■ドコモカラーのGT-Rが爆走!?
国産車のなかでも最高峰の走行性能を誇る日産「GT-R」ですが、国内トップの携帯電話シェアを誇るNTTドコモが所有しているというのです。なぜ、NTTドコモはGT-Rを所有しているのでしょうか。
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GT-Rは、2007年に発売されました。その後、毎年のように改良が施され後発に登場してくるスーパーマシンに引けを取らない性能を保っています。
対して、NTTドコモは携帯電話などを展開する移動体通信事業者です。スマートフォン通信サービスのなかでも安定した通信を確保できるとして、人気の携帯キャリアです。
一般社団法人電気通信事業者協会によれば、NTTドコモの携帯電話契約数シェアは、au、ソフトバンクを含めた大手3社のなかで、約45%を誇っています。
では、そのNTTドコモは何の目的でGT-Rを所有しているのでしょうか。その背景には来たるべき「5G時代」に向けた理由がありました。
このGT-Rは、5G無線通信の実験車両として使用されています。助手席と後席の一部が外され、通信試験をおこなうための専用機材を搭載し、高速移動中も安定した通信を確保するための実験をおこなっていたのです。
実験は、茨城県東茨城郡城里町にある、日本自動車研究所の城里テストセンター内の高速周回路で実施されました。
実験中の最高速度は305km/hに達し、GT-Rの動力性能が存分に発揮されたようです。このとき、GT-Rがおこなったのは超高速移動環境での5G無線通信実験であり、ドコモによれば時速300km/hでの実験に成功したのは、これが世界初の事例だったとのことです。
また、このGT-Rはレーシングチーム「DOCOMO TEAM DANDELION RACING」による、スペシャルチューニングが施されており、フロントフェンダーやサイドステップが空力を考慮された形状に変更されていました。
NTTドコモの広報担当者は、このGT-Rについて以下のように話します。
「GT-Rが実験に使われた理由は、300km/hという速度を安定して出せる市販車がGT-Rだったからです。機材を乗せて300km/hを出すとなると、ただ300km/hを出せればいい場合と次元が違います。
300km/hを市販車で出すというのは困難なようですので、そのためにレーシングチームに協力していただいています。フェンダーの形状変更も、そのためのものです」
※ ※ ※
GT-Rはドコモのほかにも、世界最大級のガラスメーカーであるAGCが研究する5Gのガラスアンテナの試験にも使われている車両もあります。2020年2月7日から2月8日に開催された、「ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ2020」では、ドコモ・AGCのGT-Rが同時出展し、ピンクと青の特別なカラーリングから、会場内でも存在感を放っていました。
国内最高峰の走行性能を誇るクルマは、そのポテンシャルを活かして企業の研究にも活用されているようです。
■時速300キロの新幹線でも安定した通信を確保
しかし、日本の道路の法定速度は最高でも100km/h(一部120km/h)までとなっており、クルマで200km/h以上のスピードを出す機会はサーキットやテストコース以外ではありません。なぜ、それほど高速で実験をおこなう必要があるのでしょうか。
実際に動きながら通信をする場合は、地域ごとに設置された無線基地局を途中で切り替える必要があります。
5Gでは4Gと通信方式が異なるため、200km/h以上の新幹線などで移動する環境でも切り替えがスムーズにおこなえるよう、新幹線並のスピードを出せるGT-Rでの実験が実施されたのです。
なお、ドコモの報道発表によれば、同様の通信実験は実際に新幹線内でもおこなわれたとのことです。こうした通信技術の高速化、高度化は、クルマや新幹線以外にも、さまざまなメリットがあるとされています。
前出の「ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ2020」では、ドコモの5G無線通信技術を活用した取り組みとして、動く手術室と言うべき「モバイルSCOT」や、その縮小版である「Hyper Dctor CAR」が展示されました。
これは、車内に手術室や診察設備などを持ち、病院の医師がリアルタイムに患者の状況を把握することによって、迅速で的確な遠隔医療を実現するものです。
※ ※ ※
5G時代への準備は着々と進んでいます。たとえば5Gで動画を見る際は、いまよりも格段にストリーミングやダウンロードが速く、きれいな画質で見ることができるといわれています。この5Gの技術がクルマに応用されれば、さまざまなモビリティサービスが格段と向上するかもしれません。
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みんなのコメント
ところでドコモさん、ガラケーを2026年で切り捨てるのは待っていただけないでしょうか・・・
えっ?無理?ですよね・・・