレッド(F/R):1465/1465mm
車両重量:1320kg
エンジン型式:G20A
エンジン形式:直5SOHC
ボア×ストローク:φ82.0×75.6mm
排気量:1996cc 圧縮比:9.3:1
最高出力:160ps/6700rpm
最大トルク:19.0kgm/4000rpm
トランスミッション:4速AT
サスペンション形式:FRダブルウィッシュボーン
ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤサイズ(F/R):205/55R15

TEXT&PHOTO:廣嶋KEN太郎

●取材協力:S・K・T 東京都あきる野市横沢欠ノ上43-1 TEL:042-519-9826

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
AUTOSPORT web
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
AUTOSPORT web
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
AUTOCAR JAPAN
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
乗りものニュース
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
motorsport.com 日本版
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
AUTOSPORT web
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
AUTOSPORT web
ウイリアムズとアメリカの電池メーカー『デュラセル』がパートナーシップを複数年延長
ウイリアムズとアメリカの電池メーカー『デュラセル』がパートナーシップを複数年延長
AUTOSPORT web
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
くるまのニュース
フェラーリ育成のシュワルツマンが陣営を離脱。2025年はプレマからインディカーに挑戦
フェラーリ育成のシュワルツマンが陣営を離脱。2025年はプレマからインディカーに挑戦
AUTOSPORT web
スバルBRZに新たな命を吹き込む 退役軍人のセカンドキャリアを支援する英国慈善団体
スバルBRZに新たな命を吹き込む 退役軍人のセカンドキャリアを支援する英国慈善団体
AUTOCAR JAPAN
オープンカー世界最速はブガッティ!「ヴェイロン」より45キロも速い「453.91km/h」を樹立した「W16ミストラル ワールドレコードカー」とは?
オープンカー世界最速はブガッティ!「ヴェイロン」より45キロも速い「453.91km/h」を樹立した「W16ミストラル ワールドレコードカー」とは?
Auto Messe Web
『ローラT92/10(1992年)』“賃貸住宅ニュース”で強いインパクトを残した新規定グループCカー【忘れがたき銘車たち】
『ローラT92/10(1992年)』“賃貸住宅ニュース”で強いインパクトを残した新規定グループCカー【忘れがたき銘車たち】
AUTOSPORT web
リバティ・メディアCEOマッフェイの退任、背景にあるのはアンドレッティとのトラブルか
リバティ・メディアCEOマッフェイの退任、背景にあるのはアンドレッティとのトラブルか
AUTOSPORT web
約10年ぶりに“メイド・イン・イングランド”に!? 新型「ミニ・コンバーチブル」が“ミニの聖地”で生産開始
約10年ぶりに“メイド・イン・イングランド”に!? 新型「ミニ・コンバーチブル」が“ミニの聖地”で生産開始
VAGUE
【クルマら部】「ポルシェ911」クルマ愛クイズ!全4問・解答編
【クルマら部】「ポルシェ911」クルマ愛クイズ!全4問・解答編
レスポンス
昭和の香り残す街に130台のクラシックカー…青梅宿懐古自動車同窓会2024
昭和の香り残す街に130台のクラシックカー…青梅宿懐古自動車同窓会2024
レスポンス
三菱「新型SUVミニバン」公開! 全長4.5m級ボディדジムニー超え”最低地上高採用! タフ仕様の「エクスパンダークロス アウトドアE」比国に登場
三菱「新型SUVミニバン」公開! 全長4.5m級ボディדジムニー超え”最低地上高採用! タフ仕様の「エクスパンダークロス アウトドアE」比国に登場
くるまのニュース

みんなのコメント

11件
  • ここまでしたならFRもしくは
    アウディのように縦置き4WDとか
    出せば良かったのにね。
  • デカいグリルが全盛の今見ると
    当時のチビッコグリルなかなかカッコいい
    まったくヒットしませんでしたけど
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

186.3245.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索
ラファーガの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

186.3245.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村